

この記事は以下のような人を対象としています。
・周囲の評価を気にし過ぎて「心身のケア」まで目が行き届いていないと感じる人
はじめに:「頑張りすぎる」を手放し、安心して働ける自分へ

最近、疲れがとれないなぁ。でも、みんなの役に立つためにもっと頑張らないと。

頑張っているつもりだけど、私、周りからはどう思われているのかしら。
こんな思いが頭によぎったことありませんか。
以前の記事でも、こうしたことに悩まないための考え方を紹介しました。
そこでも少し触れましたが、私立学校事務員が携わる仕事といえば「学校経営に大切なお金の管理」や「ステークホルダー間の人間関係の調整」など、成果が表に出にくいものがほとんど。
そんなポジションにいるため、気づけば自分のコンディションより“周りの期待”を優先してしまいがちです。

結局、達成感がないから「自分は役に立っている」という実感を求めてしまうんですよね。
もちろん周りの人の役に立とうとする姿勢は大切ですが、そこにハマりこんでしまうのは危険です。
周囲の人から「選ばれること」を意識し過ぎて偽りの自分を演じてしまい、自分らしい振る舞いや考え方ができなくなってしまうことがあるからです。
さらに、それが心身の不調につながる可能性もあります。
実際、新人の頃はできる仕事が限られているため、「お荷物になりたくない」や「少しでもお役に立たないと」という意識が強く働きます。

私自身、簿記や会計の知識がないにも関わらず、新卒で経理・会計担当部署に配属されたので、1年くらいそのような感情を抱きながら仕事に取り組んでいましたね。
そして新人から中堅に差し掛かる頃には、仕事の幅が広がる一方で「もっとできるはず」「迷惑をかけたくない」という思いが強くなり、知らず知らずのうちに疲労やストレスを抱え込んでしまう。
そんな事務員は少なくないというのが私の実感です。
このような“頑張りすぎる事務員”にとって大切なのは、無理なく心と体を整え、自分らしい働き方を取り戻すためのセルフケアです。
ただ、そうしたセルフケアの方法を職場で学ぶ機会はまずありません。
ではどうすればよいか。
そのためには、うまくセルフケアができている人から学ぶのが一番だと私は考えています。
無理せず自然体で仕事に取り組んでいる人。
そのうえ周りから「選ばれる人」として活躍している人。
そんな人が実践している習慣を学び、普段の行動に取り入れることがセルフケアを身につけるための一助となるはずです。
そこでこの記事では、そのような「選ばれる人」の考え方や行動を解説している書籍から、
- 疲れをためないための「コンディション管理の基本」
- 忙しい事務員でも続けられる「小さな習慣」
の観点で、誰でもすぐに取り組めそうなものを3つピックアップして紹介します。
どれも特別なスキルや道具は必要ないうえに、実践した私自身が効果を実感しているものばかりです。
新人の方には「まず何から整えればいいのか」がわかり、中堅の方には「これまでの頑張りを無理なく続けるための再調整」ができる内容になっています。
皆さんが職場で安心して働き続けるために、そして自分の価値を正しく感じられるようになるために、この記事が少しでも力になれば幸いです。
書籍の紹介
書籍名:選ばれる人の100の習慣
著者名:井上 裕之
出版社:日経BP
発売日:2025年10月27日
疲れやすさの正体──「環境ストレス」と「役割負荷」
新人から中堅の私立学校事務員がまず理解すべきなのは、“疲れやすさは個人の弱さではなく、職務特性の影響が大きい”という事実です。
多くの事務員が「自分だけが疲れやすいのでは」「もっと頑張れるはずなのに」と自分を責めてしまいますが、これは誤解です。

真面目で責任感が強い事務員ほどこういった考えに陥りがちですね。
これで自分を追い込みすぎて休職や退職に至った人を何人も見てきました。
疲れの背景には、私立学校事務員の仕事特有の「環境ストレス」と「役割負荷」があります。
この2つを正しく理解することで、セルフケアの方向性が明確になり、無理のないコンディション管理が可能になります。
まず「環境ストレス」とは、職場の構造や文化から生まれる負荷のことです。
この「環境ストレス」のなかでも、特に疲れやすさに影響を与えていると私が感じているのが、私立学校ならではの“評価の構造”です。
先述したとおり事務員の仕事は成果が見えにくく、感謝される機会が少ない。
しかしその一方、ミスは目立ちやすいという特徴があります。

