

この記事は以下のような人を対象としています。
・効率よく「学校法人会計」に関する知識を増やしたいと思っている人
効率よく学校法人会計に関する知識を習得してスキルアップを目指そう!

会計の勉強をしようと思ってネットや書店を見ても、企業会計の情報ばかり。
この中から、学校法人会計の理解を深めるのに役立つ情報だけピックアップされていたらなぁ。
こんなことを思った経験、ありませんか。
これまでの記事でも、学校法人会計の知識を身につけるために役立つ書籍を紹介してきました。
企業会計に関する書籍などで紹介されている内容は、「在庫」「売上」「売上原価」のように学校法人会計ではなじみのないものが多い。
そのため「知りたい情報ではない」と感じてしまい、学習が進まないというのが私の実感です。

これは一体何の勉強をしているんだろう、と思ってしまう瞬間がありますよね。
そんなとき、冒頭のような思いが頭をよぎってしまいます。
そして次第に学習する意欲が失われてしまうわけです。
ただ、学校法人会計オンリーの内容の書籍もクセが強い。
読み進めるには相当なモチベーションが必要になります。

読みやすくするために工夫はしてくれていますが、それでも読破するのは難易度が高いですよね。
こうした企業会計と学校法人会計との内容のギャップにより、学びを止めてしまう私立学校事務員は私の周りでよく見かけると感じています。
では、どうすれば途中で投げ出さずに学校法人会計の勉強を続けられるのか。
そのヒントは冒頭に紹介した悩みの一文にあります。
「この中から、学校法人会計の理解を深めるのに役立つ情報だけピックアップされていたらなぁ」
この一文です。
つまり、企業会計について解説している書籍の中から、学校法人会計を理解するために必要な部分だけをピックアップした情報に触れることができれば、学ぶためのストレスを軽減することができるはず。
そこで今回は、私が最近読んだ企業会計の書籍の中で、「これは学校法人会計の理解に役立つ」と感じたものを紹介します。
今回は2冊の書籍の内容を取りあげています。
この記事を読むことで、効率よく学校法人会計に関する知識を習得することができるようになるはずです。
皆さまの知識の習得に役立てていただければ幸いです。
【1冊目】そもそも「会計とは?」から「会計を学ぶメリット」について
まずは書籍の紹介からです。
書籍名:会計が面白いほどわかるミステリ 計算書に隠された7つの罪
著者名:白井 敬祐
出版社:KADOKAWA
発売日:2026年1月13日
ある架空の大企業で巻き起こる事件を中心にストーリーが進む内容になっています。
内容としては現実離れをしている部分が見受けられますが、それはフィクションということで楽しんでみるといいでしょう。
肝心な「会計の学び」というところでは、会計の勉強を始めたばかりのような初心者にとって必要な知識がわかりやすく解説されています。
その中でも以下の2点については、会計を学ぶうえで大事なポイントをうまくまとめていると感じたので紹介したいと思います。
もちろん学校法人会計にも当てはまる内容です。
会計の全体像をスポーツで例えてイメージする
私はもともと会計の知識ゼロの状態で学校法人に入職しました。

しかも新卒なので、本当に「まっさら」という感じでしたね。
そして最初に配属されたのが会計担当の部署。
当然、周りの上司や先輩事務員が話す内容が理解できません。
簿記の知識も全くありませんし、そもそも「『会計』と『簿記』って何が違うの?」という感じでした。
そのような状況にありながらも、日々の仕事をなんとかこなしていくうちに、私にも新入事務員や異動で新たに部下として配属された事務員に会計を教える役割が回ってきました。
そこで受けたのが「あぁ、やっぱり私と同じような人が多いなぁ」という印象。
やはり「会計」や「簿記」といったことの概念がまず理解できていない様子でした。
そんな昔の私みたいな人に紹介したいのが以下の解説です。
スポーツに例えるなら、ビジネスは「試合」、決算書は「スコアボード」、簿記は「得点の記録方法」、会計は「スコアを記録し、集計し、スコアボードを作って報告する活動全体」です。スコアが読めなければ試合には勝てません。 P30
「会計が面白いほどわかるミステリ 計算書に隠された7つの罪」より引用

