

この記事は以下のような人を対象としています。
・「自分なりの答えを求められてもうまく答えられない」と悩む人

周りから意見やアイデアを求められているのに、自分らしい答えが考えつかないんだよなぁ。
仕事に取り組むなかでこんな悩みが頭に浮かんだことはありませんか。
- 業務に係る会議や打ちあわせ
- 研修でのグループワーク
- 上司や同僚、後輩からの相談
ルーティン業務の多い私立学校事務員の仕事においても、「自分なりの答え」を求められるケースは当然あります。

伝票のチェックや取引先への支払い、会計ソフトへの入力作業などを粛々とやっておけばいい、というような甘い話はありません。
少なくとも経理業務の効率化や勤め先の財政状況など、経理・会計業務担当者ならその担当の範囲内でアイデアやコメントを日ごろから準備しておくことが大切です。
ただ、そういった準備が必要と理解していても、何をどう準備しておけばよいかわからない。
そのため、冒頭のような悩みにぶつかってしまうわけです。
そこには、普段から情報を言語化せずに頭の中だけで整理したり、メモをしたとしても備忘録程度にしか活用できていないということが関係していると私は考えています。
したがって、メモを「考えるためのメモ」にするための方法を学んで実行することが、自分らしさのあるアウトプットを出すための準備として有効ではないかと思っているわけです。
そこで今回は、この「考えるためのメモ」に関する書籍に基づき、私が実際に取り組んでみて効果があったと感じたものを3つ紹介したいと思います。
その3つとは以下のとおりです。
- メモを3種類に分ける
- インプットメモの活用
- アウトプットメモの活用
メモを使い分けて活用することで、「何も思いつかない」といった悩みが軽減され、無駄な時間を過ごすことが少なくなり、仕事やプライベートの時間を充実させることができます。
参考にしていただければ幸いです。
書籍の紹介
書籍名:考える人のメモの技術
著者名:下地 寛也
出版社:ダイヤモンド社
発売日:2022年9月6日
【まずはここから】メモを3種類に分ける
「メモ」というと、
- 上司や保護者などが言ったことを記録する
- 会議に参加した際にどんなことが話し合われたかを記録する
など「記録」というイメージを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
もちろん、それも「メモ」の1つですが、その「記録」以外にもメモの目的はあるのです。
では、「記録」以外にどんな活用法があるのか。
書籍では以下のように紹介しています。
「でも、メモの使い道っていくつあるんだろう?」と考えたところ、大きく分けて次の3つという結論にたどり着きました。
「考える人のメモの技術」より引用
①記録する使い道
②情報を集める使い道
③考えるための使い道 P39
①は文字どおり「記録」です。
ポイントとなるのは②と③になります。
書籍ではこれら①から③に次のようなネーミングをつけています。
①記録メモ
②インプットメモ
③アウトプットメモ

今回の記事でも、これ以降はこの呼び方を使うことにします。
つまり、
②インプットメモ+③アウトプットメモ=考えるためのメモ
というイメージだと私は理解しています。
- メモは3種類ある
- そのうち「記録メモ」は、意識しなくても普段からよく使うので一旦置いておく
- そして「インプットメモ」と「アウトプットメモ」を積極的に作成することで、自分らしい答えにつながる「考えるためのメモ」ができあがる。
この3点をまずは頭の中で整理したうえで、日々メモと向き合うことが「考えるためのメモ」作りの第一歩になりますのでチェックしておきましょう。
そのうえで次からは、具体的にインプットメモとアウトプットメモの中身について紹介していきたいと思います。
【思いを書く】インプットメモの活用
まずは、インプットメモからです。
書籍の言葉を引用します。
インプットメモは自分の情報感度に引っかかる情報をすくい上げる。そこから気づきを得て、アウトプットに使うヒントをストックする。もしくは自分の考え方をアップデートするのが主な目的です。 P43
「考える人のメモの技術」より引用
インプットメモ≒「自分らしい答え」を導き出すための材料集め
と、ここでは理解しておきましょう。
ではそのインプットメモ、どのようにとればよいのでしょうか。
書籍にそのポイントが書いてありましたので引用します。
では知識を血肉化するためのインプットメモをどのようにとるのかというと、次の3つを実行してみてください。
「考える人のメモの技術」より引用
インプットメモ ポイント①メモの基準を持つ
インプットメモ ポイント②箇条書きで抜き書きする
インプットメモ ポイント③気づきを加える P61-62
これらポイント①から③について、それぞれ見ていきたいと思います。
ポイント①メモの基準を持つ

そうは言っても、何をメモしたらいいかわからないよ。
インプットメモに取り掛かってみよう、と思ってもこんな疑問にぶつかってしまうという人もいると思います。

私もインプットメモをやってみようと思った当初、あれも必要かも、これも必要かもといった感じで情報を絞り切れませんでした。
そこで重要なのが「メモの基準」になるわけです。
書籍ではその基準として以下のものを挙げています。
「考える人のメモの技術」より引用
- 自分の専門性を高めるのに「活用したい情報(タテの棒)」の視点
- 直接的には仕事に関係のないことでも、興味の幅を広げることにつながる「面白いと感じる情報(ヨコの棒)」の視点 P71
この視点に基づいた私の基準の一部を以下に紹介します。
- 経理・会計(タテ)
決算書の見方、経理業務のAI化、初心者でもわかる会計知識etc - 健康(ヨコ)
HIITトレーニング、食べてはいけないもの、質のいい睡眠etc
こうした内容をメモのトップページに書いておき、見返すようにしています。
ちなみにメモ用のノートですが、私は以前の記事で紹介しましたとおり、手帳のノート欄を使っています。
ちなみに書籍では「測量野帳」というメモ帳をすすめています。

