
この記事は、こんな人を対象としています。
・私立高校の事務員になる予定の方または目指している方
・私立高校の事務員の仕事に興味のある方
・私立高校に現在事務員としてお勤めで、他校のことが気になる方
前回の記事に引き続き、私の経験をもとに高校事務室で働くうえで「良かった点」「不満を感じた点」を紹介します。
前回とは、規模や立地状況などが異なる高校での勤務体験をベースとした内容となっております。
私立高校でのお仕事を理解するための情報としてお役立ていただければと思います。
【比較用】私の勤めてきた高校の状況
前回の記事にも掲載しましたが、確認のために、私が勤めた2つの高校の違いを表にしたものを再掲します。
項目 | A高校 | B高校 |
生徒数(全校生徒数) | 約1,000人 | 約300人 |
高校の種類 | 全日制 共学(男子の方が多い) | 全日制 共学(女子の方が多い) |
学校法人と高校の位置関係 | 同一都道府県 | 別都道府県 |
事務員数(正規・非正規合計) | 6名 | 3名 |
立地 | 最寄り駅から徒歩約5分 都市型 | 最寄り駅から徒歩約15分 郊外型 |
教育活動収入 | 約10億円 | 約3.5億円 |
今回の記事では、B高校で働いた際に感じた良かった点・不満に感じた点についてそれぞれ3つずつ紹介します。
【結論】B高校で働くうえで良かった点、不満に感じた点
先に結論のポイントのみ、表にまとめておきます。
良かった点 | 不満に感じた点 |
生徒との距離の近さ | 人員の不足 |
業務への集中のしやすさ | 安心・安全な通勤 |
仕事の自由度・裁量度の高さ | 施設設備の乏しさ |
【良かった点その1】生徒との距離の近さ
300人程度の生徒数であれば、生徒の顔や様子をよく見ることができます。
そのため顔と名前を覚えやすく、生徒とのコミュニケーションもとりやすくなります。
その影響もあり、A高校では生徒から名前で呼ばれることはありませんでしたが、B高校では生徒から名前で呼ばれることがあります。

たまに、呼び捨てで呼んでくることもありますが。
A高校のような「にぎわい」はあまり感じませんが、B高校のような生徒との「ふれあい」も私にとっては仕事のモチベーションにつながりました。
【よかった点その2】業務への集中のしやすさ
生徒数だけでなく、男女構成や立地も関係しているかもしれませんが、B高校では業務を中断せざるを得ないような事態を発生させる生徒はいません。
あわせて外部からの連絡も少ないため、日常業務を自分のペースで進めることができ、ストレスをあまり感じることがありません。
仕事をするうえで「ストレスの少ない職場」という点は大変重要です。
「小規模」「郊外型」の2点は、私立高校で働く際にチェックすべきポイントとしてぜひ意識してみてください。
【よかった点その3】仕事の自由度・裁量度の高さ
これはA高校の不満のところで紹介しましたが、法人本部との関係性によるものです。
B高校とその法人本部は、位置的にかなり離れているため、あらゆる決裁権が高校に与えられています。
お金の決裁権の例でいうと、B高校は500万円までの案件であれば事務長の決裁で進めることができます。

要するに、工事をしたり物品を購入したりする際の金額が500万円までであれば、事務長が「いいよ」といえば、進めることができるということです。
預金口座の開設や管理も高校に任されており、予算執行の決定から取引先への支払いまでスムーズに行うことができます。
また、補助金の申請でも同様に「この補助金に申請してはどうか」という提案をしてから実際に申請に至るまで、スピード感を持って対応することができます。
これがA高校の場合「まずこの会議にかけて、そのあとはこの会議に」といった煩わしい手続きを経なくてはなりませんでした。
これらも前述の「ストレスの少ない職場」につながるため、仕事をするうえで重視すべき点と実感しています。
【不満に感じた点その1】人員の不足
生徒数が少ないため、事務員もそれに見合った人数になります。
上述の表にありますとおり、B高校は3人しか事務員がいませんので、業務の割り振りが難しいです。

ちなみにB高校は事務長が日常業務を一部担当しています。
決裁権のある人に任せるのはよくないとはわかっているのですが・・・。
誰かの業務を別の誰かでカバーできるような体制にする必要があると認識はしていますが、退職などもあり、うまく機能していないというのが現状です。
加えて、日常の電話対応などでも問題が発生します。
何らかの用事等で1人休むと、2人体制になってしまいます。
そうなると1人が電話対応、もう1人が窓口対応にあたった場合、あとは何もできなくなります。
実際何度もそのような状況になり、事務室に電話が鳴り続けるという状況を何度も味わいました。
サービス低下にもつながる恐れがあるため、「もっと人がいれば」と不満に思う瞬間です。
【不満に感じた点その2】安心・安全な通勤
前回の記事でも紹介した、私が考える「公共交通機関を利用した通勤で重要なポイント」を再掲します。
- 最寄り駅から近い
- 最寄り駅がターミナル駅から近い
- 最寄り駅を発着する電車の本数が多い
- 学校からの最寄り駅が複数ある
これらを踏まえたうえで不満をあげると「交通機関に関する不満」と「通学路に関する不満」の2つがあります。
どちらにも共通している点が「自然災害」です。
B高校は「郊外型」の立地であるため、最寄り駅に発着する電車の本数が少なく、また学校の最寄り駅が1つしかなく、ターミナル駅からも離れています。
そのため、ひとたびその路線が止まってしまった場合、代替手段がなくなります。
止まる前に帰ろうとしても本数が少なく、次の電車を待っている間に止まってしまうこともあります。
A高校ではそのようなことを意識せずに通勤していたため、B高校に転職する際には全く気にしていませんでしたが、これは働くうえで大変重要なポイントです。
土地柄もあり、B高校では年に1度はこのような事態に見舞われます。
自家用車通勤をする教職員に助けていただき何とか乗り越えていますが、想定外の災害が発生する昨今では切実な問題です。
また、この問題は通学路でも発生します。
通学路の途中の道が自然災害で通行できなくなることがあります。
「駅から15分程度」と聞くとそれほど遠くない印象を受けるかもしれませんが、距離が長くなればなるほどこのリスクは高まるため、最寄り駅からの距離も意識した方がよいと思います。
【不満に感じた点その3】施設設備の乏しさ
やはり規模が小さいと、資金面で大きな制限を受けます。
一般的な高校にはあってB高校にはないものがいくつかあります。
例えば、食堂とエレベーターがありません。
食堂は採算性、エレベーターは設置するための工事費用とそれを維持するための費用の面で整備することが困難な状況です。

食堂については、代わりにオフィスコンビニのようなものを導入しようと、サービス提供会社に連絡しましたが「対応エリア外」という寂しい回答でした。
また、最近の夏の酷暑に対応するため、体育館に空調を設置したいと考え、工事会社に費用を見積もっていただきましたが、手が出せる金額ではありませんでした。
教室の照明のLED化も同様です。
老朽化が進み、対応が必要な状況ですが、一度に全ての教室をLED化する資金がないため、毎年何教室ずつかに分けて工事を実施しています。
A高校の良いところでも書きましたが、資金面による選択肢の制限は担当者にとって頭を悩ます問題です。
そういった制限があることを理解して、業務を進める必要があります。
まとめ
「私立高校事務員の仕事」と一口に言っても、高校の様子によって様々な良いところ、不満に感じるところがあるという1つの例として参考にしていただければ幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。