

この記事は以下のような人を対象としています。
・相手の気持ちや自分の意見を「一言」で言えるようになり、「伝わらないストレス」から解放されたいと思っている人

言いたいことはあるんだけど、それをうまく言葉にできないんだよなぁ。

私が説明していると、保護者の人がいつも退屈そうな表情をするのよね。
こんな悩みをお持ちではありませんか。
私立学校事務員の仕事では、教員・保護者・取引先・法人本部など、毎日さまざまな立場の人とやり取りが発生します。
その中で多くの事務員が抱える悩みが、「うまく伝えられない」や「伝えたつもりなのに、伝わっていなかった」というストレスです。

一人で電卓をたたいたりしているだけならこんなストレスはないんですけどね。ただその場合、別のストレスが発生しそうですが。
以前の記事でも、こうしたお悩みへの対処法として「言語化力」を訓練する方法を紹介しました。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
その記事でも述べましたが、前述のようなお悩みは、そもそも私たちが今まで「言語化力」を訓練するための方法を学ぶ機会がなかったため。
決して、「頭のよさ」とか「しゃべり下手」といった自分の能力に問題があるからではありません。

的確に要点を伝えられる人を見ると「この人、頭いいんだなぁ。それに比べて自分は・・・」 って思いますよね。
そういう思い込みを捨てて、「言語化力」アップのためにトレーニングを積む。
そうすることで、物事の「核心」をとらえる力も鍛えられるというわけです。
では、どのようなトレーニングを積めばよいのか。
以前の記事ではA4用紙1枚を使った方法を紹介しましたが、今回は別の書籍から、普段の会話のやり取りのなかでできるトレーニング法をお伝えしたいと思います。
参考にしていただければ幸いです。
書籍の紹介
書籍名:たった一言で頭がいい人だと思われるコンサルタントの言語化力
著者名:和仁 達也
出版社:かんき出版
発売日:2025年12月1日
今日からできる!私立学校事務員の言語化力トレーニング
言語化力とは、頭の中の状況や意図を整理し、理解しやすい形に変換する力です。
この場合の「頭の中」は、自分の「頭の中」だけでなく相手の「頭の中」も指しています。
この力があると、お互いの考えていることがうまく共有でき、依頼や説明がスムーズになり、業務の滞りが減ります。
この言語化力をアップさせるためのテクニックとして書籍で紹介されているのが以下の3点です。
- 悩み・困りごとにタイトル付け
- 「積み石」「捨て石」で本音の引き出し
- 「といいますと?」で深堀り
これらのテクニックを習慣として実践することがトレーニングになります。
これにより、相手の思考を言語化する力が磨かれるというわけです。
言語化力が磨かれると、相手が自分でも気づいていないような悩みや困りごとを言語化できるようになり、その相手からの信頼獲得につながると考えられます。

「この人、私のことわかってる」と感じて、相手への信頼度がアップしたという経験、ありませんか。
またそこから、さらに良好な人間関係が構築され、人生の充実感がアップする効果も期待できます。
以降でそのテクニックについて一つずつ見ていきましょう。
【自分事にしてもらう】悩み・困りごとにタイトル付け
まず取り組みたいのが、相手の悩みや困りごとを「一言」で言い表す練習です。
書籍では以下のように述べています。
相手がちょっとした悩みごとを話しているときに、「要するに、あなたの今置かれている状況って○○ってことですかね?」のように一言で言い表してみる。それを繰り返すと、段々核心をとらえられるようになっていくと思います。 P64
「たった一言で頭がいい人だと思われるコンサルタントの言語化力」より引用
人間、どうしても意識して取り組まないと、自分のやりやすい方に流れてしまいます。
そこで強制的に「一言にまとめないとダメ」と自分に制限をかけるわけです。
そうすることにより、相手の話を今までもよりも集中して聞くようになり、それが話の核心を見つけ出す力を育てることにつながります。

いや、それができないから相手の反応がイマイチなんだよ。
その意見もごもっともです。
練習とはいえ、やはり的外れなコメントを言って相手から「わかってないなぁ」という反応もらうのは、メンタルへのダメージが少なからずあります。

地味に凹むんですよね。
そんな人のためにおすすめしたいのが「相手にタイトルを考えてもらう」という方法。
これにより、相手に問題を「自分事」と認識してもらえる効果も期待できます。
具体的な方法について、書籍の言葉を引用します。
「今のあなたの悩みにタイトルをつけるなら?」
「たった一言で頭がいい人だと思われるコンサルタントの言語化力」より引用
「そのタイトルについて現状はどんな感じですか?」
1つ問いを投げかけるたびに、1つ真実が見えてくる。
そうやってセンターピンを見つけ出し、行動に結びつけるところまでいって、初めて問題は解決できたと言えるのです。 P149

センターピンとは、ここでは「それを倒したら他のピン(問題)も倒れてくれるピン」と思ってください。
これが見つかれば、お悩みの解決にかなり近づくことができます。

でも、いきなり「悩みにタイトルつけて」と言われても、相手も困るんじゃない?
その意見も一理あります。
書籍では、その点についての解決策として以下の方法をすすめています。
といっても、普通の会話で「まず、悩みやお困りごとにタイトルをつけてみましょう」と言っても、「えっ タイトルって???」と相手は戸惑うはず。
「たった一言で頭がいい人だと思われるコンサルタントの言語化力」より引用
そんなときは、
「〇〇を○○するには?」
というテンプレートに言葉を当てはめてもらう方法があります。
使い方としては、
「そっか、やる気が湧かないんだ。もし、その悩みを『〇〇を○○するには?』で表現するなら、どんな言葉を当てはめる?」
という感じです。 P158
これならお互いが「〇〇」に入る言葉を探そうとするので、話が進みそうな気がしませんか。
あとは「○○なので○○という不安(またはストレスが)ある」というかたちで表現する手もあると書籍では紹介されています。

