

この記事は以下のような人を対象としています。
・「学び」の必要性を感じているけど、「面倒くさいなぁ」と思っている人
皆さんのなかには、

本当は学びたいのに、学べない。
とか、

学びを始めようと思っても、後回しにしてしまう。
などと思ったことがある方、おられるのではないでしょうか。
- いつもどおりのルーティン業務ばかりの仕事
- 朝起きてから就寝するまでほぼ変わらない1日
- 急激な変化があまりない職場(学校)
私立学校事務員として仕事に従事していると、どうしてもこのような環境に慣れてしまい、意識的に「学ぼう」という気持ちが生まれにくいように感じています。

そういう私も、民間企業にお勤めの方からすれば「学ぼう」という意識が低く見えるのかもしれませんが。
ただ、冒頭のように「学ばないと」という思い自体は頭の片隅でくすぶっている。
そんな人も少なからずいるというのも事実です。
では、なぜその「学び」への第一歩が踏み出せないのか。
そこには「学びのOS」というものが関係していると思います。
「学びのOS」が古いままのため、時代に合わなくなっているのです。
そこで今回は、その「学びのOS」をアップデートするための方法を、書籍に基づきながら紹介したいと思います。
具体的なステップは以下のとおりです。
「学びをやめない生き方入門」より加工して引用
- 学びの「思い込み」から自由になる
- 「望ましい学び」を目指す
私自身も一応、読書の習慣化や資格の取得など、自分なりに「学び」をこれまで継続してきたつもりです。
そういった私の経験も交えながら、進めていきます。
「学びのOS」が更新できれば、「本当は学びたいのに、学べない」という状態から一歩抜け出し、仕事やプライベートをより充実した気持ちで過ごせるようになります。
参考にしていただければ幸いです。
書籍の紹介
書籍名:学びをやめない生き方入門
著者名:中原 淳/パーソル総合研究所/ベネッセ教育総合研究所
出版社:テオリア
発売日:2025年8月6日
【定義の確認】そもそも「学びのOS」ってなに?
本題に入る前に、まずは「学びのOS」とは何かということを皆さんと共有したいと思います。
書籍の解説を引用します。
ここでいう「学びのOS」とは、次の2つを指しています。
「学びをやめない生き方入門」より引用
[「学びのOS」の2つの要素]
①「学びとはどのようなものなのか?」という「学びに対するものの見方」
②「実際にどのように学べばいいのか?」という「学びの方法」 P27
私が接してきた人たちの傾向からすると、②の方を意識する人が多いように思いますが、①の方が学びを始めるうえでのネックになっている印象があります。

同僚と「学ぶ」という話題で話をすると、「〇〇の本を読む」とか「△△の講座を受講する」といった内容がメインになりがちですよね。
ただ、①と②は自動車の両輪のようなものなので、どちらかだけ新しくしてもあまり効果はないと思います。
そこで以降では、①②それぞれのアップデート方法について見ていきたいと思います。
【あなたはどれに当てはまる?】7つの「学び」に関するバイアス
まずは、学びに対するものの見方についてです。
書籍では調査結果に基づき、人には7つの「学び」に関するバイアスがあると紹介しています。
その7つとは以下のとおりです。
新人バイアス―「学び=若い人・新人のもの」という思い込み
「学びをやめない生き方入門」より加工して引用
学校バイアス―「学ぶなら学校や教育機関で」という思い込み
現場バイアス―「座学はムダ、経験こそがすべて」という思い込み
地頭バイアス―「知能がないと学べない」という思い込み
自信の欠如バイアス―「自分は学びに向いていない」という思い込み
現状維持バイアス―「いまのままで十分」という思い込み
タイパバイアス―「できるだけ効率よく学ぶべき」という思い込み
これも、私の経験則ですが、私立学校事務員の人は特に「現状維持バイアス」を持っている人が多いように感じます。
理由は、
- 仕事がルーティン業務メイン=前例踏襲でやれば問題なし
- 勤め先が安定的=今までどおりやれば「学校はつぶれない」という意識
というところが関係しているように思います。
だから、そもそも「学びの必要性」を感じにくく、感じていても「学びの緊急性」までは感じていないというのが、私の実感です。
書籍でも、この現状維持バイアスの問題を以下のように指摘しています。
現状維持とは「変化しないこと」ではなく、「徐々に取り残されること」です。
「学びをやめない生き方入門」より引用
いまの時点でうまくいっているからといって、未来も同じとはかぎらない。
新しいスキルを学ぶことは、将来の選択肢を増やすことにもつながります P42
私も正直なところ、新卒で私立学校事務員として働きだしたときは現状維持バイアスを持っていました。

