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基礎142:”全国学校調査”とは?私立学校事務員が知っておくべき重要ポイントを解説

学校事務員のお仕事(基礎知識編)
jimmy
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この記事の内容は、以下のような人を対象にしています。
・「全国学校調査ってそもそも何?」や「事務員の仕事にどう関係があるの?」と思っている人。

はじめに:”全国学校調査”から、私立学校に求められていることを理解しよう!

2026(令和8)年10月9日付で、文部科学省のホームページに「令和7年度『全国学生調査(本格実施)』の結果」が公表されました。

令和7年度「全国学生調査(本格実施)」の結果
(文部科学省ホームページへのリンク)

中堅からベテランの私立学校事務員にとって馴染みのある「学校基本調査」や「学校法人基礎調査」と比べると、ここ最近始まった調査になります。

jimmy
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正直、この調査が始まったときは今の勤め先(高校)にいたので、調査の存在自体知りませんでしたね。

過去4回の試行調査を経て、2025(令和7)年度から本格的に実施されることになったわけです。

今回公表されたのは、そんな本格実施第一回目の調査結果。
公表を受けて、様々なところでその調査結果に対する見解が述べられているようです。

そこでこの記事では、そんな全国学校調査について、私立学校事務員としておさえておきたいポイントをまとめてみました。

具体的には以下のとおりです。

  • そもそも全国学校調査とは
  • 2025(令和7)年度調査について知っておきたいこと

本調査は基本的に私立大学と私立短期大学を対象としたものです。
つまり、私のように私立高校に勤める者には、全くと言っていいほど関係ありません。

しかし、私立学校事務員としては、国がどんな目的で本調査を行っているのかや、調査結果のさわりぐらいは知っておくべきだと私は思っています。

jimmy
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保護者とかから調査のことを尋ねられたときに、「それ何ですか?」って言ったら、「この人、私立学校で働いているのに何も知らないの?」と思われそうですからね。

というわけで、最低限このくらい知っておけばいいのでは、と私が思うものをまとめていますので、参考にしていただければ幸いです。

【ここだけでも】そもそも全国学校調査とは

まずは、調査の目的や対象、事務員の仕事への影響をおさえておきましょう。

  • 何の目的で実施するのか
  • 誰を対象にどんな方法で調査するのか
  • 調査を実施することによる事務員の仕事への影響は

個人的には、私立大学や短期大学以外に勤めている事務員は、この3つくらいを理解しておけばいいのではと思っています。

jimmy
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高等教育(大学や短期大学が実施している教育)がメインターゲットの調査ですからね。

特に「なぜこの調査が実施されているのか」を知ることが、私立学校(主に大学、短期大学)に今、何が求められているのかを理解することにつながりますので、そこを意識していただければと思います。

実は深い意味が|なぜ実施されるのか?(目的と背景)

全国学生調査とは、文部科学省が主導し、学生の視点から大学での学びや学生生活の実態を把握するために実施されている全国規模のアンケート調査になります。

従来の大学評価は、入学者選抜の難易度(偏差値)や知名度、施設設備といった面が重視されがちでした。

jimmy
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私のような世代(40代中盤)は、断然「偏差値」重視だったんではないでしょうかね。

しかし、時代の変化から、学生が「何を学び、どのような能力を身に付けたか」という「学修者本位の教育」への転換が求められるようになってきたわけです。

jimmy
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このあたりの考え方は、高校の教育にも取り入れていきたいところですよね。

そこで、全国共通の指標で学生の成長実感や学習実態を測定・可視化し、各大学の教育改善や社会への情報公表、国の政策立案に役立てることを目的にこの調査は始まったわけです。

先述したとおり、4回の試行実施を経て、令和7年度(2025年度)より本格実施(原則毎年実施)へと移行したという流れになります。

  • 大学や短期大学で「ちゃんと学べているのか」を、学校自身の自己評価ではなく学生自身に評価してもらう
  • その調査結果を見て、大学、短期大学はもっと良い結果になるよう改善に取り組んでもらう

