
この記事の内容は、以下のような人を対象にしています。
・私立学校でクレジットカードを活用している例を知りたいと思っている人。
クレジットカードをうまく活用して、学校運営の質向上を図ろう
私立学校でも、学費や寄付金、さらには事務処理の一部まで、クレジットカードを活用する動きが広がっているように感じます。

学費は口座引落がありましたが、寄付なんか以前は振込用紙一択でしたからね。
保護者にとっては支払い方法の選択肢が増え、学校側にとっては入金管理の効率化やキャッシュレス化の推進につながるなど、メリットはいくつも考えられます。
一方で、手数料の扱いや不正の防止など、学校法人として検討すべきポイントも少なくありません。
本記事では、私立学校事務員歴20年以上の私が、学費・寄付金・事務処理それぞれの業務において導入したクレジットカード活用の実例について、わかりやすく解説します。
これから導入を検討する学校法人の担当者はもちろん、すでに運用している方にも参考にしていただければ幸いです。
クレジットカード活用の全体像をつかみ、より安全で効率的な運用につなげていきましょう。
私立学校で広がるクレジットカード活用の背景
あくまで私個人の感覚ですが、私立学校におけるクレジットカード活用はここ数年で急速に広がりを見せています。
これまで学校が取り扱う出納手段といえば、振込・口座振替・現金が中心でした。

手書きの振込用紙や口座振替の申込書を取引金融機関の担当者に渡して処理する、というのが一般的でしたね。
しかし、社会全体のキャッシュレス化が進む中で、学校もその例外ではいられなくなってきています。
特に保護者の生活スタイルが変化し、スマートフォンでの決済やオンライン手続きが当たり前になったことで、「学校の支払いももっと便利にしてほしい」という声が増えてきました。

窓口とかATMに行く時間がないという声はよく耳にしますね。
こうした背景からか、クレジットカードを利用した学校法人に向けのサービスが増えているように思います。
一方で、学校側にもクレジットカード導入のメリットがあります。
現金管理のリスク低減、未収入金対策、事務負担の軽減など、学校運営に直結する効果が期待できるためです。
これらの背景が重なり、私立学校でのクレジットカード活用は、今後ますます広がっていくのではと考えています。
キャッシュレス化が教育現場に求められる理由
教育現場にキャッシュレス化が求められる理由は、社会全体の変化にあります。
保護者の多くは日常的にクレジットカードや電子マネーを利用しており、学校の支払いだけが「紙の申込書」「現金」「銀行窓口」というのは、時代に合わなくなりつつあります。

同僚の事務員は子どものPTA関係のお金が現金徴収であることにいつも不満を漏らしていますね。
また、学校側も現金管理のリスクや振込確認の手間を減らしたいというニーズがあります。
現金管理のリスク等については、以前の記事でも解説していますので、そちらをお読みいただければと思います。
この記事では、現金管理のリスクとあわせて、現金から振込へと支払い方法を見直した際の話も紹介しています。
これでもかなり手間は減らせましたが、それでも振込に係る準備は手間がかかります。
取引先への支払い以外にも、学校行事の参加費や教材費など、いわゆる「預り金」と呼ばれるような細かなお金の取り扱いも多い学校現場では、時代の流れに乗ってキャッシュレス化を図るメリットは非常に大きいといえます。
保護者ニーズの変化(利便性・ポイント還元・分割払い)
保護者がクレジットカード決済を求める理由は、単なる利便性だけではありません。
- ポイント還元が受けられる
- 支払いを分割できる
- 家計管理アプリと連携できる
など、家庭の経済事情に合わせた柔軟な支払いが可能になる点も大きな魅力です。

実際にクレジットの分割払いで学費を支払いたいという申し出を受けたこともありますしね。
特に学費は高額であるため、ポイント還元のメリットは無視できません。
年間数十万円の支払いがある家庭では、ポイントだけで数千円〜数万円の還元になることもあります。
あと、私の同僚もそうですが、家計管理アプリで家のお金の出入りを一元管理している人も見かけます。

