
この記事は以下のような人を対象としています。
・私立学校事務員としての仕事にいまいちやりがいや誇りを持つことができないと感じている人。

私立学校事務員の仕事って、誰でもできる事務仕事ばかりなんでしょ。

現場のことを何もわかっていなくてもできる仕事ですよね。
などと周りから思われているのでは、と感じたことはありませんか。
- 定時になったら、さっといなくなってしまう
- いつも細かいことばかり指摘してくる
- 一体何の仕事をしているのかわからない
こんなことを直接言われたり、うわさ話で聞いた経験があるという方も、少なからずおられると思います。
こうした発言は、冒頭に挙げた私立学校事務人の仕事に対するイメージに関係しているように私は思っています。

私は同様のことを生徒に言われました。
自分の親は自分よりも遅く家に帰ってくるのに、どうして事務の人は自分と同じ時間に帰れるのかが不思議だったとのことです。
これらの発言のベースには、私立学校事務員の仕事は「定型業務ばかり」とか「実務より知識優先」というイメージがあるように思います。
特に総務・経理・人事などの法人本部や高校事務室などに配属された事務員に対してこういった印象が強いようです。
そしてそのイメージは周りの人たちだけでなく、私たち自身も心のどこかで持ってしまっている。
私はそのように感じています。

だから仕事に対するやりがいや誇りを持ちにくいというのが実感としてありますね。
したがって、このイメージを払拭するためには、まず私たち自らが、私立学校事務員の仕事も含めた「バックオフィス業務」本来の目的を理解し、行動することが必要となってくるわけです。
そこで今回は、バックオフィスという存在の価値を高めるための仕事との向き合い方を紹介したいと思います。
「バックオフィス業務の本質」を意識することで、
- 自分の携わっている仕事の意義を明確にしたうえで日々の仕事に取り組める
- 周りからの目に悩まされることが少なくなる
といった効果が期待されます。
参考になれば幸いです。
なお、以降「バックオフィス業務≒私立学校事務員の仕事」と読み替えてご覧ください。
書籍の紹介
書籍名:バックオフィス業務のすべてがわかる本
著者名:植西 祐介
出版社:日本実業出版社
発売日:2024年9月1日
【軽視ダメ】バックオフィス業務の本質とは

そもそも「バックオフィス業務の本質」って何?
こう思っている方は多いと思います。

こんなこと習わないし、考えたこともないといったところでしょうね。
私もですが。
そんなバックオフィス業務の本質について、書籍では以下のように解説しています。
つまり、本来のバックオフィス業務は、経営者が大事にしている「会社の経営管理という心血の一部をわたす行為」であり、その責務は重く、寄せられる期待も高いものなのです。 であれば、経営者の意図を理解して同じ視点で業務を回すこと=「経営者との接続」がバックオフィス業務の本質であり真のミッションであるべきなのです。 P7
「バックオフィス業務のすべてがわかる本」より引用

ここも会社=学校と置き換えてください。
会社が永く活動を続けるためには、日々の経営管理が重要です。
経営者には常に、経営上おかしなところがないかを確認し、あればすぐに適切な対処を実施するといった行動が求められています。
ただ、これを経営者単独で行うには負担が大きすぎる。
そこで、この経営管理をバックオフィスの業務として任せているわけです。
本来、経営者がやるべき「経営管理」の一端を担っていて、そこには経営者視点が求められている。
この本質をおさえておくことが、バックオフィス業務の価値を考えるうえで重要となります。
よく自己啓発の本などで「自分が経営者になったつもりで考えろ」とか「視座を高くしなさい」といったことが書かれているのを見かけます。
そんな内容を見ると正直なところ、

そんなのイメージできないよ。
と思っていました。
それはやはり私が心のどこかで、
- 「自分の仕事≒ルーティン業務」
- 「経営者の仕事≒判断・意思決定」
といったように、全く別物と考えていたからだと思います。