もし、保護者や学生等から「あの調査って何?」と尋ねられたら、この程度の回答ができるように準備しておけばよいのではと思います。

ちなみにですが、「評価」という言葉、私立学校事務員としておさえておきたいキーワードの一つです。

jimmy
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「アセスメント」と言われたりしますね。

もっと具体的に言うと「学修成果の評価」と言われたりしますが、少し前からこの「学修成果の評価」に関する取り組みが、主に私立大学・短期大学に求められている流れがあるからです。

私が入職したころはまだ、「教育の成果は目に見えないもの」という認識が一般的だったと記憶しています。
だから、「わからなくて仕方がない」という考え方でした。

ところが、さすがにそれはまずいと国も思ったのか、いつの間にやら「評価の方針を定めて公表せよ」とか「全学部で評価を実施しろ」といったことが言われるようになったのです。

今はまだ大学や短期大学が主なターゲットになっていますが、そのうち高校などにも何かしらのかたちで求められてくるかもしれません。

教育成果も”振り返り”や”見える化”が求められている。
そういう認識を私立学校事務員として持っておきましょう。

事務員を悩ませる|誰に・どのように調査するのか?(対象と方法)

続いて「対象と方法」です。

調査対象は参加大学の学部2年生および最終学年生(4年生等)が対象です(短期大学は最終学年のみ)。

そして調査方法は、文部科学省のWebシステムに学生が直接回答する「方式①」と、大学独自の学生アンケート等に共通質問を組み込んで実施する「方式②」のいずれかを大学が選択します。

jimmy
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私の以前の勤め先もそうでしたが、もともと大学独自に学生の学習状況などの実態を調査する取り組みをしているところもありましたからね。
まぁ、それでも方式②は手間がかかりそうですが。

質問内容は、選択式33問程度、自由記述1問で構成されます。

授業での指導の工夫やフィードバックの有無、大学での経験とその有用さ、身についた知識・能力、1週間の授業外学習時間やアルバイト時間などを問う内容となっているようです。

ちなみにですが、学生を対象とした調査に、日本学生支援機構が2年に1度実施している「学生生活調査」というものがあります。

全学生から無作為に回答者を選んで実施するのですが、これがなかなか回答集めに苦労します。

jimmy
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なんせ、学生的には答えてもメリットなしに等しいですからね。

以前の勤め先で、学生支援の部署に配属されていた時、同じ部署の事務員が「学生生活調査」の担当をしていて、大変苦慮していた様子だったのを覚えています。

この「全国学校調査」の方も同様の形式なので、担当者は大変だったのではと推察されます。

大学や短期大学に勤めると、こういう業務を担当することもあるのかということを知っておきましょう。

このやり方は現場泣かせ|事務員への影響(業務との関わり)

最後に「事務員への影響」もチェックしておきましょう。

まずは、「自校の教育改善(教学IR・FD/SD)」です。

文部科学省は「調査結果の取扱い」として、参加大学に以下のものを提供すると述べています。

  • 当該大学に在籍する学生の回答を一覧化したもの
  • 当該大学の調査結果の分析の際に活用できる資料

これらを活用することで、自学の強みや課題を洗い出すことができ、その結果に基づいて事務員は「教育の質向上」に向けた施策を企画・立案、実行することになります。

これが「前向きな影響」になります。

一方で「後ろ向きな影響」もあると私は感じています。
それが、私学助成(補助金)への影響です。

本調査への参加や結果公表の有無は、

  • 「大学教育再生戦略推進費」への申請・採択等における要件となること
  • 私立大学等経常費補助金における指標となること

とされています。

この「補助金に関わるよ」というのは、現場の事務員をやるせなくする「殺し文句」です。

jimmy
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正直、私が大学の事務員だったら「勘弁してよ」と思いますね。