「上司がいつも不機嫌なので、怒らせないように接しないといけないというストレスがある」といった感じですね。
こうしたテンプレートを活用しながら、タイトル付けに徐々に慣れていき、経験を積んできたら「要するに○○ですか」と一言で言うやり方にシフトすればいいと思います。
ちなみに私は例によって生徒で練習中しています。
こちらから話しかけなくても「聞いて~」と悩み事を言いに来る生徒がいるので絶好の練習台になってくれています。
生徒には「〇〇を○○するには」よりも「○○なので○○という不安がある」の方が思いつきやすいようなので、こちらの方をもっぱら使うようにしています。
生徒も多少すっきりした感じで帰っていくので、お互いにとっていい影響をもたらしてくれていると感じています。
【話を広げる】「積み石」「捨て石」で本音の引き出し
物事の「核心」に迫るために、様々な情報を集めなければならないケースもあります。
情報を集める中で相手がぽろっと本音を言い、それが解決への糸口になる。
このような場面では、「相手に本音を言語化させる力」が必要になります。

これも広い意味で「言語化力」ですね。
そのためのテクニックとして活用したいのが「積み石」「捨て石」です。
書籍の解説を見てみましょう。
「捨て石」とは囲碁で、より多くの効果を得るために、わざと相手に取らせる石を言います。 一方、「積み石」は僕がつくった言葉で、1人の発言が誘い水になって、他の人が次々と意見を出すことを「積み石効果」と呼んでいます。 P65
「たった一言で頭がいい人だと思われるコンサルタントの言語化力」より引用
話を広げるために、会話の初めにこれらの石を置いておくわけです。
具体的なやり方も紹介されていますので、確認しておきましょう。
ちなみに、本題に入る前に前もって伝えておくことを、僕は「前置きトーク」と呼んでいます。先に伝えておいたら、自分が質問する際にも「これは積み石で言いますけど」「これは捨て石になるかもしれないですけど」と前置きができます。 P67
「たった一言で頭がいい人だと思われるコンサルタントの言語化力」より引用
使えるシーンとしては打ち合わせや会議などが想定されます。
例え自分の意見が否定されても「じゃあ、それは捨て石なんで捨てておきましょう」と言い、重ねて「さっきの意見に積めそうな石があれば積みましょう」と話を広げられます。
あまり偉い人が出るような会議や生徒・保護者が相手の場では言いづらいですが、係内での打ち合わせやグループワークなんかでは言いやすいのでおすすめです。
打ち合わせの多い職場は絶好の練習の機会になりますので、実践してみてはいかがでしょうか。
【話を掘り下げる】「といいますと?」で深堀り
「捨て石」「積み石」は、話を広げて本音を引き出すやり方でしたが、話を深堀りして本音を引き出すという方法もあります。
そこで活用したいフレーズが「といいますと?」です。
書籍の解説を見てみましょう。
相手の話をより深く理解したいとき、あるいは核心に近づきたいときに使える「鉄板フレーズ」があります。
「たった一言で頭がいい人だと思われるコンサルタントの言語化力」より引用
「といいますと?」
これは、相手がお題について十分話せていないタイミングで投げかけると、もっと話そうという意識になります。 P168
これは保護者からの相談に対応する際に使えるというのが私の印象です。
学校選びについて相談に来られる保護者のなかには、自分が本当は何に悩んでいるのか明確になっていない人もいます。
そういった人に「といいますと?」を投げかけて、もう少し詳しく話をしてもらうように促すわけです。

事務員も入試イベントなどで保護者の相談を受けることがありますからね。
ただ、同じ言葉を繰り返すと、相手にとってプレッシャーになってしまうという恐れがあります。
そこで、書籍では以下のようなやり方を紹介しています。
ただ、あまり「といいますと?」「といいますと?」を連発していると、尋問されているような印象になるので、
「たった一言で頭がいい人だと思われるコンサルタントの言語化力」より引用
「たとえば、どんなことがありましたか?」
「そのとき、どう感じましたか?」
というワードも混ぜると、相手も負担にならずに話を掘り下げていけます。 P169
入試イベントは事務員が生徒確保に関われる数少ないチャンスです。
その機会をフルに活用できるように、このフレーズを準備しておき、相談に臨んでみましょう。
まとめ
明日からでもできる「言語化力トレーニング」のポイントをおさらいしましょう。
- 「悩み・困りごとにタイトル付け」→相手も巻き込んで「核心」を見つける練習
- 「「積み石」「捨て石」で本音の引き出し」→話を広げて「核心」を探す練習
- 「「といいますと?」で深堀り」→話を深く掘り進めて「核心」にたどり着く練習
言語化力が高まり、明確で分かりやすい説明ができると、「この人に聞けば安心」と思ってもらえるようになります。
特に私立学校事務員は相談窓口になる場面が多いため、言語化力は信頼構築に直結します。
丁寧さと分かりやすさの両立が、信頼を積み重ねる鍵です。
ぜひ今回紹介したトレーニングを習慣化してみましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。

