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基礎116:クレーム対応|私立学校事務員が押さえておきたい初動対応とNG行動

学校事務員のお仕事(基礎知識編)
jimmy
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この記事の内容は、以下のような人を対象にしています。
・学校で起こりえるクレームについての初動対応とNG行動を知っておきたいと思っている人。

以前の記事で、私の印象に残っている保護者からのお叱りについて紹介しました。

私立学校事務員にとって、保護者などからのクレーム対応は避けて通れない業務のひとつです

jimmy
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学校内外に関わらず様々なところからクレーム案件が飛び込んできますね。
正直、心臓に悪いんですよ。

多くの場合、こうした連絡の第一報が入るのは担任など教員ではなく事務室であり、事務員の「最初の一言」や「受け止め方」が、その後の展開を大きく左右します

初動対応が適切であれば、相手の不安や怒りが和らぎ、学校全体への信頼につながります。

一方で、対応を誤ると、些細な行き違いが大きなトラブルへ発展することもあります

この記事では、私立学校で事務職員として働く方に向けて、クレーム対応の初動で押さえておきたいポイントや、やってはいけないNG行動を私の経験などを参考に整理しています

トラブルを未然に防ぐための仕組みづくりといった、実務に直結しそうな内容もまとめました。

明日からの業務でそのまま使える視点をお届けしたいと思いますので、参考にしていただければ幸いです。

jimmy
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なお、学校でのクレーム対応のほとんどは保護者に関するものですので、以降は相手を保護者と想定した内容を紹介したいと思います。

【まずはここから】学校でのクレーム対応は“初動”がすべて

クレーム対応において最も重要なのは、最初の数分で保護者の感情をどれだけ受け止められるかという点です
つまり”初動”がすべてを左右するということになります。

そこでまずは、なぜ初動がすべてなのかについて整理しておきましょう。

【熱いうちに打て】なぜ初動対応が重要なのか

なぜ初動対応が重要なのかというと、保護者の感情が最も高ぶっているタイミングだからです。

jimmy
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最初からヒートアップしていることなんか、ざらにありますからね。

学校という環境は、保護者にとって「自分の子どもを預ける大切な場所」であり、些細なことでも不安や怒りが大きくなりやすい特徴があります。

特に私立学校では、教育サービスへの期待値が高く、学校側に対する要望も多様です。

jimmy
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「学校に任せている」という意識を強く持っておられる方は少なくないように感じています。
「〇〇だから私立学校を選んだのに」というお叱りの声を受けたことは一度や二度では済まないですね

そのような背景もあるため、保護者は「子どもに関わる問題」に対して敏感で、学校側の対応が遅かったり不十分だったりすると、不信感が一気に高まります。

この怒り・不満のピーク時にうまく対処することが後々の対応に大きな影響を与えるため、初動が大切というわけです。

【”顔”という意識】事務員が担う役割と期待値

では、こうした対応において事務員はどういった役割を担っているのでしょうか。

結論から言えば事務員は、保護者が最初に接触する“学校の顔”としての役割を担っています
ここでの対応が丁寧であれば、保護者は「きちんと聞いてもらえた」と感じ、冷静さを取り戻しやすくなります。

逆に、事務室での対応が不十分だと、保護者の不満が増幅し、教員や管理職にまで影響が及ぶこともあります。

前述のとおり、私立学校の保護者は、教育サービスに対して一定の期待を持っています。

jimmy
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どんなに無償化が進んでも、「私学の特色」への期待は変わらないんでしょうね。

従って事務職員は、「学校の顔」であることと「私学への期待」の両方を意識しながら、落ち着いた姿勢で対応することが求められます。

事務員の役割は、単なる取次ぎではなく、学校全体の信頼を支える重要なポジションというわけです。

たとえ教員が関わる内容であっても、事務室での受け止め方が丁寧であれば、保護者の不安は大きく軽減されます。

jimmy
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実際、電話で「担任に代わりますので」と伝えても「結構です」と言われるケースがほとんどです。
とにかく相手に関わらず一方的に自分の思いを伝えたいんでしょうね。

この「『聞く』に徹する姿勢も事務員に期待されるポイントになります。
こうしたポイントについて、以降でもう少し詳しく解説していきたいと思います。

【基本をマスター】事務職員がまず押さえるべき初動対応の基本

初動対応にはいくつかの基本があります。

まず大切なのは、先ほど述べたように保護者の話を遮らずに最後まで聞く姿勢です。

jimmy
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最も重要で最も難しいところですね。ついつい口をはさんでしまいます。

