

この記事は以下のような人を対象としています。
・「適度な距離」を保った人間関係を構築したいと思っている人

断ったら気分を悪くすると思ってお願いを引き受けたけど、その分自分の時間がなくなったわ。

本当は自分の考えと違うけど、相手の意見に合わせておこう。でも、なんだかストレスが溜まるなぁ。
こんな経験、皆さんありませんか。
- プライベートなことまで入ってこようとする上司
- こちらのことは気にせず頻繁に頼みごとをしてくる同僚
- 「あなたのため」と言って、こちらが求めていないアドバイスをする家族・友人
こういった人たちに気を遣ってしまい、つい手助けしたり話を聞いてしまったりするわけです。

私も割と頼まれると断れない性格なので、引き受けてしまうことが多いと思っています。
そんな他人に気遣いをする人に限って、ストレスをため込みやすく、心を病んで休職してしまう。こうしたケースは民間企業だけでなく、学校でもたびたび見られます。

私の勤め先にもいますし、知り合いの事務員に尋ねてみても毎年数人は休職すると言っていました。
では、なぜそんなことになってしまうのでしょうか。
それは、他人との人間関係にうまく「線を引く」ことができていないからだと私は思っています。
他人との人間関係に「線を引く」ための考え方や方法を教わり実践することで、相手との適度な距離を保つことができ、悩みを軽減できると考えています。
そこで今回は、その「線を引く」ために役立つ考え方や方法を、書籍に基づき紹介します。
キーワードは「バウンダリー(≒境界線)」
その「バウンダリー(≒境界線)」を決めるためには、
- 自分が「どう思っていて、どこがゆずれないか」をはっきりさせる
- 時間や考え・価値観、感情について「自分の領域はここ」という線を決める
の2点が必要です。
これらについて、実際に書籍で書いてあることに取り組んでみた私の体験談なども踏まえて紹介したいと思います。
概要は以下のとおりです。
- バウンダリーとは
- 「線を引く」ために大切な意識
- 「線を引く」ための方法
- 私の実感
ポイントは、
- 「普通」「常識」より「自分の基準」を優先する。
というところです。
この「線を引く」スキルを身につけることで、「自分の輪郭」を明確にして、自分を他人から守ることができるようになります。
その結果、人間関係に適度な距離を設けることができ、人生がラクになるわけです。
参考にしていただければ幸いです。
書籍の紹介
書籍名:人間関係に「線を引く」レッスン 人生が楽になる「バウンダリー」の考え方
著者名:藤野 智哉
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日:2025年5月23日
【意味を確認】バウンダリーとは
そもそもですが「バウンダリー」という言葉。
ほとんどの人にとって聞きなれないものだと思います。
まずは、この言葉の意味を書籍の説明から引用したいと思います。
「バウンダリー」とは、「自分と他者の間にある境界線」のことです。
「人間関係に「線を引く」レッスン 人生が楽になる「バウンダリー」の考え方」より引用
もう少し詳しくいうと、「『どこまで相手と関わるか』『どこから自分を守るか』を自分で決めるための心理的な境界線」を意味します。 P7
さらに補足すると、この境界線は時間や価値観など様々なところに設定できるようです。

よく「人の心に土足で入り込んでくる」という表現が使われますが、まさにこれは境界線を越えて来る人のイメージだと思います。
このバウンダリーの問題を紹介した箇所がありますので引用します。
「時間」のバウンダリーに関するものです。
バウンダリーがあいまいな人の場合、断りきれずになんとなく引き受けてしまいます。
「人間関係に「線を引く」レッスン 人生が楽になる「バウンダリー」の考え方」より引用
あるいは「断ったらこの人がかわいそうかな」と罪悪感を感じて、「その人のため」に引き受けたりします。
結果、忙しくなって自分の時間がなくなってしまうのです。 P10
似たようなケースが私にもありました。
私の今の勤め先にいる提出物の提出が遅い教員の話です。
提出期限を越えたので書類の提出を促すと、

少しだけ待ってほしい。
との返答が。
はた目から見て忙しそうな様子だったので、仕方なくもうしばらく待ってみた結果、私がその書類を受けてから作業する時間が大幅にカットされてしまいました。
時間的にそれだけに集中せざるを得なくなったため、他の業務をストップすることになり、色々なところに問題が生じてしまったわけです。
これは私の中での「時間」のバウンダリーがあいまいだったことによるものだと考えられます。
- バウンダリーは心理的な境界線
- バウンダリーがあいまいだと自分や周りに迷惑をかけることがある
まずはこのことを頭に入れておきましょう。
【「自分」を大事に】「線を引く」ために大切な意識
では、このバウンダリーをどうやって引けばよいのか。
まずは、書籍の解説を見てみましょう。
バウンダリーを引くことは、シンプルに説明すると、
「人間関係に「線を引く」レッスン 人生が楽になる「バウンダリー」の考え方」より引用
「誰に」
「どこまでOKするか」
という問題と考えてみてください。 P26
つまり、相手によってOKにするかNGにするか使い分けてよいということです。

