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基礎136:保護者対応の不安を減らす!私立学校事務員のためのカスタマーハラスメント防止ガイド

学校事務員のお仕事(基礎知識編)
jimmy
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この記事は以下のような人を対象としています。
・私立学校事務員として必要な”カスハラ”に関する知識を身につけたい人

はじめに:学校関係者との良好な関係構築に必要な知識を身につけよう!

令和8年8月、文部科学省が「学校と保護者・地域住民等とのより良い関係構築のためのガイドライン」を公表しました。

学校と保護者・地域住民等とのより良い関係構築のためのガイドライン
(文部科学省ホームページへのリンク)

これは、「改正労働施策総合推進法」や「カスタマーハラスメント防止指針」を受けて作成された、主に学校設置者向けのガイドラインとなっています。

jimmy
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「改正労働施策総合推進法」や「カスタマーハラスメント防止指針」についてはここでは割愛します。詳しくは厚生労働省のホームページを確認してくださいね。

「学校設置者向け」だけあって、「学校設置者の責務」や「学校設置者が取り組むべき措置」などがガイドラインの多くの部分を占めています。

ただ、だからと言って、学校現場で働く教職員も知っておくべき部分も少なくないというのが私の印象です。

jimmy
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教職員が実際の当事者になるケースがほとんどでしょうからね

そこでこの記事では、私が20年以上、私立学校事務員として働いてきた経験に基づき、当該ガイドラインのなかで、私立学校事務員として最低限理解しておくべきと感じたポイントをピックアップしました

あわせて、読者がイメージしやすいように私が実際に体験した「これ保護者等の社会通念上許容される範囲を超えた言動かも?」という事例も紹介しています

jimmy
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このガイドラインでは、「カスタマーハラスメント」を「保護者等の社会通念上許容される範囲を超えた言動」と呼んでいるようですね。

ぜひ、皆さんの職場の現状とも比べてみてください。

この記事が、教職員や保護者等にとって安心安全な学校づくりの一助になれば幸いです。

最低おさえておきたいのは3つ!ガイドラインでおさえておきたいポイント

それでは、早速おさえておきたいポイントを具体的に見ていきましょう。

jimmy
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そもそもですが、ガイドライン自体、それほどの分量はありませんので一読することをおすすめします。

私がおさえておくべきと感じたのは以下の3点です。

  • 前提:保護者・地域住民等との関係性
  • 定義:「保護者等の社会通念上許容される範囲を超えた言動」の内容
  • 対応:教職員個人としてやるべき行動

以降で順に解説していきます。

理解ポイント①前提:保護者・地域住民等との関係性

事務員が理解しておくべきポイントの1つ目は「保護者・地域住民等との関係性」です。
この部分は、ガイドライン公表前から強調されていた部分でもあります。

具体的には、保護者や地域住民らを重要な「パートナー」と位置付けているという点に注目しておきましょう

jimmy
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「カスタマー」という言い方をせず「パートナー」と呼ぶところに、「学校は一般企業とは違うよ」という姿勢が感じられますね。

だから、保護者や地域住民は、子どもの健やかな成長を共に支える「教育上の重要なパートナー」として接することが前提です

この部分は特に重要だと私自身感じていますので、ガイドラインの文章を引用します。

学校は、児童生徒等を中心に据えて教育活動を行います。この活動を行うに当たって、保護者や地域住民等は教育上の重要なパートナーであり、日頃から信頼関係を構築していくことが重要です
また、学校設置者、学校管理職を含む教職員は、日頃から保護者や地域住民等と対話を重ね、協働による「共につくる」学校運営を実施していくことが非常に大切です

「学校と保護者・地域住民等とのより良い関係構築のためのガイドライン」より引用
  • 学生生徒等を社会に役立つ人材として育てる「パートナー」
  • 地域の発展に貢献するために学校内外の教育活動で「協働」

保護者や地域住民等からの第一報を受ける機会の多い事務員。
その対応の根底にはこうした「パートナー」や「協働」といった意識が必要というわけです。

さらに、教職員自身も、学校の運営や事務を支えてくださる外部の取引先の方々に対し、ハラスメントにあたるような過剰な要求や威圧的な言動を行わないよう、自らの行動を律し、社会通念に則った振る舞いを徹底する必要があります

jimmy
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学校の”カスハラ”と言われると教員が被害者のケースを思い浮かべてしまいますよね。加害者になる視点は抜けがちです。

