
この記事は以下のような人を対象としています。
・私立学校事務員として働き始めたが、早速ミスをしてしまって落ち込んでいます。
新年度が始まり、早くも半月以上が経ちました。
新しい環境に慣れる間もなく、日々様々な仕事を経験しているのではないでしょうか。
そういった時に、どんなに慎重を期しても起こってしまうのが「仕事のミス」です。
特に、新入職員の方は失敗に対する免疫がまだまだできておらず、ミスを犯した際に必要以上に落ち込んだりしてしまいがちです。
そんな暗い気持ちに陥ってしまっている人に向けて、私が入職1年目の時に犯した数多くのミスの中から3つ紹介させていただきます。
その3つとは以下のとおりです。
- 規程違反で除籍処分
- 予算で大幅計上ミス
- 複合機を使用不能
学生生徒に直接関わるような大きなものから、日常業務における所属部署で起こした小さなものまでピックアップしてみました。
「これに比べたら自分のミスはまだまだ」とか「こんなしょうもないことをする人がいるのか」など感じていただき、励みにしていただければ幸いです。
【私が入職1年目に犯したミス①】規程違反で除籍処分
私は入職1年目に最初に担当した業務が、大学生の学納金管理業務でした。
同じ部署の事務員でも、他の事務員が担当している業務のことはわからないということはよくある話ですが、この業務は正にそのケース。
私の前の担当者が異動となり、私が引き継いだわけですが、上述のとおり疑問点等を周りの事務員に尋ねても解決に至らないということがしばしばありました。

前任者も異動先の業務で多忙な状況のため、聞くに聞けず、とりあえず前年度の資料等を確認しながら進めていたという状況でした。
そんな時、事件が起こりました。
ある日、「学納金のことで」と言って学生が私の部署に訪ねてきたのです。
私が話を伺うと、学費未納のため除籍になったとのこと。
「未納だけど何とかなりませんか」という相談かと思っていたところ、私が全く予想もしていないことを話し出しました。
その生徒が話した状況は以下のとおりです。
- 両親は別居しており、学生は母と暮らし、父は現在一人で暮らしている。
- 父が生徒本人と母に対し「学費は自分が払う」と言っていたので、生徒本人も母も学費は支払われているものと思っていた。
- 大学からの督促状は、父の住所にのみ届いており、学生と母は目にしていない。
- 母は、父が学費を支払えない場合に備えて、お金を準備していた。
一見すると、家族間のやりとりがうまくいっていないだけのように見えます。
ところが、ここに私の大きなミスが隠れています。

それは「督促状が父の住所にのみ届いている」という点です。
その大学の学納金に関する規程では、「督促状は本人と保証人に送る」旨が定められていました。
ところが上述のとおり、私は父親にしか督促状を送付していません。
督促状を発送するまでのプロセスを説明すると長くなりますので割愛しますが、私が担当するよりも前からずっと督促状は保証人にのみ送られている状況でした。
しかし経緯はどうであれ、規程違反なのは明確です。
しかも、その規程違反を他でもない学生から教えられることになるとは思っていませんでした。

大学の規程は学生もホームページから自由に閲覧できるので、今回の件の学生はその規程を見て、「あれ?」と思い、私のところへ来たのでした。
大学の中で「除籍」というものは大変重い処分です。
わかりやすい言い方をすると「学費払ってないから大学をクビにします」というようなもの。
私は自分のミスで、一人の学生を大学に通えなくさせてしまったのです。
上席者に事の次第を説明し、当該学生が所属する学部に上席者名で文書を提出。
その文書をもとに臨時で会議が開かれ、その会議を経て何とか当該学生の学籍を戻すことができました。

当然上司からは厳しく注意を受けました。
【私が入職1年目に犯したミス②】予算で大幅計上ミス
続いては、学校法人の経理・会計業務の中でも重要な予算に関する業務でのミスです。
ミス①のところでも触れましたが、私は学納金業務担当でした。
その関係で、予算の作成でも学納金関連の科目を担当することになりました。
新卒で入職した私にとっては「予算って何?」という状況です。
とりあえず、「学納金として大学に入ってくるお金がどれくらいかを見積もる」ということは理解し、早速作業を開始しました。
ところが、この作業が困難を極めました。 今までの担当者が予算を作成するために使用していたエクセルのデータが、私にとって複雑すぎて理解できないのです。

