
この記事は以下のような人を対象としています。
・「自分って私立学校事務員に向いているのかな?」と思ったことがある人

私立学校事務員の仕事に興味があるけど、どんな人がこの仕事に向いているんだろう。

私立学校事務員として働くうえで必要なスキルを身につけるために、すぐに取り組めそうなことはないかなぁ。
こんなことを考えたことはありませんか。
まもなく新年度。
私立学校事務員としての第一歩を踏み出そうという人もいるのではないでしょうか。

新卒で学校法人に勤めることになりましたが、ドキドキしながら出勤したことがつい最近のように思い出されます。
また、これから私立学校事務員として働きたいと考えている人も少なくないように思います。
そんな人たちの頭に浮かぶのが「自分は向いているのか」と「どんなスキルが必要なのか」という疑問。
私自身もこうした悩みを抱え、不安を感じていた時期がありました。

スキルはともかく「向いているか」は悩んだところでどうにもならないんですけどね。
ただ、できることなら不安は解消しておきたいところ。
ある程度の情報を集め、やれることはやっておきたいと考えるのは自然なことだと思います。
そこでこの記事では、私が私立学校事務員として働いてきた経験に基づき、こうした悩みや不安の解消につながるような情報をお伝えしたいと考えています。
内容は以下のとおりです。
- 私立学校事務員の仕事内容
- 私立学校事務員に向いている人の共通点
参考にしていただければ幸いです。
【まずはざっくり把握】私立学校事務員の仕事内容
向き不向きやスキルを考えるためには、そもそもの仕事内容を把握していることが必要になります。
そこで初めに私立学校事務員の仕事内容をざっくり見ておこうと思います。
まず「どんな1日を過ごすのか」をつかんでおきましょう。

とりあえず1日の流れがわかれば、安心につながりますよね。
部署や役職にもよりますが、ここでは新人~5年目あたりの職員を例に挙げて見ていきます。
基本的に朝は窓口や電話での対応が多く、それがひと段落すれば書類の受け渡しや簡単な入力作業中心の仕事に移っていきます。
私が新任の頃は、とにかく電話を一番に取ることを教わり、その合間に先輩から頼まれた資料を準備するだけという状況でした。

なんせ会計担当の部署に配属でしたので、皆さん4月は殺気立っていたのを覚えています。正直、とても話しかけられる雰囲気ではありませんでした。
別の私立学校で働いた経験があり、知識やスキルによほど自信があるという場合でなければ、おとなしく低姿勢で教えを乞うスタイルで臨むことをおすすめします。
午後になると、午前中では処理できなかった会計処理などをしつつ、文書作成など比較的落ち着いて取り組む業務を処理していく人が多いといった印象です。
こうした流れを知っておくと、毎日の仕事がぐっとイメージしやすくなります。
さらに以降で、より具体的な仕事の中身をチェックしていきましょう。
日常業務(窓口対応・電話・書類処理)
日常業務では、窓口対応・電話・書類処理が1日の大半を占めます。

特に高校事務室や大学の学生と直接接する部署に所属した場合は、窓口対応と電話対応で忙殺されるケースが頻繁に発生します。
時にはそういったトラブルが重なり、朝から想像以上に“騒がしい1日”を過ごすことも。

書類の提出締切日の朝に、保護者からの不満の電話を受け、さらに本部からの業務依頼が舞い込んでくるなんてこともありました。
気づいたら夕方で、昼食をとることすらできませんでしたね。
こうした状況に陥ったら、まずは頭に浮かんだことを書き出してみましょう。
メモを取りながらでも一つずつ処理していくことで、少しずつ余裕が生まれ、業務の流れがつかめるようになります。
窓口対応・電話・書類処理は、どんな状況でも地道にコツコツ仕事を前に進めるための訓練の機会だと思って取り組んでいきましょう。
年度業務(入学・卒業・予算・決算・人事)
年度業務は、入学式・卒業式・予算・決算・人事といった“年に一度の大仕事”が中心で、新任の方にとっては全体像がつかみにくい部分です。

