

この記事は以下のような人を対象としています。
・しんどい時でも「なんとかなる」と思って乗り越えられる力を身につけたいと思っている人
「教員不足」というニュースを皆さまも耳にしたことがあるのではないでしょうか。
その要因の一つとして、厳しい労働環境などによるストレスの問題が挙げられていますが、実はこれ、教員に限らず事務員にも当てはまる問題なのです。
実際、前の勤め先も含めて私の周りでは、「心の不調」を訴えて仕事を休んでいる人が少なからずいました。
私立学校事務員と聞くと売り上げノルマ等もなく、民間企業に比べれば精神的・肉体的プレッシャーが小さいという印象があり、こうしたストレスは少ないと思っているかもしれませんが、そうではないのです。
今回の記事を書こうと思ったきっかけも、同僚からのこうした相談でした。
教員とのやりとりによるストレスなどで、正直しんどいとのこと。
その時はとにかく話を聞くことに集中して対応しましたが、自宅に戻り「そういえば今まで読んだ書籍の中に関連する内容のものがあったな」と思い、何冊か読み返してみました。
その読み返した書籍のうちの1冊から、「ストレスの高い状況にも対処できる力」を養うための方法として、参考になるものを3つ紹介いたします。
その3つとは以下のとおりです。
- なんとかなった経験を積む
- うまくいく要素にフォーカス
- 人に頼る力を身につける
今は大丈夫な人でも、いつ何時ストレスの強い状況に身を置くことになるかわかりません。
保護者からの過度な要求や突然の人員減による業務の集中など、教員に限らず事務員でもあり得る話ですので、この記事を参考に、心の健やかさを保てるようになりましょう。
書籍の紹介
書籍名:「なんとかなる」と思えるレッスン 首尾一貫感覚で心に余裕をつくる
著者名:舟木 彩乃
出版社:ディスカヴァートゥエンティワン
発売日:2023年10月20日
【①これが一番のポイント】なんとかなった経験を積む
1つ目の方法を紹介する前に、まず知っておいてほしい言葉があります。
それは「処理可能感」という言葉です。
書籍ではこの「処理可能感」を以下のように説明しています。
「「なんとかなる」と思えるレッスン 首尾一貫感覚で心に余裕をつくる」より引用
- 処理可能感は、自分にふりかかるストレスや障害を、”資源”を活用することで「対処できる」「なんとかなる」と思うことのできる感覚です。 P33
この「なんとかなる」と思える力こそが、心の健やかさを保つ重要なポイントになりますので、以降は「処理可能感を高めるには」と考えながら読んでいただければと思います。

それでは本題に移ります。
処理可能感を高める方法の1つ目が「なんとかなった経験を積む」ことです。
このことを書籍では以下のとおり解説しています。
「「なんとかなる」と思えるレッスン 首尾一貫感覚で心に余裕をつくる」より引用
- この処理可能感は、大きすぎず小さすぎず、バランスがとれた適度な課題を与えられクリアしていくことで得られる「成功体験」により高められるとされています。 P33
成功体験、つまり「なんとかなった」という実績を積み重ねるということです。
ここでのポイントは「大きすぎず小さすぎず」というところ。
小さすぎると「なんとかなった」という気持ちにつながりにくく、大きすぎると「なんとかならない」わけです。

このバランスが非常に難しい。
そこで私がおすすめしたいのが「資格の取得」です。
特に合格率50~60%程度の試験。
個人的にこのあたりが「大きすぎず小さすぎず」のラインと感じています。
資格取得のこうした活用は、この書籍を読む前から行っていましたので、これを見た時「やっぱり効果があるのか」と思いました。
今まで知らなかった知識を身につけることができ、解けなかった問題が解けるようになることにつながる。
こうした資格の学習過程でも「成功体験」を積むことができ、合格すればさらに大きな「成功体験」を得ることができます。

加えて、「合格証書」という結果が目に見えるかたちで手元に残るので、後から振り返ることもできます。
私がこれまで合格した資格の中では、「ファイナンシャル・プランニング技能検定2級(FP2級)」が特におすすめです。
実際に合格して、仕事でもプライベートでも知っておくと役に立つ知識を得ることができたと実感しているからです。
「仕事のことで悩んでいるのに、さらに仕事に関する勉強なんて嫌だ」と思う方は、趣味に関する資格でもいいと思います。
今は様々なジャンルで資格試験が設けられていますので、何か自分にぴったり合うものを見つけてみてはいかがでしょうか。