この記事では決算書と計算書は同じものと考えてください。
あと、「ビジネス」は「学校運営」とでも言い換えてもらえればいいと思います。
個人的には大変分かりやすく、頭にスッと入ってくる感覚がありました。
会計担当事務員は「簿記」という記録方法に基づき、「計算書」というスコアボードを作成し、それをステークホルダーの方々へ正確に伝える。
こう考えると、「学校運営」という試合に参加する一人のプレーヤーとしての役割が明確になるように感じました。
自分の仕事の意義に立ち返るときや部下等への指導の際に使ってみてはいかがでしょうか。
計算書が読めるメリットを整理しておく

私、教務担当だから会計の知識は必要ないかな。
このような発言を耳にしたことがある方もおられるのではないでしょうか。
実際、私の周りでもそういった考えを持っている事務員が少なくないというのが私の印象です。

そもそも「数字」や「お金」とは関わりたくないという感じですね。
ただ、会計の知識は会計担当部署の事務員だけに必要という考え方は改めた方がいいと私は思っています。
会計、特に計算書を読む力は事務員としての基本だと考えているからです。
しかし、そう言うと、

じゃあ、計算書が読めたらどんなメリットがあるの?
という意見が返ってきたりします。
そんな意見への回答として、計算書が読めるメリットをうまくまとめた箇所がこの書籍にありましたので、紹介します。
財務三表を読む能力を身につけることで、以下のようなメリットがあります。
①自社の状況を正確に把握できる
「会計が面白いほどわかるミステリ 計算書に隠された7つの罪」より引用
会社の財務状態を理解することで、経営の方向性や意思決定の背景を理解しやすくなり、より効果的な提案や活動ができます。
②取引先や競合他社の分析ができる
取引先の信用リスク管理や、競合他社の分析を通じた競争戦略の立案に活かせます。
③投資判断の材料として活用できる
表面的なニュースに流されることなく、数字に基づいた冷静な投資判断が可能になります。
④不正や異常を早期に発見できる
財務三表の数値の推移や相互関係を理解していれば、不正会計や粉飾決算の兆候を早期に発見できます。
⑤経営層とのコミュニケーションが円滑になる
会計的な観点も含めた説明ができれば、社内でのコミュニケーションがスムーズになり、提案の説得力が増します。 P42
特に①が重要です。
これは会計担当以外の事務員にも意識してもらいたいポイントです。
2025(令和7)年度の改正により、学校法人会計基準の目的が「補助金の適正配分」から「ステークホルダーへの情報開示」へと変わりました。
詳しくはこちらの記事もご覧ください。
学校法人会計基準もスポーツで例えると、ルールの一つにあたります。
従って、プレーヤーである私立学校事務員はこのルールの趣旨を理解してプレーをする必要があるわけです。
だから自校の財務状況を正確に把握し、保護者などに適切に説明できるようにしておくことは私立学校事務員としての責務であると私は考えています。
まずは①のメリットを意識して、会計知識の習得に励んでみることをおすすめします。
そのあと、他のメリットまで意識を広げてみてはいかがでしょうか。
【2冊目】こんな読み方もある|計算書を読む技術について
次はこの書籍です。
書籍名:1300社の信用格付けをした私の決算書を読む技術
著者名:児玉 万里子
出版社:日経BP社
発売日:2026年1月14日
たくさんの会社の実際の決算数値を扱いながら、企業の状況を読み解くためのポイントを解説している書籍になります。
会計初心者には少し難しい内容かもしれませんが、グラフなどを活用してわかりやすく説明されているので、おすすめです。

書籍の最初の方では、計算書に関する基礎知識も解説されていますよ。
そんな書籍の中から、計算書を読み解くために有益なコツを2つピックアップしてみました。
キャッシュフローは合計してチェックする
学校法人が作成する計算書に「活動区分資金収支計算書」があります。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
この計算書を読み解くのに役立つのが以下のコツです。
書籍の解説を引用します。
資金繰りを見るには、キャッシュフロー計算書をもとに、ある程度の期間のお金の動きを累計します。1年ごとの資金の動きは年によって変動が大きいからです。 P48
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