ミスがなくて普通、あったら徹底的に犯人捜しというのは私立学校事務員の職場ではよくあることですね。
そのため、「もっと頑張らないと」「迷惑をかけたくない」という思いが強まり、必要以上に周りの目を気にし、自分を追い込んでしまうことがあります。
もちろん性格による部分もありますが、それと同等以上に先ほど述べた職務上の評価構造が大きく関係しています。
次に「役割負荷」です。
事務員は、教員のサポート役として動くことが多く、業務の優先順位が自分で決めにくいという特徴があります。
「急ぎでお願いしたい」「至急で対応してほしい」という依頼が重なると、自分の作業を中断しながら進めることになり、集中力が分断されます。
これを繰り返すと、脳は“常にマルチタスク状態”になり、疲れやすさが増します。
また、事務員は先ほど述べたとおり、「ミスが許されにくい」業務が多いため、慎重さが求められます。
新人から中堅の時期は経験値がまだ不足しているため、慎重さと不安が混ざり合い、精神的な負荷が大きくなりがちです。

適当に流していい部分とそうでない部分との見極めができないので、力を抜くタイミングがわからないんですよね。
私の後輩は、ある日突然発熱し、4日間ほど休んだことがありました。
長時間労働が続いたというような特段の事情がないにも関わらず、です。
病院での診察では目立った異常は発見されず、「疲れが原因かもしれないので様子見」と診断されたとのこと。
5日目には無事復帰し、その後は何事もなく業務に携われたのでホッとしましたが、こうしたケースはその後輩以外でもちょくちょく見られます。
こうした環境ストレスと役割負荷が重なることで、事務員は疲れやすくなり、他人の評価に敏感になりやすくなります。
繰り返しになりますが“自分が弱いから”ではありません。
とにかくお伝えたしたいのは、疲れやすさの原因を自分の性格や能力に結びつけないことです。
原因を正しく理解することで、「どう整えればいいか」が見えてきます。
以降では、ここでお伝えした環境ストレスと役割負荷を踏まえて、日々のコンディションを整えるための具体的な習慣を紹介します。
「選ばれる人」が実践しているセルフケアのための3つの習慣
今回、書籍からピックアップした習慣は以下の3つです。
- 身だしなみを整える
- 「まず聞いてみる」で余裕のある態度を示す
- 「おかげで」「おかげ様で」を日頃から使う
どの習慣も「それだけでいいの?」と思ってしまうものばかりですが、こうしたシンプルなものから手をつけることが、いい習慣を身につけるには効果的です。
それでは一つずつ見ていきましょう。
習慣①身だしなみを整える
これは「役割負荷」への対応策です。
突発的な仕事により心を乱されるということは「自分でコントロールできないことに振り回されている」と言い換えることができます。
ということは、自分でコントロールできることを増やせれば、心の中で帳尻を合わせることができるわけです。
そこでおすすめしたいのが以下の方法です。
選ばれる人は、「誰かと会うから整える」のではなく、「自分を律するために整える」習慣を持っています。
「選ばれる人の100の習慣」より引用
(中略)
ときには休みの日も身だしなみを整えて過ごしてみてください。朝からシャワーを浴びてスッキリして、いつでも外出できる服装に着替えて過ごす。すると、気持ちがしゃんと整い、やる気が湧くのを実感できます。身だしなみは、心とつながっているので、身だしなみへの配慮は、心を整える小さなスイッチになります。 P18
よく「やる気が起こらない時はまず体を動かしてみるといい」と言われるように、行動が心を作るというのは私も実感しています。
その心と連動するという意味で重要なのは「身だしなみ」
服装や姿勢が整っていると心も整います。
以前の記事で「がんばらない気づかい」について紹介しましたが、そこでも身だしなみは重要ポイントでした。
詳しくは以下の記事をご覧ください。