だから、本当は「こんな面倒な調査、適当に流したいなぁ」と思っているにも関わらず、補助金に関わってくるから仕方なく取り組んだという事務員も少なくないはず。

jimmy
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上司や理事などからの「補助金とれよ」という圧もありますしね。

そういう意味で「後ろ向きな影響」と私は表現したわけです。

こういった、事務員の仕事へ影響も理解しておいて損はないと思います。

さわりだけでも|2025(令和7)年度調査について知っておきたいこと

調査の大枠を理解したところで、調査結果にも少し触れておきましょう。

といっても、結果の詳しい中身の分析は専門家や各大学・短期大学に任せておけばいいと思います。

だから、私のような一介の私立学校事務員は、「どれぐらいの回答が集まって」「どんな回答が多かったんだろう」というところだけわかっておけばいいと思います。

そんな視点で2つピックアップしましたので、参考にしていただければと思います。

補助金を人質?に|調査結果の規模感(参加大学数や回答率など)

1つ目は「調査結果の規模感」です。

「どれくらいの大学・短期大学が参加して」
「どの程度の回答率だったんだろう」

という話です。

資料を見てみると、本格実施初年度は全国で734大学(参加率94.1%)および237短期大学(参加率85.6%)が参加し、有効回答者数は33万6,571人(前回試行時の13万8,020人から約2.4倍)に達したと記載されています。

有効回答率も大学全体で25.3%、短期大学で60.8%と向上したとのこと。

この回答者数および回答率のアップには、先述の「補助金への影響」が関係していると考えられます。

実際、文部科学省の結果報告でもその点に触れられています。

jimmy
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補助金ちらつかされたら、たまったもんじゃないんですよ、本当に。

「補助金への影響を危惧した事務員が奮闘した結果、多くの大学・短期大学が調査に参加したんだな」くらいに理解しておけばよいのではないでしょうか。

これがうまくいったことを利用して、今後同様の手段を都道府県もとってくるかもしれません。
覚悟しておくに越したことはないと思います。

事実を反映?|学生の「大学での学び」に対する評価

次は、具体的な調査結果の中身から1つ取り上げたいと思います。
私が注目したのは「大学での学びに対する評価」です。

調査結果からは、学生が高く評価している強みが読み取れます。

評価されている強みとしては、

  • 成長実感:「大学での学びによる成長実感」は86%が肯定
  • 教員の熱意:「教職員が熱心に教育に取り組んでいる」は82%が肯定
  • キャリア接続:「将来の仕事につながる知識・スキル・態度」は83%が肯定

が挙がっています。

jimmy
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一見、大学・短期大学側からすると嬉しい結果に見えますよね。

ただ、ここで個人的に引っかかるのが「成長実感」と「キャリア接続」です。

というのは、以前の記事で紹介しましたが、今の若者は自己評価が高いという傾向があるからです。
詳しくは以下の記事をご覧ください。

つまり、学生が「成長した」「将来につながるスキルが身についた」と評価していても、大学側が求めている水準には達していない可能性があるわけです。

jimmy
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学生が「自分はこれで十分」とハードルを低く設定している可能性があるんですよね。

だから、この結果を額面どおりに受け取って、「今までどおりでいい」と思わない方がいいと感じました。

一応、「大学生の多くはこんなところを評価しているんだな」と思いつつも、こういうデータを扱うときは、数値だけを見ては判断を誤る可能性があるということも頭の片隅に置いておきましょう。

まとめ

全国学生調査は、学生の声を反映させた貴重なデータであり、自校の教育力を客観的に点検するためのツールと言えます。

また、私立大学・短期大学にとって補助金にも関わる重要な取り組みでもあります。

こうした調査をどういう目的で国が実施しているのかを把握しておくことは、私立学校に勤める者として必要なことだと私は思っています。

あわせて、この業務に携わる事務員の苦労やデータとの向き合い方も知っておくことが、私立学校事務員の仕事を理解する一助にもなると考えています。

この記事がその参考になれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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