余談ですが、コロナ禍の際には「ジャグリング」にも挑戦しました。
資格試験が実施されない状況でしたので。
これも「できなかった技ができるようになった」という成功体験につながったと感じています。
【②自己コントロール重視】うまくいく要素にフォーカス
これも書籍の解説を引用します。
「「なんとかなる」と思えるレッスン 首尾一貫感覚で心に余裕をつくる」より引用
- 「処理可能感」の高い人は、完璧主義ではないため、「うまくいった経験」や「できた部分」「なんとかなった出来事」のほうに注目するのです。 P48
①の方法で折角「なんとかなった経験」を積んでも、その経験の方に目を向けられるようにならないと意味がありません。
しかし、人間どうしてもネガティブな方に目が行ってしまいます。
「ここがうまくいかなかった」「こうしておけばよかった」など、悪い方の経験のことを考えてしまいがちです。
そうしたクセを改善するために、日頃からできたことに注目する習慣をつけることを書籍ではすすめています。
その具体的な方法として挙げられているのが、「できたことを日記につける」です。
手帳に一つでもできたことを記録するというやり方になります。

それほど手間もかからず、後から見返すこともできるのでいい方法だと思いました。
私はこれも資格試験の勉強時に実行していました。
「今日は〇問解くことができた」や「〇ページ進んだ」というのを記録して、コツコツと取り組めば、①の「成功体験の積み重ね」も同時に行えるので一石二鳥です。
加えて私の場合、趣味もできるだけ「自分でコントロールできるもの」にするようにしています。
仕事はどうしても周りの影響を受けやすく、思っているようにうまく進まないことが多いと感じているからです。
例えば、私の趣味の一つに「ジム通い」があります。
仕事で「今日はうまくいかなかったな」と思った時はジムに行って、例えば「今日は5km走ろう」と決めて実行する。
それをやり遂げることで、その日の「できたこと」を一つ作り上げることができるわけです。

もちろん、その際には少しハードルの高い目標を設定しましょう。
趣味の力を借りて、自ら「うまくいったこと」を作るために行動し、その結果にフォーカスするという方法。
おすすめですので、やってみてはいかがでしょうか。
【③人脈も資源】人に頼る力を身につける
こちらも書籍の解説を引用します。
「「なんとかなる」と思えるレッスン 首尾一貫感覚で心に余裕をつくる」より引用
- 人の手を借りてでも「なんとかなった」という成功体験を積めば、「なんとかなる」という感覚をもちやすくなるのです。 P97
これは私にとって、この書籍を読むまで意識をしたことがない考え方でした。
自分の力でやりとげてこそ「なんとかなった」という経験になると思っていたからです。
ただ、前述のとおりこの書籍では、「資源」を活用してストレス等に対処できるようになることをすすめており、その「資源」には人間関係や人脈も含まれると紹介しています。
確かに、自分一人の力よりも周りの力をプラスした方が、より困難なことでも「なんとかなる」可能性が高まると思いました。

そこで書籍に倣い、人に頼る力を身につけようと思ったわけですが、壁に当たってしまいます。
私のような40代中年世代は、まだまだ「根性論」がまかり通っていた時代。
人に頼むことを「恥」と感じてしまうわけです。
しかし折角見つけたいい考え方、ぜひとも身につけたい。
そこで取り組んでみたのが「生徒に頼る」ということ。
普段から話す機会の多い生徒に、SNSのことなど自分があまり知らないことについて「これどうしたらいい?」と尋ねてみたのです。
「バカにされるかな」と思いましたが、思いのほか感じよく教えてくれたので、内心ほっとしました。
それからも何度か頼らせてもらい、人に頼ることの心理的ハードルが下がったように感じています。
事務室の同僚や教員には頼りづらいという方は、この方法を試してみることをおすすめします。
まとめ
最初に述べたとおり、学校現場も民間企業に負けず劣らずストレスの問題を抱えています。
「教員不足」のニュースがそれを物語っていと思っています。
そうした問題を完全に解消することは難しいので、うまく対処する力が学校現場で働く人には求められているわけです。
その方法をこの書籍では紹介しています。
興味を持たれた方は、一度お読みいただいてはいかがでしょうか。
皆さまが私立学校事務員として、心の健やかさを保ったまま日々を過ごせるようになること。
この記事がその一助になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。