だから先述のようにPTA関係のお金が現金のみの取り扱いであることにいら立ち感じているわけですね。
学校は広い意味でサービス業。
教育以外にも、保護者の方のニーズにあったサービスを提供することが求められていると感じています。
学校側のメリット(入金管理の効率化・未収入対策)
学校側にとっても、クレジットカード導入は大きなメリットがあります。
- 未収入金が減る
- 現金管理のリスクがなくなる
- 事務員の作業時間が削減される
特に未収入金対策と現金管理リスクの軽減については効果を実感しています。

クレカ会社から学校にお金が入金されますので、とりっぱぐれが防げます。
あとは保護者とクレカ会社間でうまくやりとりしてください、といった感じですね。
学費支払いにおけるクレジットカード活用
それでは、具体的にクレジットカードを導入した業務の例を紹介していきます。
まずは、学費支払いです。
以前の勤め先の話ですが、学費のクレジットカード決済については、以前から一定の保護者から「利用したい」という要望が挙がっていました。
そこで見つけたのがNTTスマートトレード株式会社の「学費公共スマート払い」 参考までに紹介サイトのリンクを貼っておきます。
「学費公共スマート払い」
(NTTスマートトレード株式会社サイトへのリンク)
以下、このサービスの概要やメリットデメリットなどを解説していきます。
学費公共スマート払いの概要
先述のNTTスマートトレード株式会社(以下、N社)のサイトで概要を確認できますので、詳細はそちらを確認していただければと思います。
導入までの流れとしては、まずN社に本サービスの利用希望の旨を申し出ます。
すると、N社の担当者から連絡がありますので、簡単な質疑応答や申込書のやりとりを行います。
準備はこれだけです。

あとは、学校のホームページなどでサービスの周知を行ったり、バナーを貼ったりするくらいですね。
カード読み取り端末の設置などの余計な手間や費用はかかりませんでした。
学費公共スマート払いのメリット
実際に導入してみて感じたメリットは以下のとおりです。
- 導入費用がかからない(学校のホームページを修正する費用は除く)
- 学校側に手数料負担がない
- 会社名ではなく生徒名で振り込まれる(把握がしやすい)

費用面でのメリットは大きいように思いますね。
あと、どの金融機関から振り込まれたかを確認することで「あ、この人学費公共スマート払いを利用したな」というのが一目でわかるのも、個人的にはポイントが高いです。
学費公共スマート払いのデメリット
逆にデメリットと感じたのは以下の点です。
- 手数料が高い(保護者負担といえども気がかり)
- 入金確認まで時間がかかる
- 住民税非課税世帯等はクレジットカードを持っていないことが多いので利用できない
手数料については、このサービスではありませんが以前に不満の声を頂戴したことがあります。
ローンを利用した人から「こんなに金利の負担が重いなら利用しなければよかった」とおっしゃられたのです。
もちろん事前に説明していますが、実際に返済していく段階にならないとその重さは実感できません。手数料の高さがこうした不満につながらないかを懸念しています。
なお、分割払いやリボ払いといった設定は、各保護者がカード会社との間で行うことになります。
学校には一括で全額が入金されます。
また、クレジットカードを持っていないまたは作れないという人も少なからずいます。

そういった人ほど家計の状況が厳しい傾向があるんですよね。
全ての人に適したサービスを提供することは難しいといったところです。
寄付金におけるクレジットカード活用
寄付金のクレジットカード決済は、学校法人が収入の多角化を考えるうえで非常に重要です。
オンラインで寄付を受け付けることで、寄付者の利便性が向上し、寄付額が増えるケースも少なくないと考えられます。

実際、私もクレジットカードで勤め先に寄付してみましたが、便利でしたね。
これも私の前の勤め先での導入例となりますが、「F-REGI寄付支払い」というサービスを利用していました。
「F-REGI寄付支払い」
(F-REGI寄付支払いサイトへのリンク)
以降で詳しく解説していきます。
クレジットカード寄付の導入メリット
メリットとして感じているものは以下のとおりです。
- 寄付者が手軽に寄付できる(寄付者増の効果が見込まれる)
- 学校側の事務負担が減る