どちらにしても丁寧な対応を心がけて、「パートナー」としての信頼関係を構築する
ここが基本となるポイントですのでおさえておきましょう。

理解ポイント②定義:「保護者等の社会通念上許容される範囲を超えた言動」の内容

前提を理解したうえで、具体的にどのようなものが「保護者等の社会通念上許容される範囲を超えた言動」にあたるのかをおさえておきましょう。

これはガイドラインに明記されていますので抜粋します。

そもそも要求に理由がない又は学校における教育活動と全く関係のない要求
 →教職員の家庭や私生活に関する要求をすること
学校の教育活動及び学校運営の範囲を著しく超える対応を求めるもの
 →児童生徒等の学校外での行動や公園での遊び方などに対する監視を要求すること
対応が著しく困難な又は対応が不可能な要求
 →クラス替えや担任の変更・退職を求めること
相当性を欠く賠償要求
 →成績の低下を理由に賠償 請求をすること
身体的な攻撃(暴行、傷害等)
 →殴る、蹴る、叩く等の暴行を行うこと
精神的な攻撃(脅迫、中傷、名誉毀損、侮辱、暴言、土下座の強要等)
 →SNS等へ教職員のプライバシーに係る情報の投稿等をすること
威圧的な言動
 →大きな声をあげて教職員や周囲を威嚇・威圧すること
継続的、執拗な言動
 →何度も電話し要求を繰り返したり、家庭訪問を何度も要求したりすること
拘束的な言動
 →長時間にわたる校内での居座りにより、教職員の業務を妨げること

「学校と保護者・地域住民等とのより良い関係構築のためのガイドライン」より加工して引用

こうした社会通念上許容される範囲を超える理不尽な要求や暴言に直面した際は、決して一人で抱え込んで対応してはいけません
すぐに学校管理職へ報告し、組織としてチームで対応するルールを徹底しましょう。

その際の判断基準は、

「教職員の就業環境が害されるかどうか」を平均的な労働者の感じ方で判断する

とガイドラインには記載されています。

jimmy
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周りの人に話をしてみて、その反応で判断するのが有効だと思いますよ。

一方で、同僚と取引先等とのやりとりもこの基準に照らしてよく観察しておくことをおすすめします。

第三者視点で見て「ちょっと声が大きすぎて威圧的では」と感じたら、ひと声かけてあげると、余計なトラブルが避けられるはずです

何が「保護者等の社会通念上許容される範囲を超えた言動」にあたるかを判断するための訓練になると思いますので、取り組んでみてはいかがでしょうか。

理解ポイント③対応:教職員個人ができることの徹底

前提と具体的に対処すべき言動について理解したところで、最後におさえておきたいのが「自分は何をすべきか」ということです。

ガイドラインでは「教職員個人ができること」として以下の3点が示されています。

児童生徒等との信頼関係の構築
日常的なコミュニケーション
傾聴・受容・共感を基本とした保護者対応

「学校と保護者・地域住民等とのより良い関係構築のためのガイドライン」より加工して引用

事務員がやるべきことは、窓口対応や電話応対の際に、相手の立場に寄り添う「傾聴・受容・共感」の姿勢を大切にするということです

そうした対応の際の「話し方」や「聞き方」については、こちらの記事も参考にしていただければと思います。

まずは、日頃からの丁寧な対話と信頼関係の構築
基本中のキホンと言えばそれまでですが、これがこのガイドラインのなかで、事務員が最優先に取り組むべきことというわけです。

jimmy
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わかっていても、感情的になってしまうことがありますよね。

