

この記事の内容は、以下のような人を対象にしています。
・充実した時間を過ごすためにはタイパを追求する必要があると思っている人。
はじめに:「脱タイパ」で人生の満足感・充実度をアップさせよう!

資格の勉強や読書、スキマ時間も使って頑張っているけどイマイチ充実感がないわ。

目の前のタスクに振り回されていて、昨日何していたのかさえ思い出せないよ。
こんな悩みや経験、ありませんか?
これまでもこのブログで、「時間の使い方」に関する記事を書いてきました。
どの記事も基本的に「ムダを減らそう」とか「スキマ時間はこう使おう」といったいわゆる「タイパ」を高める内容がメインでした。

「時間術」と言われるとどうしてもそのイメージがありますからね。
タイパが上がれば、人生の充実感も当然アップする。
そんな思いから、こうした時間術を紹介してきたわけです。
ただその一方で、「タイパ疲れ」という言葉も耳にする機会が増えたように感じます。
限りある時間を有効に使うために、とにかくタイパを上げて使える時間を増やそうとしている。
そうして結果的に、時間効率ばかり気にしてしまい、予定を詰め込み過ぎたことで「時間に追われている」という感覚に陥ってしまっていることが「タイパ疲れ」の原因の一つと考えられます。
では、「タイパ疲れ」を回避しつつ、充実した時間を過ごせるようになるためにはどうすればよいか。
そのためには、時間をコントロールし、「意味のある時間」をつくるための方法を学んで実行することが有益だと考えられます。
そこで今回は、「時間の効率的な使い方」以外の時間術について解説している書籍から、私が実際にやってみて効果を実感したものを紹介します。
今回紹介する方法を実践することで、「時間に追われる」という感覚が薄まり、人生の充実度や幸福度がアップする効果が期待できます。
参考にしていただければと思います。
書籍の紹介
書籍名:ぼくら大切なことに使える時間はもう、あまりないから
著者名:一川 誠
出版社:SBクリエイティブ
発売日:2025年11月1日
なぜ「タイパ重視」だと充実感が得られにくいのか?
私立学校事務員の仕事は、以下の2パターンに大きく分けることができます。
- 事務室系:窓口対応や電話対応などの突発的な業務+ルーティン業務
- 本部系:業務の9割がルーティン業務
余談ですが、本部系をイメージして入職した人が事務室系に配属になると「落ち着いて仕事したいのに」と不満を口にします。
一方で、事務室系をイメージしていたのに本部系に配属された人は「学生生徒ともっと触れ合いたいのに」とグチを言います。

どっちもどっちですけどね。
どちらにしてもルーティン業務はついてきますので、これをいかに効率よく処理するかを考える必要があります。
つまり、「タイパ」を上げるということです。
そしてタイパが上がれば、「今日も効率よく仕事ができた」と満足感に浸ることができる。
そう思っている人が多いのではないでしょうか。
ところが書籍では、逆のことが述べられているのです。
書籍の解説を引用します。
私はこれまで、科学的な研究の成果と、自分自身の生活の中での実感の両面から、「時間の使い方が人の幸福にどのように関わるか」を考えてきました。
「ぼくら大切なことに使える時間はもう、あまりないから」より引用
その中でひとつわかったことがあります。
それは日常生活のあらゆることについて「タイムパフォーマンス(以下、タイパ)」を追求している人は、充実した時間を過ごしたという感覚を得にくい、ということです。 P7
確かにこれについては私も心当たりがあります。
手際よく経理書類を処理できたときに、「うまく仕事ができた」ではなく「早く終わったから次はあれを片付けよう」という考えが先行してしまうのです。

結局、やることを前倒しで詰め込んでしまうだけなんですよね。
だから充実感を得にくいと考えられます。
では、どうすれば充実感を得られるのか。
書籍では以下のように解説しています。
そして心理学では、人は過去の記憶を思い起こすことによって、自己の評価をポジティブに受け止めることができるようになることが知られています。
「ぼくら大切なことに使える時間はもう、あまりないから」より引用
特に30~40代ごろまでの世代においては、過去の体験を具体的なエピソードとともにしっかり思い出せることが、人生における満足感や自己肯定感に深く関係していることが、複数の研究でわかっています。 P9
ポイントは「思い出せる」ということです。
先ほどの私の例で言うと、効率よく経理書類を片付けても、特段エピソードはありませんので、正直思い出せません。

よほど特殊な内容であれば思い出せますが、そんなもの滅多に回ってきません。
だから「タイパ」より「エピソード・思い出」が、満足感の高い時間の過ごし方には重要となるわけです。
書籍では、これらを以下のような一文にまとめています。
幸福になる時間の使い方とは、予定の詰め込みすぎを解消し、一つひとつの体験を特別なものにしたうえで、振り返りを行うことで長期記憶に残していくこと。 P58
「ぼくら大切なことに使える時間はもう、あまりないから」より引用
では次からは、この「幸福になる時間の使い方」を身につけるための具体的な方法を見ていきましょう。
この2つだけで十分!「幸福になる時間の使い方」の実践方法
具体的な方法の紹介に入る前に、先述した「幸福になる時間の使い方」の一文について、おさらいします。
幸福になる時間の使い方とは、
- 予定を詰め込みすぎない
- 体験を特別なものにする
- 振り返り行う
の3つで構成されています。
このなかで私が特に私立学校事務員にとって大事だと感じているのが「体験を特別なものにする」です。
というのは、前述のとおり私立学校事務員の仕事はルーティン業務がデフォルトで組み込まれているからです。
このルーティン業務が本当に記憶に残らない。
ただ大量にこなしていくだけの仕事だからです。