ルーティン業務で意思決定の必要性に迫られることはあまりありませんので。
しかし、今回この書籍を読んだことで「自分の業務≒経営管理の一端」という新たな考え方に出会うことができました。
「経営者に代わって学校のお金の出入りを見ている」
「経営者に代わって学校の人員を管理している」
さらに、これらの経営管理の仕事が経営者から管理職におりてきて、最終的に自分の担当業務として任されていると認識する。
別の言い方をすれば、経営者になるための力を養う機会を与えられているとも言えそうです。
そう考えれば、ただ漠然と「経営者視点で」と言われるよりかは、よほど自分事に置き換えやすく、また仕事の意義を理解しやすいのではないでしょうか。
「事務員の仕事≒ルーティン業務」から考え方をアップデートさせてみましょう。
【視点が大事】バックオフィス業務の守備範囲

でも、学生対応とか入試広報なんかも、経営を続けるには必要ですよね。
こう思った方もおられると思います。
もちろんその通りですが、やはりそういった活動も「ヒト・モノ・カネ」といった経営資源があってのものです。
そしてまさにこれらの経営資源を扱うことが、バックオフィス業務のメインとなります。
その点について、書籍の解説を引用したいと思います。
バックオフィス業務は、事務処理だけを行う部署ではありません。バックオフィスが果たすべき価値は、「ヒト・モノ・カネ」の視点から経営者の意思決定をサポートし、課題解決へ導くことです。 P21
「バックオフィス業務のすべてがわかる本」より引用
この考え方に基づけば、前述した「現場のことを何もわかっていない」という声に対するショックを和らげることができるように感じています。

「『ヒト・モノ・カネ』の視点から経営者の意思決定をサポート」することに価値があるわけですから、現場目線は別の担当者にお任せすればいいわけです。
当然、現場のことをわかっている方がいいのは言うまでもありません。
ただ、例えば経理担当者であれば、経営者の意思決定をサポートするために「カネの視点で言えば〇〇だと思います」という意見を言うことができれば、本来の役割は果たしていると言えます。

必要があれば、経営者は学生対応や入試広報の担当者から意見を集めればよいわけですから。
従って、「自分の守備範囲で意見が述べられるか」というところがポイントになってきますが、
これはルーティン業務の経験や専門知識だけでは対応できないというのが私の実感です。
では、どうすればよいのか。
参考までに私がこの書籍を読んでから取り組んでいることを紹介したいと思います。
それは「もし経営者に尋ねられたら」というシミュレーションをしてみることです。
そんな大層な話ではありません。
私の場合、経理事務がメインですので、日々の預金管理や出納業務のなかで適当にピックアップしたものについて、脳内経営者に説明してみるのです。
例えば、

この預金残高で問題ないのか。

はい。毎月の流れではこの後〇〇円程度の支出がありますが、△△日には××円の入金があるので、資金繰りに問題はない見通しです。
とか、

この支出はなんだ。

それは〇〇のためのものです。
ただ、1件ごとの金額は小さいですが年間になると△△円程度になり、軽視できない額になります。
金額だけ見れば削減すべきと考えますが、担当部署にも確認が必要だと思います。
といった自分なりの意見を考えて見るわけです。
個人的には、「カネ」目線の発想力を養うことができる手軽な訓練方法だと思っていますので、おすすめします。
まとめ
私立学校事務員の仕事(≒バックオフィス業務)は軽視されている。
これが20年以上、私立学校事務員として働いてきた私の感想です。
しかし、この書籍で紹介されているように、
- 定型業務ばかり→経営管理の一端を任されている
- 現場に対する理解不足→「ヒト・モノ・カネ」の視点からのサポートを求められている
といったかたちで自分自身の意識を変えることができます。
私と同じように「軽視されている」と感じている私立学校事務員の方にとって、その悩みの解消につながればと思い、今回記事にまとめてみました。
参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