言うまでもない内容ですが、これらに尽きます。
学校法人への寄付金に限らず、ふるさと納税などでも寄付金のオンライン化が進んでいるように思います。
そこには「利便性」が深く関係しているように思います。
特に、仕事など理由でなかなか金融機関の窓口で行けない人にとって利便性は重要。
そういった人からの寄付は、オンライン化によって大きく増える可能性があります。
また、事務負担の面として、寄付用の振込用紙の準備が大変面倒なのも担当者としてはネックです。

クラスごとに枚数を分けたり、在庫管理したりで地味に手間がかかるんですよね。
そうしたストレスを軽減する効果も実感しています。
ちなみに寄付者が寄付金控除を受けるために必要な「寄付金受領書」や「特定公益増進法人の証明書」の発行は、学校法人が行う必要があります。
カード決済の場合でも、この手間は省けません。
クレジットカード寄付の導入デメリット
では、デメリットも確認しておきましょう。
- 現場の担当者が入金確認できない(初期設定の問題)
- 費用がかかる
「F-REGI寄付支払い」ですが、前の勤め先では学校法人本部が担当して導入していました。
そのため、私のような現場担当者はあまり深く関わることができず、それが原因なのか、「F-REGI寄付支払い」を利用して寄付した場合、入金が確認できない状況になってしまいました。

本部から寄付金の実績の連絡があって初めて「この人、寄付してたの?」と知ったんですよね。
導入に際しては、本部任せにしないことをおすすめします。
学校事務におけるクレジットカード活用(経費処理)
学校事務でも、経費処理でクレジットカードを活用しています。

一昔前は、本人の立替や学校が管理する口座からの引落が一般的でしたけどね。
特に、法人カードを使った経費処理は、業務効率化に大きく貢献するというのが私の実感です。
そんな経費処理におけるクレジットカード活用について、詳しく見ていきましょう。
学校法人で経費処理にクレジットカードを使うケース
私の勤め先では、以下のようなケースでクレジットカードを活用しています。
- ネットショップからの物品購入
- 少額の支払い(切手購入など)
- サブスクリプション契約
なかでもオンラインでの支払いが増えたことで、カードの必要性が高まっています。

請求書払いや口座振替に対応していないケースが増えてきた印象がありますね。
今後もこうした流れが続くのではと、個人的には考えています。
経費処理にクレジットカードを使うメリット
これはとにかく「事務作業の効率化」の1点に尽きると思います。
請求書や領収書による処理は、バラバラと発生するので大変手間です。
これをまとめて処理できるようになるというのが、クレジットカードを使う最大のメリットだと考えられます。

やっと処理できたと思った矢先に、また請求書やら領収書を持ってこられると、ため息が出そうになります。
月に一度の引落日にあわせて、カードを利用する部署等から利用実績を提出させることで、経理担当者の負担は軽減されます。
経費処理にクレジットカードを使う際の注意すべきポイント
注意すべきポイントは「不正使用の防止」です。
- 利用ルールの明確化(使用制限等)
- カード払いを使う際の承認フローの整備
- 利用明細の定期確認
など仕組みを構築したうえでの運用が求められます。
特に利用明細の定期確認は重要。
必ず「使用目的」と「内容」は使用者から報告させるようにしておきましょう。
第三者の目をとおす仕組みを構築することは不正防止に大変有効です。
また、カード払いは使った感覚が薄いので、やたらと使用するケースが発生する可能性があります。

現金で立て替えることに比べれば格段にラクですからね。
無駄な支出が生じないようにするためにも、前述の定期確認は必ず実施すべきポイントです。
まとめ
クレジットカード活用は学校運営の効率化につながります。
クレジットカード活用は、
- 学費
- 寄付
- 経費処理
の3つの業務において大きな効果を発揮します。
学校法人として適切な運用を行うことで、
- 保護者の満足度向上
- 事務効率化
- 収入源の多角化・安定化
につながり、学校運営全体の質を高めることができます。
クレジットカード活用は、単なる「便利な仕組み」ではなく、学校の未来を支える重要な取り組みのひとつです。
ぜひ、取り組めることろから始めてみましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。