めちゃくちゃ長い『金太郎あめ』のようなイメージですね。
量は多いんですけど中は同じみたいな。
それ以外にも月や年ごとにルーティン化されたものもたくさんあります。
まさに私立学校事務員は「ルーティン」に囲まれているわけです。
だから、こうしたルーティン業務を「特別な体験」にすることができれば、日々の充実度や満足感アップにつながると思います。
そこでおすすめしたいのが以下の2つの方法です。
- 『課題』を設定する
- 『行事』を大事にする
それぞれ以降で詳しく見ていきます。
幸福になる時間の使い方①課題を設定する
1つ目は「課題を設定する」です。
ルーティン業務を毎日こなしていると、毎日が「やるべきこと」に追われがちです。
同じような内容の業務ばかりを右から左へ流しているうちに、気づけば一日があっという間に終わってしまう。
そんな日々が続くと、「今日、自分は何を得られたのだろう」と思ってしまい、充実感が薄れていきます。

先述した「本部系」の部署に配属されたら一度は味わう感覚ですね。
しかし、先ほど述べたとおり具体的なエピソードとして思い出すことができれば、満足度につなげることができます。
そのために、一つひとつの体験を特別なものにするわけです。
どんな小さな出来事でも、自分なりの意味づけができると、時間の質が大きく変わります。
そのための具体的な方法として有効なのが、「課題を設定する」という時間の使い方です。
課題を設定するとは、日々の業務に“自分なりの目的”を持たせること。
目的があると、同じ作業でも「ただこなす時間」から「自分の成長につながる時間」へと変わります。
書籍では以下のように解説しています。
ひとつは、課題を設けることです。
「ぼくら大切なことに使える時間はもう、あまりないから」より引用
相手がいる仕事であれば、相手の反応や満足度をひとつの指標として取り組みを評価します。自分の工夫が相手にどう受け止められたか、変化があったか、そういった検証をしていくと、自分なりの試行錯誤が体験として特別なものになっていきます。
(中略)
相手がいない作業でも、時間の短縮や労力の軽減といった数値化しやすい成果があると、それを目標にできます。 P128-129
これを事務員の業務に応用してみましょう。
たとえば、保護者の対応。
「相談内容を整理して、相手の不安を減らす言葉をひとつ添える」
「話を聞く際に、『追い聞き』のスキルを試してみる」
こうした小さな課題を設定するだけで、同じ業務が“自分の工夫を試せる場”になります。

ちなみに「追い聞き」は相手から話を引き出すためのテクニックの1つです。
詳しくは以下の記事をご覧くださいね。
相手がいない書類整理やデータ入力などの作業でも、課題設定は効果的です。
「新しいツールを使ってみる」
「前回より2分短縮する」
といった課題設定が可能です。
こうした数値化しやすい課題は達成感を得やすく、日々の仕事に小さな成功体験を積み重ねることができます。
自己効力感アップの効果も期待できるのでおすすめです。
幸福になる時間の使い方②『行事』を大事にする
もう一つは「行事を大事にする」です。
本題に入る前に共有しておきたい認識がありますので、書籍から引用します。
同じような繰り返しの毎日の中で小さな変化をつけるには「違い」に意識を向けることが大切です。
「ぼくら大切なことに使える時間はもう、あまりないから」より引用
通勤・通学のときは、年中変わらず同じ時間帯に移動します。
(中略)
このような生活に慣れてしまうと、周囲の変化に気づきにくくなります。しかし気づかないだけで、実際には周りでいろいろな変化が起こっているはずです。その変化に目を向けることができれば、新しい発見が少しずつ生まれてくると思います。 P137
この変化を感じるために活かしたいのが「行事」というわけです
これはまさに私立学校事務員向けの方法。
学校には行事がつきものだからです。

民間企業ではなかなか実践が難しいですよね。
その行事を活用するためのポイントが書籍で解説されていますので確認しておきましょう。
こうした行事は、毎年決まった季節に行われることで、時間の感覚を分節化させ、長期記憶として残りやすくなる特徴を持っています。
「ぼくら大切なことに使える時間はもう、あまりないから」より引用
(中略)
行事の背後にあった地域の生活や文化は失われつつありますが、繰り返しの中にある「違い」や「記憶される出来事」に、あらためて目を向けていくことが大切だと思います。 P139
毎年同じ時期に開催される学校行事ですが、よく観察すると違いが見えてきます。
私の勤め先の体育祭の出来事を例として紹介します。
体育祭では毎年ほぼ同じ競技が行われます。
ただ、昨年のプログラムとよく見比べると、微妙に変わっている種目があったりします。
そういうものが見つかったら、体育科の教員や体育祭実行委員の生徒に経緯を尋ねてみるわけです。

ちなみに生徒に尋ねてみたら「気づいた?」と言わんばかりの表情で話をしてくれました。
そういう生徒とのやりとりも思い出の一つとして残るので、有意義な時間の使い方だと実感しています。
まとめ
「幸福になる時間の使い方」についておさらいしましょう。
- 「予定を詰め込みすぎない」「一つひとつの体験を特別なものにする」「振り返りをする」
- 「課題を設定する」→小さな工夫を1つだけ盛り込んでみる
- 「行事」を大事にする→去年と今年の違いを見つけて尋ねてみる
世の中のツールやサービスには「時短」を目的としたものが多いです。
もちろん、時短を図り、コスパ・タイパをアップさせることは大切です。
しかし、そこにはまり込んでしまうと、毎日何をしていたか思い出せないような人生を送ってしまう可能性があります。
だから時にはコスパ・タイパ思考から離れて、一つひとつの体験を特別なものにすることにも目を向けてみましょう。
そうすることで、今よりも幸福度の高い日々を過ごせるようになるかもしれません。
この記事がその一助になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。