学生時代、レポートの作成でワードを使う程度で、エクセルの知識が乏しかったことも一因でした。
悪戦苦闘の結果、何とか作成したのですが、これが正しいのかいまいちわかりません。
それから月日が流れて、決算をむかえました。
そして決算業務が進む中、ある時上席者から突然呼ばれます。

〇〇さん。学納金が予算と決算で大幅に差異が生じているけど、どういうことですか。

え、いや・・・(そんなこと言われても・・・)。

こんなに大きな差異が生じているのに理由がわからないんですか。
そんなことでは、会議で報告ができないよ。

すいません・・・。

学校法人にとって予算は非常に大切のもの。
きちんと数値の根拠が説明できるようにしておきなさい。

・・・はい。
言い方はかなりマイルドの感じに置き換えましたが、こんなやり取りがありました。
今考えれば当たり前のことですが、当時の私は資料を作成することが精一杯だったので、数値の確認まで頭が回っていませんでした。

後にその時のエクセルデータを見たところ、きれいに入力漏れしている箇所が見つかりました。本当に凡ミスです。
当時の上席者が冷や汗をかきながら、決算の説明をしたことを思うと今でも申し訳ない気持ちになります。
ちなみにミス①の事例と同じ上席者です。
【教訓】
資料の作りっぱなしはNG。特に数字が関わるものは、必ずその数字の根拠を確認すべし。
【私が入職1年目に犯したミス③】複合機を使用不能
最後は本当に情けない失敗談です。
所属する部署に設置している複合機を使って、宛名ラベルを印刷しようとしました。
ラベルシートを複合機の用紙トレイに入れていざ印刷開始。
その直後、複合機から何やら嫌な音が聞こえてきました。
そこで電源を止めるなどすればよかったのですが、結局何もせずに、出てきたシートを回収すると一部シールがない箇所があることに気づきます。
何十枚もラベルシートを印刷しましたが、ほとんどの用紙がそんな状態です。

お気づきの方もおられると思いますが、複合機の中でシールが剥がれてしまっているわけです。おそらくセットの仕方が悪かったのでしょう。
当時の私は「手差し」という方法を知らなかったので、普段コピー用紙が入っているトレイにそのままラベルシートを入れて印刷をしていました。
「手差し」だと、用紙がまっすぐ複合機内を通過するという仕組みを知らなかったのです。
その結果、ラベルシートが複合機内で変形し、その影響で剥がれたシールが部品の動作を妨げてしまい、書類をプリントアウトできない状態に陥りました。
おかげで、私の部署では書類がプリントアウトできない状況に。
それもちょうど忙しい時期と重なり、部署内には嫌な空気も漂い始めます。
重ねて、その複合機のメンテナンス担当者も別件にかかっており、当日中の修理は不可という状況が、事態をさらに悪化させます。
私は他の人たちの顔を見ることができず、ただただ机の書類とにらめっこしていました。
【教訓】
機械でも何でも異常を察知したら、まず行動。傷が浅いうちに手を打つべし。
まとめ
記事を書きながら当時を思い出すと、今でも恥ずかしい思いに駆られます。
ただ、これ以外にも様々なミスをやらかしていますが、一応こうして20年以上私立学校事務員を続けられています。
もちろん、周りの人たちのフォロー等があってのものですが、ミスから学ぶ姿勢があることも大切です。
月並みな言葉ですが「なぜあんなことをしてしまったのだろう」ではなく「次からはどうすればよいのだろう」と考えるようにしましょう。
加えて、言い訳をせずに素直に謝ることを心掛けましょう。
そういった態度は周りの人にも伝わり、次にトラブルが起こった際には味方になってくれるということを私自身経験しています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【教訓】
「今までどおり」が正しいわけではない。初めて担当する業務は必ず規程を確認するべし。