保護者は「自分の気持ちを理解してほしい」という思いを抱えているため、途中で説明を挟むと「話を聞いてもらえていない」と感じてしまいます。

次に、事実確認のためのヒアリングを丁寧に行うことが重要です

感情的な言葉の裏に、実際の問題点が隠れていることも多いため、「いつ」「どこで」「誰が」「何を」など、必要な情報を落ち着いて確認します。

jimmy
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「口をはさむな」と言いつつも、必要な情報は集めなくてはなりません。この加減が難しい・・・。

また、その場で判断したり、安易に約束したりしないことも大切です
学校の対応は組織として統一されている必要があり、個人の判断で動くと後で齟齬が生じる可能性があります。

以前の勤め先でわざと色々な人に話を聞いて矛盾点を見つけようとする保護者がいました。

jimmy
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「〇〇先生と言っていることが違う」といった指摘をしてくるんです。

こうしたケースは稀かもしれませんが、学校としてきちんとした対応をするために、不明瞭な点はその場での回答を避けるようにしましょう。

その際には「確認して折り返します」という一言が、トラブルを防ぐ大きな力になります。

これらの点について深堀していきましょう。

【傾聴スキル】相手の話を遮らずに“受け止める”姿勢

前述のとおり、「とにかく話を聞いてほしい」と思っている保護者がほとんどです。
だから繰り返しになりますが、まずは最後まで聞き、相手の感情を受け止めることが大切です。

この”受け止める”は「傾聴」と言い換えることができます。

傾聴スキルについては以前の記事で紹介していますのでそちらを参照していただければと思います。

お話しくださりありがとうございます
状況を理解したいので、もう少し詳しく伺ってもよろしいでしょうか

といった言葉を使いながら、傾聴スキルを磨いていきましょう。

【メモの準備】事実確認のためのヒアリングのコツ

感情的な言葉の裏に、実際の問題点が隠れていることが多くあります。

そのため「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「どう感じたか」を丁寧に確認することで、事実と感情を整理できます。

jimmy
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私はあらかじめこれらの要点が書かれたメモ用紙を普通のメモ用紙と近くに準備しています

メモ用紙に「いつ」とか「誰が」と書いておくだけなのでそれほど手間はかかりません。

対面の場合、メモを取りながら聞くことで、保護者にも「真剣に向き合っている」という印象を与えられますので、メモの取り方は重要です。

これも練習あるのみですので、経験を積んでいきましょう。

【一旦停止】その場で判断しない・約束しない

その場で回答すると、後で教員や管理職の判断と食い違う可能性があります。

そうなると、先ほど私の実例として挙げた保護者でなくても「言っていることが人によって違う」という不信感を抱いてしまいます。

jimmy
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これは生徒対応でも同じです。「あの先生とこの先生で対応が違う」という不満を事務室に言いに来る生徒がいますが、やっぱり不信感は持ってしまいますよね

「確認のうえ、折り返しご連絡いたします」と伝えることで、誤った情報提供を防ぎ、学校として統一した対応ができます。

焦って答えようとせず、慎重に進めることが大切です。

加えて、こうした対応時に「誰が回答するか」も決めておくとスムーズに動くことができますので、確認しておきましょう。

やってはいけないNG行動とその理由

クレーム対応では、避けるべきNG行動がいくつかあります。

jimmy
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基本的には先ほど紹介した初動対応と逆のことがNG行動ですね。

まず、「その場しのぎの謝罪」です
事実確認をせずに謝罪すると、学校側の責任を認めたと受け取られ、後の対応が難しくなる可能性があります。

また、個人の判断で対応を完結させることも危険です
学校の方針や教員の意図を確認せずに回答すると、後で説明が食い違い、保護者の不信感を招くことがあります。

jimmy
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これに関連しますが、曖昧な表現や不正確な情報を伝えることもNGです。
とにかく分からないことは「確認します」と明確に伝えるようにしましょう。