入学式や卒業式なんかは、「ザ・学校」といった催し物ですからね。
大学に勤めるとこれらの業務が各担当部署に割り振られていますが、高校の事務室だとこれら全てを担当することになります。
そういう意味で、高校事務室勤務になれば「マスター・オブ・学校事務」の称号を得るチャンスだと捉えてみることをおすすめします。
なお、これらの業務のなかで、私の経験なども踏まえて別の記事にしているものがありますので、そちらも参照していただければと思います。
私が特に新人職員を困らせると感じているのが専門用語の多さ。
会計に関する専門用語からその学校独自の用語まで様々な言葉が飛び交います。

「ちょっと何言ってるかわからない」と本気で思ってしまいます。
そんな状況に対処するためには、とにかく前年の資料を読み込み、わからない単語などは先輩に確認しながら進めることが一番。
それにより、少しずつ全体のつながりが見えてきます。
そうして1回経験してしまえばこっちのものです。
年度業務は“仕組みを知るほど楽になる”仕事と言えますので、次の年度からは最初の時が嘘のように対応できるようになります。
その時期が来たら、「待ってました!」とあえて飛び込んでみましょう。
私立学校ならではの業務(学納金・補助金・学校法人会計)
私立学校ならではの業務には、学納金・補助金・学校法人会計といった、一般企業ではあまり見かけないような独特の仕事があります。

補助金申請はあるかもしれませんが、民間企業に勤める知り合いの話ではまずないと思っていいとのことでした。
学納金業務も塾などのいわゆる「教室ビジネス」だと月謝を集めたりしますが、私立学校の場合、高等学校等就学支援金への対応など私立学校独特の処理があったりします。
高等学校等就学支援金については以下の記事もご参照ください。
また、学納金・補助金に加え、寄付金についても別の記事にまとめていますので、そちらもご参照ください。
私が新任の頃、最初に担当したのが学納金業務でした。
徴収業務に加え、大学独自の「延納」や「分納」など各種制度があり、それらを覚えるのに大変苦労しました。
また、学校法人会計も独自の勘定科目が多く、簿記未経験者の私にとっては“見慣れない世界”に感じたのを覚えています。
これらの業務は高い正確性が求められ、非常に緊張感のある業務です。
ただ、どれも経験を重ねるほど理解が深まり、自信につながっていくというのが実感です。
前述の年度業務とあわせて、これらは”私立学校に勤めることの醍醐味”だと私自身は感じていますので、積極的に関わっていくことをおすすめします。
【適正探し】私立学校事務員に向いている人の共通点
それでは、これまで紹介してきた仕事の内容を踏まえてどんな人が向いているか、私が今まで出会った人の特徴なども踏まえて紹介していきたいと思います。

独断と偏見ですけどね。
結論から言うと、私立学校事務員に向いている人には、「数字力」「計画力」「実行力」「継続力」「リスク管理力」といった共通点が見られます。
これらは、私が私立学校事務員に必要な力として以前から挙げているものです。
以降は、これらの共通点をさらに「調整力」「段取り力」「丁寧さとスピード」の3つに整理して、解説していきたいと思います。

ちなみに「数字力」は全ての力の基礎だと思っていますので、あえて記載を省略しています。
調整力がある(教職員・保護者・外部との橋渡しができる)
調整力=計画力+実行力+リスク管理力
私の周りを見てみると、最近はこの調整力が私立学校事務員にとって最も大事な力であるように感じています。
それは他部署や外部関係者を巻き込み、学校を取り巻く課題を解決していくことが求められる傾向にあるからではないかと考えられます。

私の入職当時はルーティン業務がメインでしたので「地道にコツコツ」タイプの人が多かった印象ですが、今は「調整力」タイプの人の方が活躍しているように思います。
一人でコツコツという仕事スタイルから変化しつつあるのかもしれません。
募集停止を発表する学校が毎年のように現れる昨今の状況。
従来の「地道にコツコツ」タイプよりもこうした調整力に長けた人の方が、これからの私立学校で働くには向いているように思われます。