自分の気持ちも引き締まるし、相手への気づかいにもなるので一石二鳥ですよ。
爪や姿勢はお金をかけずに整えられます。
そんな小さなところからでも取り組んでみてはいかがでしょうか。
習慣②「まず聞いてみる」で余裕のある態度を示す
次も「役割負荷」への対応策です。
先述のとおり私立学校事務員には「急ぎでお願いしたい」「至急で対応してほしい」という依頼が頻繁に寄せられます。
そんなとき、どうしても心に焦りと不安がよぎってしまいます。
それにより心が消耗してしまうわけです。
そんなシチュエーションの対応策として紹介したいのが以下の方法です。
仕事をしていると、予想外の依頼や急ぎの仕事が舞い込むことがあります。そんなとき、「え、何これ⁉」と気持ちがザワザワしてしまうでしょう。
「選ばれる人の100の習慣」より引用
(中略)
選ばれる人は、「できるか、できないか」の判断を急がず、「まず聞いてみよう」という余裕のある態度を示します。 驚いたり、不安になったりしても、それをすぐに表に出さずに落ち着いて受け止めること。それが「余裕ある人」に見える振る舞いです。 P44
これも先ほど紹介した「行動が心を作る」効果を活用した方法です。
「役に立ちたい」という思いがあるから急いで「できるか、できないか」という判断をしてしまいがちです。
そんな気持ちをおさえて「まず聞く」という態度をとることを優先するというわけです。
そうして「まず聞く」という落ちついた行動をとることが、余裕ある心を育てることにつながります。
その余裕は相手にも伝わり、それにより相手も安心感を持って接してくれるようになるはずです。

ちなみに私の経験上、新任から中堅の事務員が、その場で即「できるか、できないか」を判断しなかったことが原因でトラブルにまで発展したケースは一度もありません。
逆に即答を避けた方が、トラブルと心の消耗を防ぐことにつながりますので、参考までに覚えておいていただければと思います。
習慣③「おかげで」「おかげ様で」を日頃から使う
最後は「環境ストレス」への対応策です。
感謝される機会が少ない事務員の仕事ですが、「もっと感謝して」という気持ちで仕事に取り組んでいてもうまくいきません。

本人は気づいていないかもしれませんが、相手にはそういう気持ちが伝わってしまうんですよね。
実際「もっと感謝してほしい」と口にする事務員が私の周りにもいます。
当然ですが感謝されることはまずありません。
そこでおすすめしたいのが以下の習慣です。
「おかげ」という感謝の表現には、相手を立て、敬意を示し、良好な関係を築く力があります。実際、仕事で関わる人から「〇〇さんのおかげです」と言われると、嬉しくなるものです。
「選ばれる人の100の習慣」より引用
(中略)
日頃から、「おかげで」「おかげ様で」を自然と使う人は、人に好かれ、助けられ、応援される機会が増えていきます。 P109
まずはこちらから感謝の言葉を伝えるようにするわけです。
私の場合、いつもよくお手伝いをしてくれる生徒に「〇〇さんのおかげで」という感謝の言葉を伝えていると、自然と挨拶や会話を交わす機会が増えるのを感じました。
このように良好な人間関係の構築には効果がありますので、おすすめです。
まとめ
「私立学校事務員のためのセルフケア」についておさらいしましょう。
- 身だしなみを整える→「爪」と「姿勢」から意識してみる
- 「まず聞いてみる」で余裕のある態度を示す→態度が心の余裕を作る
- 「おかげで」「おかげ様で」を日頃から使う→生徒に感謝を伝えてみる
私立学校事務員には、「周りの役に立ちたい」という献身的な気持ちが強い人が多いです。
しかし、そういった人ほどメンタル不調で仕事から離れてしまいます。
私も何人もそんな人を見てきました。
なかでも特に、新人から中堅の事務員にそういったケースが多くみられるように感じています。
そんな新人や中堅事務員が、セルフケアの基本を身につけ、心身共に健康な状態で仕事に取り組めるようになること。
この記事の内容が、その参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。