「人によって態度を変えるな」と小さい時から言われてきたので、この考え方に「それでいいんだ」という軽いショックを受けました。
さらに衝撃を受けたのが、そのバウンダリーを引くための考え方。
これも書籍から引用します。
「自分」、もっというと、「今の自分」の線引きでいいのです。
「人間関係に「線を引く」レッスン 人生が楽になる「バウンダリー」の考え方」より引用
その時その時の自分の気持ちやコンディション、周りの環境、人間関係の中で「線引き」を考えていけばいい。 P33

これまた「感情に左右されるな」という教えを受けてきた身としては、「本当にいいの?」という感じでした。
世間一般の「普通」や「常識」は一旦脇に置いて、自分なりの基準で線を引けばよい。
それで人間関係のストレスが軽くなるのであれば、やってみる価値はあるというのが私の印象でした。
この考え方を意識して、具体的な線の引き方を以降で見ていきます。
【「輪郭」をイメージ】「線を引く」ための方法
具体的な方法に入る前に、「線を引く」ための基本を見ておきましょう。
書籍の説明を引用します。
人間関係に線を引く基本は、
「人間関係に「線を引く」レッスン 人生が楽になる「バウンダリー」の考え方」より引用
・「自分はどうしたいか」を伝える
・「相手はどうしたいか」を聞く
ことだと思います。 P53-54
前述の「線を引く」ために大切な意識は、前者の方につながってきます。
まずは「自分なりの基準でいい」という意識を持って「自分はどうしたいか」を明確にするわけです。
それでも、

「どうしたいか」なんてわからないよ。
と思う人はいると思います そんな人のために、私が書籍を読んで「おすすめだ」と思った方法を3つ紹介したいと思います。
- 人間関係に優先順位をつける
- 「イヤと思うこと+自分の状況」を記録する
- 時間で線を引く
[人間関係に優先順位をつける]
書籍の言葉を引用します。
「誰にでもいい人になってしまう」というような人は、人間関係にある程度、優先順位をつけてみるといいでしょう。
「人間関係に「線を引く」レッスン 人生が楽になる「バウンダリー」の考え方」より引用
OKをするのも、「相手による」ものです。 P39
まずは「誰に」を明確にするわけです。
私の場合、この書籍を読んで、
- 両親
- 地元の友人
- 社会人になってからの友人
という順位を設けました。
そして、この①~③に該当しない人との関係は距離を置いていいというマイルールを決めたのです。

この順位を手帳に書いてみると、心の中が少しスッキリした感覚がありましたね。
皆さんも書き出してみてはいかがでしょうか。
[「イヤと思うこと+自分の状況」]
「誰に」をはっきりさせたら次は「どこまでOKか」を決めてみましょう。
その際には、OKではなくまずNGの方をはっきりさせる方が簡単だと思います。
自分は「何がイヤか」「どんな状況だとイヤになるか」を理解しておくことも大切です。 「線を引く」のに大事な「自分の輪郭」がはっきりするからです。 P71
「人間関係に「線を引く」レッスン 人生が楽になる「バウンダリー」の考え方」より引用
これも私のケースですが、前述の①~③に該当しない人からの頼みごとのなかで、イラッとしたことを書き留めてみました。
一部紹介します。
- 朝早く出勤したときに自分の業務外の頼みごとをされる
- 伝票処理をしているときに周りで愚痴や他人の悪口を言われる
- お願いされたことをやったら、「そこはこうしてほしかった」ということを言われ、やり直しの時間が発生した
こうしてみると、私は「自分の時間を無駄にされること」について、特にイヤだと感じる傾向があるように思いました。
[時間で線を引く]
そんな「自分の時間を無駄にされること」がイヤな私にとって、役に立つ方法が書籍に載っていました。
「時間」で線を引いてみると、「とりあえず自分を守れている感覚」を感じられて、ちょっとラクになるかもしれません。 P85
「人間関係に「線を引く」レッスン 人生が楽になる「バウンダリー」の考え方」より引用
「1時間だけ・・・」といったように時間で「どこまでOKか」を決めるのです。
このやり方は自分に合っていると感じたので、以来、何かお願いされると即答せずに時間を見積もるようにしています。
完全に断るわけではないので、断りづらい性格の方にもおすすめの方法だと思います。
【結論】実践して感じたこと
とりあえず書籍を読んでから約半年間実践してみて、バウンダリーの中でも「時間」の部分については、ストレスが解消されたように感じています。
前述のように「〇分だけ」といったようなOKラインを定めて引き受けるので、相手からもそれほどイヤな顔をされず、適度な距離感を保ったコミュニケーションが取れているというのが実感です。
あとは考え方・価値観の部分でもバウンダリーを決めて、周りの意見に流されないようにしていきたいというのが目下の目標になっています。
小さなことを積み重ねて「線の引き方」のレベルアップを図りたいと思います。
まとめ
私立学校事務員を目指す方の中には、「民間企業より仕事も人間関係もラクそう」とイメージを持っている方も多いと思います。
しかし、前述のとおり調子を崩して休職する人は毎年のようにおり、話を聞くと人間関係が原因というケースが多いというのが私の実菅です。
もちろんすでに私立学校事務員として働いている人にとっても他人事ではありません。
心身ともに健康な状態を保って日々過ごせるように、バウンダリーの引き方を身につけておきましょう。
ただ、いきなりすべてのことに対してバウンダリーを設定することは難しいと思いますので、私のように何か一つだけでも決めてみるところから始めてみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。

