
この記事の内容は、以下のとおりです。
・私立高校の入学試験の際に、事務員が行う仕事を時系列に紹介
2月は入学試験のシーズンです。
読者の方も、一度は受験を経験されたのではないでしょうか。
そこで、受験生という立場では見ることができない、入学試験の裏側を紹介させていただきます。
試験前から試験後まで事務員はどんな業務をしているのか、これから事務員を目指す方や事務員として働く予定の方の参考になればと思います。
私が勤めた高校での経験に基づく内容です。高校によって違いがあることはご容赦ください。
【試験前日】
試験前日に行う業務の主なものは以下のとおりです。
- 掃除
- 机、椅子の移動
- 会場設営(受験番号貼付等)
- 中学校、受験生宛書類の準備(宛名印字等)
- 掲示物、立て看板の設置
これら準備のため、生徒は午前中に授業を終えて帰宅し、その後教職員で準備にかかります。
大きな傷がある机や安定の悪い椅子をあらかじめ確認しておき、試験実施に支障のないものと入れ替えながら会場設営を進めます。

蛍光灯が切れているにもかかわらず、取り替えずにそのまま放置している教室が多数あることが、このタイミングで判明する場合があります。
蛍光灯の在庫がなく、あたふたします。
教員が試験問題の最終確認を行い、全ての準備終了後、教職員全員で今後の予定等の確認のために打ち合わせを行います。
夕方ごろには終了し、その日は解散します。
【試験当日】
「当日朝~試験開始まで」「試験開始~試験終了まで」「試験終了後」にわけて紹介します。
朝~試験開始まで
試験開始までに行う業務の主なものは以下のとおりです。
- 打ち合わせ
- 受験生、引率者の案内
- 通学路途中の道案内
- 駐車場整理(駐車場がある場合)
- 試験問題の準備
当日朝7:30頃には教職員全員出勤し、試験当日の打ち合わせを行います。
天候や公共交通機関の運行状況の確認、注意事項の再確認などが主な内容です。
打ち合わせが終わると、各自担当の業務につきます。
事務員は受験生や引率者の案内にあたることが多いですが、加えて事務室に待機して電話対応も担当します。
滅多にないケースですが、受験票を忘れてくる受験生がいます。その場合の受験票再発行も事務員が担当である場合が多いです。
試験開始~試験終了まで
この間、事務員は特にすることはありません。
受験生が多い場合、試験監督補助として教員と一緒に受験会場へ行くこともありますが、ケースとしては稀です。
生徒もおらず、入学試験日とわかっているためか外部からの問い合わせもほとんどないため、日常業務をここぞとばかりに処理します。

以前に勤めていた高校では、教職員の昼食用として弁当を注文していました。
この弁当が試験中の時間帯に届くのですが、届いた弁当に教員の名前を印字したラベルを貼っていました。
なんでも、一人で複数の弁当をとる教員がいたとのことです。
私には理解できませんでした。
試験終了~
試験終了後に行う業務の主なものは以下のとおりです。
- 合否結果のデータ入力
- 合格通知等の封入
- 立て看板等の撤去
- 教室の復旧
各教科の試験が終わるごとに、教員は採点にかかります。
ここで事務員が加わることはありません。採点終了まで事務室で待機です。
このあたりで、日常業務も処理し尽くしてしまうことが多いです。
採点が全て終了すると、合格・不合格について検討する会議が行われますが、これも教員が中心のため、事務員はかかわりません。
会議が早く終わることをただ待ち続けます。

これも以前の勤め先の話ですが、事務室の隣の部屋でこの会議が行われていました。
ただでさえ長い会議にもかかわらず、時折笑い声が聞こえてくることがあり、「笑っている暇があるなら会議を早く終わらせてくれ」と不愉快な気分になっていました。
会議終了後、教職員全員で集まり、結果を共有します。
結果が確定すると、合格・不合格者がわかる資料をもとに、入学予定者のデータを作成します。
そのデータをもとに合格通知等を作成します。
その後、合格通知等の封入作業を行いますが、受験生が多い場合、会議に時間がかかるため、この作業が夜遅くに行われることがあります。
絶対に入れ間違いがあってはならない集中力を要する作業にも関わらず、夜分という最も集中力が落ちる時間帯に行うため、その疲労感はかなりの強さです。
なお、作業が遅くなりすぎて郵便局で受け付けてもらえず、入学試験当日の発送ができなかったこともあります。
当然、終電にも間に合わないため、タクシーで帰宅します。高校を出発する時点で日付をまたいでいることもしばしば経験しました。
【試験翌日以降】
私が勤めてきた高校では、掲示による合格発表をしていませんでした。高校によっては行っているところもある様子です。
あとは、入学手続の締切日まで入学金の入金状況を毎日チェックします。
専願の合格者全員の入金が確認できるまで、不安な気持ちになります。
【参考】入試手当の支給
入学試験が実施される月に「入試手当」が普段の給料にプラスして支給されます。
高校によっては、試験問題を作成した教員には「入試作問手当」が支給される場合があります。
ここでいつも話題になるのが、「入学試験当日、休んだ教職員は入試手当をもらえないのか」ということです。
結論から申しあげると、私が勤めてきた高校ではケースバイケースでした。
以前に勤めていた高校では、入試手当は入学試験当日だけではなく、それまでの生徒募集活動も含めた業務に対して支給されるものとされていました。
一方、今の勤めている高校では、入学試験当日を欠勤した者には支給されない場合があります。
高校の給与規程には特段の定めがありませんので、その都度、校長や事務長が話し合って決定しています。
皆さんが勤める予定の高校は、どのような取扱いになっているか、確認してみてはいかがでしょうか。 すでにお勤めの方は、こんな高校もあるのかとご参考にしていただければと思います。
まとめ
入学試験は民間企業にはない、学校特有のイベントです。
早朝から深夜まで拘束されることもありますが、高校に勤めることで経験できる貴重な体験と思いながら、業務にあたっています。
その入学試験の舞台裏がどのような様子になっているかを理解する一助になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。