将来の安定性重視で就職活動していたのを思い出します。
そのバイアスが解けたきっかけが、とある私立学校関係団体の職員の働き方を見たことでした。
詳しくは述べませんが、その人たちの言動から

この人たち、絶対自分の勤め先がつぶれるかもという危機感を持ってないんだろうなぁ。
と感じたのです。
それと同時に、

民間企業に勤めている人から見れば、私立学校事務員もこんな風に見えているのだろうか。
と思いました。
そこでなんとなく「このままではだめだ」と思い、まずは仕事に関連する本を読む習慣づくりから始めたのです。
こんな感じで、まずは自分のバイアスに気づくことが重要だと書籍でも述べられています。
皆さんも、自分がどのバイアスを持っているかチェックしてみましょう。
【自分に合った学びを】5つの「望ましい学び」
自分の持っているバイアスに気づいたら、次は「学びの方法」をアップデートしてみましょう。
「学びの方法」は、すでにうまく学びができている人のやり方を取り入れることが有用と書籍では紹介されています。
具体的には以下の5つが挙げられています。
①共習する―周囲を巻き込みながら学べているか?
「学びをやめない生き方入門」より引用
②ゆるく続ける―無理なくコツコツ学べているか?
③ミーハーする―新しいものにあえて飛びついているか?
④逆境する―困難や失敗から学べているか?
⑤学び結ぶ―学び同士を橋渡ししているか? P101
この①から⑤のなかで、すでに私が実践していて、効果を感じているのが②と⑤です。
まず②の方ですが、「ゆるく」というのがポイントです。
書籍でも以下のように述べています。
継続の本質は、「毎日欠かさず続けられるかどうか」ではなく、「やめてしまっても、もう一度はじめられるかどうか」である P121
「学びをやめない生き方入門」より引用
繁忙期などは「学び」に手が回らないことがあります。

決算期はどうしても疲れてしまって、やる気がでなかったですね。
そんなときも「さぁ、仕切り直しだ」と頭を切り替えて、もう一度チャレンジしていました。
あと書籍では達成目標にランクを設ける方法をすすめていました。
松の目標-目安を上回る「最高の成果」
「学びをやめない生き方入門」より引用
竹の目標-できれば達成したい「理想の成果」
梅の目標-少しのがんばりで達成できる「まずまずの成果」
草の目標-がんばらなくても必ず達成できる「小さな成果」 P122
どれかを達成すればOKと自分のなかでルールを決めておくわけです。
これも私の経験から効果ありと実感しています。
読書の場合、「とりあえず1ページだけでも」という感じで継続していました。
資格の勉強でも「今日は動画視聴だけでOK」のように取りかかるハードルの低いものから手をつけていました。
そのうち「あれ?今日、読書していないor資格の勉強していない」みたいな気持ちになり落ち着かなくなります。
こうなれば続けるのは簡単です。
継続力については別のところで記事にしていますので、そちらもご参照ください。
あと⑤はまさしく今行っているブログです。
仕事や本で学んだことが整理できて、非常に学びに効果があると感じています。

読者の皆さまにとっても有益な記事になっていれば幸いです。
①から⑤で自分に合うものを探して始めてみてはいかがでしょうか。
【結論】読んでみて感じたこと&やってみたいこと
この書籍を読む前から取り組んでいたことが、「学びのOSのアップデート」につながっていたということがわかり、安心しています。
思い込みについては「現状維持バイアス」しか今まで意識してこなかったのですが、あらためて見ると「現場バイアス」や「タイパバイアス」の傾向もあると感じています。
この思い込みも解消できるように、「座学と実務経験」「経験と効率」のバランスを考えながら、どちらかに偏重しないようにしていきたいところです。
学び方も「ミーハーになる」は実践できていないのですが面白そうなので、早速生徒に「今はまっているもの」や「流行っているもの」を聞いてみて、それを実際にやってみようと思っています。
まとめ
この記事を書いている2025年は、短期大学や女子大学の募集停止のニュースを耳にする機会が多かったように感じています。
これからも学校運営にとって厳しい状況が続くことが予想されます。
そんな「いつかは勤め先が募集停止になるかも」という危機感を持っている私立学校事務員の人も多いのではないでしょうか。
そんな危機感や不安を解消するために「学び」に取り組んで自分をアップデートすることが大切と理解しながら、あと一歩踏み出せない人たちへの一助にこの記事がなれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。