え~、そういうの苦手だなぁ。じゃあ、私は私立学校事務員には向いてないということか。
そう感じた人もいるかもしれません。

私も調整力タイプではなく地道にコツコツタイプです。
「調整力が必要」と聞くと、「経営コンサルタントのように、周りを巻き込んでプロジェクトを動かす人」をイメージしてしまいがちです。
ただ、安心してください。
いきなりそこまで求められるケースはまずありません。
しかし、前述のとおり私立学校を取り巻く環境は年々厳しくなっています。
そのような難局を乗り越える役割を果たすためにも、調整力は磨いておくに越したことはありません。
そこで、私のようなタイプの人でも、調整力を訓練できる方法をお伝えしたいと思います。
それは日常業務である窓口・電話・外部対応を活用するというものです。
窓口・電話・外部対応が多い学校事務では、教職員・保護者・業者の間をつなぐ調整力がとても大切です。
こうした日常業務を活用して調整力を鍛えるわけです。
例えば私が新任の頃だと、保護者からの相談内容をそのまま教員や上席者に伝えてしまい、意図が十分に伝わらず、何度も行き来することがありました。
そこで「相手が本当に知りたいことは何か」を一度整理してから伝えるようにすると、やり取りが驚くほどスムーズになりました。
このような小さな橋渡しの積み重ねが、調整力アップにつながり、さらに学校全体の動きを支える力になります。

実際、私のような者でも調整力を発揮して大きな補助金を獲得することができました。
最初のステップを小さくして、日々のちょっとした業務から能力アップに取り組んでみましょう。
段取り力がある(複数業務を整理し、優先順位をつけられる)
段取り力=計画力+継続力+リスク管理力
これは、今も昔も変わらず私立学校事務員に求められる力ですが、少し内容が変化してきていると思います。
以前は「段取り力」と言えば、毎日・毎月・毎年のルーティン業務を把握し、スムーズに業務を行えるように準備をする力という意味合いが強かった印象がありました。
しかし、今は同時に飛び込んでくるいくつもの突発的な仕事を整理し、対応する力を指しているように感じています。
どちらにしても、段取り力がある人は大きなアドバンテージがあるため、私立学校事務員には向いていると思います。

こういう人は、教職員や保護者からの信頼が厚いですね。
ポイントをおさえていて、的確なアドバイスをくださるので。
そしてこの段取り力も日常業務で鍛えることが可能です。
そこでおすすめなのが「ジャーナリング」
とにかく「書き出す」という習慣が段取り力アップには有効です。
- 今日までが締め切りの書類を作成していたら急ぎの電話対応が入った
- 複数の補助金を申請することになった
- 決算と行事対応が重なった
こうしたことは日常業務を進めるうえで頻発します。
そこで「まずは全部メモに書き出して順番を決めてみる」ことを習慣にするわけです。
すると不思議と落ち着いて動けるようになり、業務の見通しも立てやすくなります。
段取り力は経験とともに必ず伸びる力です。
コツコツ取り組むことをおすすめします。
丁寧さとスピードのバランスを取れる
丁寧さとスピードのバランス=計画力+実行力
丁寧さとスピードのバランスを意識できる人は、学校現場でとても頼られます。
学校事務は、正確さが求められる一方で、現場では“すぐに対応してほしい”場面も多くあるからです。

私も新任の頃、丁寧にやろうとしすぎて時間がかかり、教職員や保護者を待たせてしまったことがありましたね。
そんなときは「急ぎのときはまず形だけ作り、後で整える」という方法が有効でした。
これができるようになると、仕事が一気に回りやすくなります。
ただ、会計処理や補助金の申請書類作成など正確性が強く求められる業務でこの方法を使うことはやめておきましょう。
ケースバイケースで使い分けられるようになることが重要です。
「自分は確実に物事を進められるので事務員向き」と思っている人は半分正解。
そういう人はスピードアップを意識して仕事に取り組むことで、より「私立学校事務員向き」になることができます。
あと一歩前進してみましょう。
まとめ
学校事務の仕事は、日々の窓口対応から年度業務、そして学校法人ならではの専門的な業務まで幅広く、最初は戸惑う場面も多い職種です。
しかし、タスクの見える化やメモ化、テンプレ化といった小さな工夫を積み重ねることで、確実に仕事が回しやすくなり、自信も育っていきます。
また、調整力や段取り力、相手の意図をくみ取る姿勢など、学校事務に向いている人の共通点は、経験を通して自然と身についていくものばかりです。
新任の方は、まず今回紹介した内容をもとに何か1つ自分の得意分野を育ててみましょう。
得意分野が一つあるだけで周囲からの信頼が大きく変わります。
今日から実践できる小さな一歩を積み重ねることで学校の中で“頼られる存在”へと成長していきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。









