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実務38:【何事にも意味あり】気づきが大きかった保護者からのお叱り3選

学校事務員のお仕事(実務編)
jimmy
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この記事は以下のような人を対象としています。
・「保護者からお叱りを受けた時のいい対処法はないか」と思っている人

私立学校事務員の仕事をしていると、どうしても避けられないのが「保護者からのお叱り」。
私もこれまで、数えきれないほど受けてきました。

自分に責任があるものはもちろん、別の人に対するものや学校全体に対するものまで種類は様々です。

中には「そういわれても」というものもありますが、「保護者にはそういう印象を与えているのか」と気づかされるものもあります。

そうした私にとって何かしらの「気づき」を与えてくれたお叱りを3つピックアップしてご紹介します

その3つとは以下のとおりです。

  • 言葉の使い方
  • お金の使い方
  • お金の集め方

先述のとおり、保護者からのお叱りは避けられないもの。

ですので、その対処法として「どう活かすか」を考えるための参考として、この記事が皆様のお役立ちになれば幸いです。

【NGワード】言葉の使い方

これは私が大学で学納金業務を担当していた時の話です。

私の所属する部署に、保護者から一本の電話がかかってきました。
内容を聞くと、学納金を期日までに支払うことができないとのこと。

こちら側としては、その問い合わせをいただいた日が猶予できる最終限度の日であったため、これ以上の支払猶予はできない旨をお伝えしました。

しかし、相手は「とにかくもう少し待ってほしい」の一点張り、こちらも「すでに最初の支払期日から数カ月猶予している」などと説明し、両者一歩も譲らない状況が続きました。

そのやりとりの最中、私が発したある一言で相手の様子が一変しました

jimmy
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その一言が「死に物狂い」という言葉でした。

「他の保護者の方も家計が苦しい中、【死に物狂い】でお金を工面し、期日までにお支払いされている」という内容を話したと記憶しています。

私としては、「皆さん必死に頑張っているのに、あなただけを特別に猶予することはできない」ということを伝えたかったので、そのような言い方をしたわけです。

ところが、そうした意図が伝わらなかったようで、保護者の方はその言葉を聞くや否や激怒。
上の者に変われ」と電話越しに大きな声が響きます。

最初は、「私が学納金の担当ですので、私が話を聞きます」と対応しましたが、再び平行線をたどることとなったため、やむなく上席者に事の経緯を報告し、電話を代わっていただきました。

電話を代わってまもなく、上席者が電話を保留して私に尋ねます。

上席者
上席者

さっきの担当者に「死ね」と言われたって言ってるけど、そんなこと言った?

もちろんそんなこと言うはずがありません。

私の隣の席に座っていた事務員も「そんなこと言ってたら、さすがに受話器つかんで止めます」とフォローしてくださったので、私の無罪は証明されました。

その後、上席者と代わって相手も落ち着きを取り戻したのか、ようやく納得し、電話は終了しました。

このケースだけだと、たまたまその保護者にとって「死に物狂い」がNGワードだったと思う人もいるかもしれません。

ところが、そうではないのです
私と別の人が同様の経験をしていました。

その人は、経営相談を受けるお仕事をされている方でしたが、その相談を受けている際にこの「死に物狂い」という言葉を使ったそうです。

言葉を使った意図としては私と同じく「みんな必死に頑張っている」ということを伝えたかったようでしたが、相手は「私たちだって死に物狂いで頑張っているんだ」と激しい剣幕で言ってきたとのことでした。

この2つのエピソードから言えること、それは「死に物狂い=あなたは全然頑張っていないと解釈されることがあるということです。

jimmy
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それに気づいてから、私はこの言葉を使わないようにしたのはもちろんのこと、他の人と比較するような言い方もしないように心掛けています

その人にはその人の事情があるので、とにかくそこに焦点をあてて話を聞くように気をつけています。

【意外と見ている】お金の使い方

こちらにつきましても、2つエピソードを紹介させていただきます。

1つ目は先ほどと同じく、私が大学で学納金業務を担当していたときのお話です。

「期日までに学費を払うことができない」というご相談の電話から始まったという点も一緒です。
「払ってください」「払えません」のラリーが続き、どうしようかと思っていたところ、保護者の方から思いがけないことを言われました。

