

この記事の内容は、以下のような人を対象にしています。
・私立学校事務員として働くなかで、教員や事務員との人間関係がうまく構築できず悩んでいる人。
はじめに:人間関係のストレスを減らすカギは“小さなGIVE”

教員に仕事をお願いしても、なかなか思ったように動いてもらえない…。

この補助金、何とかして獲得したいけど、他部署の事務員が協力してくれない…。
こんな悩み、皆さんも一度は味わったことありませんか?
私立学校の事務員として働いていると、教員や他部署の事務員との連携がうまくいかず、こうした問題に直面することがしばしばあります。

教員も事務員も連携が苦手なんですよね。自分だけで仕事を完結させたがる傾向が高いように感じています。
そんなとき、つい「自分の伝え方が悪いのだろうか」「そもそも人を動かす力なんて自分にはない」と、必要以上に自分を責めてしまうこともあるはずです。
また、「人を動かすには人事権やカリスマ性が必要だ」という思い込みも、悩みを深める一端になっていると考えられます。
しかし、私たちが日々向き合っている学校現場では、そんな特別な力がなくても、人間関係を少しずつ良くし、周囲が自然と協力してくれる状態をつくることは十分に可能です。
そのカギとなるのが、“小さなGIVE”。
これは大げさな奉仕や自己犠牲ではなく、相手が「ちょっと嬉しい」と感じるような、ほんの小さなプラスの行動のことです。
そのような小さな行動が積み重なることで、相手の心のハードルが下がり、「この人の頼みなら動こう」という気持ちが自然と生まれていきます。
そんなちょっとした「小さなGIVE」を習慣化し、自然と無理せず「与える人(Giver)」になるための方法を実践することが、悩みを解決する糸口になると考えられます。
そこでこの記事では、“小さなGIVE”や”Giverになる方法”を解説している書籍から、良好な人間関係の構築に役立つものをピックアップして紹介したいと思います。
どれも特別なスキルも練習も必要ありません。
今日から、今この瞬間から始められるものもあります。
ここで紹介することを続けることで、周囲の反応が変わり、協力してもらえる場面が増え、結果として「人が動いてくれない」というストレスが少しずつ減っていきます。
さらに、自分の言動に対して周囲からポジティブな反応が返ってくるケースを増やす効果も期待できます。
人間関係は一気に変わるものではありませんが、あなたの小さな一歩が、確実に職場の空気を変えていきます。
参考にしていただければ幸いです。
書籍の紹介①
書籍名:The Giver 人を動かす方程式
著者名:澤 円
出版社:文藝春秋
発売日:2026年1月20日
私立学校事務員は向いている?「Giver」という存在
「小さなGIVE」の具体的な習慣や行動を紹介する前に、まず「Giver」という存在について理解しておきましょう。
書籍では「Giver」を以下のように定義しています。
Giver、すなわち与える人は、まず自分から動きます。自分から自発的に行動し、相手がハッピーになるものを与えます。すると化学反応が起きて相手も動き、互いの幸福度が最大化する―この好循環を生むのが、Giverのスタイルです。 P26
「The Giver 人を動かす方程式」より引用
私立学校事務員を希望する人は、「縁の下の力持ちのような存在になりたい」とか「学生生徒の成長をサポートしたい」など、相手の役に立って喜ばれたいといった思いが強いというのが私の個人的な印象です。

真面目で献身的なんでしょうね。
だから、先ほどの引用文の「自分から自発的に行動し、相手がハッピーになるものを与えます」の部分はまさに私立学校事務員向き。
すでに「Giver」としての素養は備わっていると言えるのではないでしょうか。
さらに私立学校事務員の職場環境が、この「Giver」を必要としていると私は感じています。
というのは、とにかく私立学校事務員は感謝の言葉を言われる機会が少ないから。
普通に仕事をしていて「ありがとう」と言ってもらえることはあまりありません。

この「感謝の言葉」も「小さなGIVE」のひとつなんですよね。
特に経理や人事、総務の担当者は感謝されるケースが少ないですが、書籍でも、こうした目立たない部署に光をあてることをすすめています。
IT部門は象徴的な例ですが、他にも事務・総務部門や経理部門、カスタマーサポート部門など、目立たないけれどエッセンシャルな(必要不可欠な)職種は世の中にたくさんあります。そんな社内外の「シャドウ・ワーク」に光をあてることで、それらの組織やチームは自信を持って動きやすくなるのです。 P49
「The Giver 人を動かす方程式」より引用
「シャドウ・ワーク」の多い学校現場。
そこで私立学校事務員が、持ち前の「Giverの素質」をいかんなく発揮することで、組織が活性化し、人間関係も良くなるというわけです。
まさに「Giver」は私立学校事務員向きであり、学校現場は「Giver」が活躍できるフィールドであると言えるのではないでしょうか。
無理なく自然にできる!おすすめの「小さなGIVE」3選
私立学校事務員が「Giver」に向いていること。
その「Giver」が学校現場で良好な人間関係を構築するために必要な存在であること。
この2点について理解していただけたと思います。
そこで、これからはそんな「Giver」として行動するためのきっかけとなる「小さなGIVE」を紹介したいと思います。

何事も始めるには小さなところから手をつけるのがいいですからね。
具体的には以下の3つになります。
- GIVEタイムの設定
- 会場準備の手伝い
- ただ聞く
これら3つとあわせて、「小さなGIVE」をするうえで注意したいポイントも紹介しますので、参考にしてください。
書籍の紹介②
書籍名:小さな「GIVE」―シンプルで楽しいのに驚くほど人生が変わる習慣
著者名:今井 孝
出版社:すばる舎
発売日:2026年6月27日
大前提:「小さなGIVE」をするうえで注意したいポイント
まず、そもそもですが何が「GIVE」になるのかを明確にしておくことが大切です。

なんでもかんでもやればいいというわけではありませんからね。
そこで書籍では以下のような判断基準を示しています。
「たったひと言」「さりげない笑顔」「応援の言葉」といった小さなことも「与える」ことになるのです。
「小さな「GIVE」―シンプルで楽しいのに驚くほど人生が変わる習慣」より引用
つまり、「与える」という言葉の定義を突き詰めていくと、それは「相手のエネルギーを高めること」と言えるのではないでしょうか。
(中略)
最終的に相手の気分・感情がよくなるかどうかが、与えたかどうかの判断基準なのです。 P74-75
だから、先述したように「ありがとう」といったちょっとした感謝のひと言も「与える」になるわけです。
逆に、以下に該当する場合は、注意が必要と書籍では述べられています。
自分が苦手なことで与えようとする必要はありません。
「
もっと言うと、「苦手なことで与えることは、できない」と考えるぐらいでもいいと思います。
無理して苦手なことをしているときは、がんばる必要があるので、本人は「やった感」があります。
ただし、その労力と比べて、相手が喜んでくれていないことも多いです。 P90