だから、まずは「傾聴」の練習をするのが個人的にはおすすめ
生徒の他愛のない話につき合うところから始めてみてはいかがでしょうか。

「保護者等の社会通念上許容される範囲を超えた言動」かも?の事例

ガイドラインの内容のなかでおさえておくべきポイントを解説してきました。

それらを踏まえて、私がこれまでの事務員歴のなかで「これ『保護者等の社会通念上許容される範囲を超えた言動』だったのでは?」と思った事例を紹介したいと思います。

具体例をイメージするためにお役立てください。

事例①終わらない電話と無茶な要求

これは私の以前の勤め先の話です。

ガイドラインに照らすと、以下の項目にあてはまりそうな内容になります。

  • 児童生徒等の学校外での行動や公園での遊び方などに対する監視を要求すること
  • 継続的、執拗な言動

とある生徒の母親からの電話がとにかく長い
「じゃあ、担任の方に伝えてきますので」と電話を切ろうとしても、「えぇ、ですのでね」と話を続けてきます。

jimmy
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怒っているわけではなく、ただ淡々と話を続けるという感じの人でしたね。

1回の電話がだいたい30分程度。長ければ1時間を超えることも

しかも、一旦話し終わっても、しばらくするとまた「他にもですね」と電話をかけてくることもあります。

担任に電話をつなごうとするのですが、担任も一度話し出すと長いということがわかっているからか、「今取り込み中」と応じてくれません。

その内容も授業や進路のことではなく、生徒本人の私生活について。
「どこどこへ遊びに行っている」とか「まだ家に帰らない」といった不満を話し、「学校の方で指導してください」と要求してこられます

よほど怪しげなところへ出かけていたり、無断外泊であったりすれば生徒指導の対象になるかもしれませんが、そうでもありません。

jimmy
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「まだ帰らない」に至っては、深夜とかではなく夕方18時くらいの話ですからね。

慣れてくると電話の第一声で誰かわかってしまうので、出た瞬間に「しまった」と思ってしまいます。

今思えば、「傾聴」にも限度があると感じる事案でした。

事例②日付をまたいで居座る

これも以前の勤め先での話です。

ガイドラインでは以下の言動にあたりそうなものになります。

  • 大きな声をあげて教職員や周囲を威嚇・威圧すること
  • 継続的、執拗な言動
  • 拘束的な言動

生徒の母親が、執拗に「担任に会わせろ」と要求してくるのことがことの発端でした

jimmy
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個人的には、男性の担任に対して母親の方が恋愛感情的なものを抱いていたのかなと感じています。

何度も何度も電話がかかってきて、そのたびに主に副校長が長時間対応に手を取られることになります。

埒があかないので、一度対面で話し合う場を設けたのですが、学校に来るや否や一目散に母親が校内のあちこちへ走り出し、担任を探し出そうとするのです

jimmy
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防犯カメラを駆使して母親の動きをチェックしていましたね。

担任は安全な場所でスタンバイしていたので、鉢合わせることはありませんでしたが、今度は「担任に会えるまで帰らない」と廊下に寝ころびだしました

警察に連絡し、警官が駆けつけてくれましたが収集はつかず。
その間も大声で「この学校は保護者が担任に会うのを邪魔するのか」とわめくわけです。

結局、あきらめたのか、日付をまたいだあたりでようやく退去してくれました。

翌日も通常どおり仕事でしたが、ヘトヘトだったのを今でも覚えています。

事例③取引先担当者の様子が…

これは今の勤め先での話です。
私の上席者が加害者ではないかと思われるケースになります

この上席者、とにかく大声で威圧的な態度を取引先担当者にとるのです。

ある取引先担当者は「もう、あの学校の担当はいや」といって退職。
別の取引先担当者は上席者に電話をつなごうとすると「つながなくていいです。本当にやめてください」と怯えてしまいます。

jimmy
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上席者のアポをとるための電話なんですけどね。私に上席者のスケジュールを確認してほしいと切実に頼まれました。

間近で対応を見ていても、決して気分のいい感じはしませんでした

最終的に教職員にも同様の態度をとっていたことが理事長の耳に入り、「パワハラ」ということで学校を去ることになりましたが、私自身も気をつけなければと感じた事案でした。

まとめ

学校だけでなく世の中の風潮として”カスハラ”に対する適切な対応が求められています。

そんななかで文部科学省が公表した今回のガイドライン。
私立学校事務員としては、よく理解したうえで行動する必要があります。

まずは、仲間内で昼食でも食べながら、雑談がてらに身の回りの「こんなことあったよ」という話を集めてみてはいかがでしょうか

そのうえで、「どう対応すべきだったか」を考えてみるとケーススタディになるかもしれません

今回の記事の内容がその際の参考になれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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