保護者
保護者

最近大学にエスカレーターが設置されましたけど、あんなの必要ですか。あんなもの作るお金があるのでしたら、もっと学費を安くできるんじゃないですか

確かに最近エスカレーターを整備しました。

それは、学生が校舎間を移動する際の不便を解消することや、バリアフリーの一環といった目的で整備したものです。

jimmy
jimmy

そもそも保護者が大学に来る機会もほとんどないので、大学内の様子がわからないのも仕方がないのかもしれません。

ただ、こちらとしては「学生の教育環境改善」という意識で取り組んだ事業でしたので、内心ショックでした

それと同時に、普段来ない保護者でもそういった大学で行われている工事などに注意をむけているということに驚きを感じました。

2つ目は、別の部署に所属する事務員の話です。

その部署では「事業報告書」という冊子を作成していました。
「事業報告書」は私立学校法で作成義務が定められているものです。

私立学校法 第百三条
2 学校法人は、毎会計年度終了後三月以内に、文部科学省令で定めるところにより、各会計年度に係る計算書類等(計算書類(貸借対照表及び収支計算書をいう。以下同じ。)及び事業報告書並びにこれらの附属明細書をいう。以下同じ。)を作成しなければならない

e-gov 法令検索より引用

この「事業報告書」を在籍する学生の保護者宛に発送したそうです

発送後、保護者から「こんなわざわざ立派な冊子にする必要あるんですか。こんなものを全学生分印刷するお金があるなら、学費もっと安くできるんじゃないですか」という問い合わせを受けたそうです。

jimmy
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確かに、いい紙を使っていたような記憶があります。

学生の学納金を納めているのは、ほとんど保護者の方です。

そうした「保護者目線でのお金の使い方を意識する」という気づきを与えてくれた2つのエピソードでした。

【不信感への入り口】お金の集め方

最後は、高校事務室でのエピソードです。

高校では、行事で使用する物品の購入や模試の受験料などに使用するお金を徴収するケースがあります。

jimmy
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「学習費」「学年費」など呼び方は学校によって様々なようです。
共通しているのは、授業料とは別の項目として金額を設定して徴収しているところになります。
以下の説明では便宜上「学習費」という言い方を使います。

この学習費の金額設定の仕方によって、徴収の問題が生じることになります

今の私の勤め先では、学習費で賄うものについて前年度のうちにおおまかな予定を立てて金額を設定しています。

ところが前の勤め先では、そのような計画を立てることなく、「昨年度も50,000円だったから今年も同じ金額で」のような設定の仕方をしていました。

その結果、無計画に学習費が使われることとなり、年度途中で不足が生じることに

残高不足のままにしておくわけにはいきませんので、臨時で徴収します。
「〇〇円振り込んでください」という案内を配布して振り込みを依頼しますが、その状況に納得がいかない保護者から連絡が入ります。

保護者
保護者

「年度途中で残高が足りなくなるなんておかしくありませんか。何か別の用途に使っているんじゃありませんか

当然ですが、学習費を私たちの給与に充てたりすることはありません。

しかし、保護者からすれば「足りなくなる」という事態が呑み込めず、不信感につながってしまったのです。

このケースでは、お金を使うのが教員、お金を徴収し残高を管理するのは事務員という役割分担がうまくいかなかったことも問題でした。

jimmy
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教員はなかなか請求書等を事務室に提出してくれないことが多いです。
そのため、リアルタイムに残高を把握することが困難なわけです。

この件を機に、教員へ「請求書、領収書の類はとにかくすぐに事務室へ提出を」と呼びかけて処理の滞留がないように一層努めるようになりました。

安易なお金の徴収は、不信感に直結する」という気づきを与えてくれた一件でした。

まとめ

保護者からのお叱りは、受けなくていいのであれば受けたくないものの1つです。

しかし前述のとおり、私立学校事務員として働く上で避けることができないものと考えた方がよいと思います。
そうなると、そのお叱りとどう向き合うかが大切になってくるわけです

そこで基本となるのが、「このお叱りにはどんな意味が隠れているか」という考え方。

事務員という学校の内側からの目線ではなく、保護者という外側からの目線からの気づきを見つけることが、これまでの経験から重要だと感じています。

それが、自分の働き方や業務の改善などにつながることもあるからです。

ただし、あまりに理不尽なお叱りにまで意味を見出そうとすると、心が病む恐れがありますので、そのあたりの取捨選択には気をつけましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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