私も試しに購入しましたが、携帯性に優れており、中のノート部分が私の好きな方眼罫となっていたため、書きやすかったという印象です。
私の場合は手帳のカレンダー欄もあわせて使いたかったので、今は測量野帳を使っていませんが、メモ帳としておすすめできます。
ポイント②箇条書きで抜き書きする
次は書き方です。
これも書籍の言葉を引用します。
インプットメモの場合は、短い一行程度の箇条書きを基本とするのがいいと思います。
「考える人のメモの技術」より引用
その理由は、
・情報を素早く迷わず書ける
・情報の本質をしっかりつかめる P88
これも実際に私が書いたものを例にすると、
- 「貸借対照表 図表化」→×
- 「一番大きな数字を100とした縮尺図で貸借対照表を作る」→〇
といった感じになります。

前者だと後で見た際に「なんだったっけ?」となってしまいました。
「記録メモ」のようにしっかり書く必要はないと思いますが、後々のことを意識してメモするようにしましょう。
ポイント③気づきを加える
書籍の言葉を引用します。
得られた情報のあとに、
「考える人のメモの技術」より引用
・自分が思ったこと
・自分が感じたこと
を気づきとして加えると、情報は自分ごととして取り込まれます。 P112
この「気づきを書く」がインプットメモの中で最も重要なポイントだと私は思っています。
正直なところ、「情報+気づき」だけでも十分に「自分らしい答え」になっているのではないかと思っているほどです。
先ほどの箇条書きのところで使った例だと、
- 一番大きな数字を100とした縮尺図で貸借対照表を作る
→数字が少なくすっきりしていて、会計初心者でも苦手意識なく貸借対照表が理解できそう。
という気づきを加えてメモしています。
この「情報+気づき」をセットで書くことは、「自分らしい答え」を導き出すいい訓練になると実感していますので、習慣化を目指してはいかがでしょうか。
【とにかく書く】アウトプットメモの活用
インプットメモで情報をストックしたら、それをいかにアウトプットに結び付けるかが次のステップになります。
そのアウトプットメモのポイントを書籍では以下のように紹介しています。
アウトプットメモのポイントは3つです。
「考える人のメモの技術」より引用
アウトプットメモ ポイント①現状を全て見える化する
アウトプットメモ ポイント②自分の視点で課題を整理する
アウトプットメモ ポイント③打ち手を構造化する P144
このアウトプットメモについては、ポイント①から③の解説は省略して、具体的な書き方だけ紹介していきたいと思います。

ポイント①から③で大切なのは、とにかく思いついたことをすべて書き出すということです。
書き方は以下のとおりです。
アウトプットメモはA4ヨコ使いがベストです。これは文字がヨコ書きで左から右へと思考を広げられるからです。ざっくり言うと左から、
「考える人のメモの技術」より引用
現状→課題→打ち手
の順番で書き進めていきます。 P152
また、書籍ではこれを「ノート3分法」として紹介しています。
いったん用紙を3分割して、
「考える人のメモの技術」より引用
左1/3に「現状」、
真ん中1/3に「課題」、
右1/3に「打ち手」
を書きます。 P160

私はA4ノートではなく、学校で大量に余っているA4サイズの「わら半紙」を三等分して使っています。
会議や学内研修のときは、わら半紙を数枚持って参加しています。
裏紙でもいいと思いますので、身近にあるものを使ってさっそく会議や打ち合わせで取り組んでみることをおすすめします。
【結論】実際にやってみて実感したこと
記事を読んでいただくと気づくかもしれませんが、私はもっぱらインプットメモに力を入れて取り組んでいます。
理由としては「情報+気づき」を書くことが思った以上に楽しいからです。
私自身、会議等で発言することが苦手です。
それは私のなかで「自分らしい考え=他の人では思いつかないようなこと」という思い込みがあったからだと思います。
これだとハードルが相当高いわけです。
しかし、この書籍を読み「情報+気づき」が言えたらそれで充分「自分らしい」のではと思えるようになりました。
今では、意見などを求められることに前ほどのプレッシャーを感じなくなったように実感しています。
まだしばらくはインプットメモの方に比重を置いて取り組んでいきたいと思っています。
まとめ
私のように「自分らしい考え」のハードルを自分自身で上げてしまっている人もおられるのではないでしょうか。
そんな人には特に、今回紹介したメモ活用法のなかでも「インプットメモ」に注力してみることをおすすめします。
まずは「記録メモ」だけの状況から脱却し、インプットメモに取り組んでみる。
そして、ゆくゆくはアウトプットメモに挑戦してみる。
そうやって、ルーティン業務だけ黙々とこなすだけでなく「自分の意見」も言える私立学校事務員を一緒に目指していきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。