即答を求められるプレッシャーをはねのけて、ワンクッション入れるようにしましょう。

さらに、教員の責任にしたり、他部署のせいにしたりする対応は絶対に避けるべきです。
学校は一つの組織であり、内部の不一致を見せることは保護者の不安を増幅させます。

以降で詳細を見ていきます。

【スキを見せない】“その場しのぎの謝罪”が逆効果になる理由

先述したとおり、事実確認をせずに謝罪すると、学校側の責任を認めたと受け取られる可能性があります。

また、こちらは謝罪のつもりでなくても相手側は謝罪と受け取ってしまうケースもあります

これも以前の勤め先での出来事ですが、学校内でトラブルがあり、校長が事情確認のため生徒の自宅を訪ねたことがありました。

後日、その保護者から学校へ連絡があった際、「校長先生が謝罪に来たときに」という言い方をするわけです。

校長に確認しますが、当然「謝罪になんか行ってないよ」との返答。
話が余計にこじれる結果となってしまいました。

こんなことがないように、その場しのぎの謝罪はもちろんのこと、謝罪と取られてしまうような言動は、状況を悪化させる恐れがあるため慎みましょう。

【チーム学校①】個人の判断で対応を完結させる危険性

学校の対応は組織として統一されている必要があります。

jimmy
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チーム学校」という言葉があるくらいですので。

従って事務員が独断で回答すると、教員や管理職の判断と食い違い、保護者に混乱を与えることになりかねません。

また、これと逆のパターンもあります。
特に学費などお金に関することは、教員が独断で回答することがないように注意が必要です

以前の勤め先で、このお金を払う・払わないでトラブルになったことがあります。

転学する生徒に対し、学費の追加徴収も求めたところ、保護者から「教員から学費が発生しないと説明を受けた」と言われたのです。

そこから話がこじれて、なかなかお金を納めていただくことができませんでした。

最終的には徴収できましたが、それからは基本的に学費に関する話は事務室から回答するように周知徹底し、体制を整えています

特に高校では、私立高校授業料無償化の関係もあり、ややこしいのできちんと役割分担をするようにしておきましょう。

【チーム学校②】教員の責任にする・他部署のせいにする

自分としては身に覚えのないことでクレームを言われると、つい別の人のせいにしたくなります。

しかし、内部の不一致を見せることは、保護者の不安や怒りを増幅させてしまいます

jimmy
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保護者としては「学校」に対して言いたいことがあるわけですからね。

私の印象では、特に教員は縦割り横割りの意識が強いので、すぐに「自分のせいではない」という発言をするように感じています。

正直なところ、イラっとすることがたまにありますが、そんなときでも意識したいのが「チーム」としての対応と「傾聴」の姿勢
とにかく「自分が原因ではない」という気持ちをおさえて、話を聞き続ける必要があります。

ただ、保護者側から教員や他部署に対するクレームを言われた際には、それを活用しています。

そんなこと言ったんですか。それは嫌な思いをされましたね」などといった共感の気持ちを伝えることで、こちらの話に耳を傾けてくれる可能性が高まるからです

あくまで自分発信で他人に責任転嫁するのはやめましょう。

トラブルを未然に防ぐための事務室の仕組みづくり

クレーム対応は、個々のスキルだけでなく、事務室全体の仕組みづくりによって大きく改善できます。

まず、よくある問い合わせやトラブルを“見える化”することが効果的です
年度ごとに傾向を整理することで、事前に案内文を整えたり、教員と共有したりできます。

また、対応履歴を残す仕組みも重要です

共有メモやフォーマットを使って記録することで、担当者が変わってもスムーズに引き継げます。

加えて、保護者とのやり取りの経緯を明確にしておくことで、後のトラブル防止にもつながります。

こうした保護者対応の仕組みづくりについては、以前の記事でも取り上げていますので、ご参照ください。

今後の対応の参考になれば幸いです。

まとめ

クレーム対応は、事務職員にとって負担の大きい業務ですが、初動対応を丁寧に行うことで、トラブルを最小限に抑えることができます

保護者の話をしっかり聞き、事実確認を丁寧に行い、必要に応じて教員や管理職につなぐことが基本です。

また、個人のスキルだけでなく、事務室全体の仕組みづくりが重要です。

対応履歴の共有や情報の見える化、教員との連携強化など、日々の積み重ねが学校全体の信頼につながります

事務員の対応は、学校の印象を大きく左右する重要な役割です。
落ち着いた姿勢で丁寧に対応し、保護者との信頼関係を築いていくことが、学校運営の安定にもつながります

ネガティブな反応をせずに取り組んでいきましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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