
この記事は以下のような人を対象としています。
・学園祭の日って、私立学校事務員の人は一体何をしているんだろうと思っている人
9月に入ると、高校では2学期が始まり、大学も後期の授業が始まります。
そんな2学期や後期に多くの学校で催されるのが「学園祭」
実際、今の勤め先も含めてこれまで私が働いてきた学校では、このタイミングに実施していました。
高校生までは基本的に全員参加で行われる学園祭ですが、大学生になるとクラブやサークルなど一部の有志たちによるイベントといった色が濃くなる印象があります。

大学生のころの私は、完全に「休日」だと考えていました。
事務員も同様で、大学の場合だと学生課など課外活動をとりまとめる部署がメインで携わり、その他の部署の事務員はほぼノータッチというのがよくあるパターンです。

さすがに学生時代の私のように「休みだ」と思っている事務員はいませんでしたが。
そこで今回は、学園祭時における事務員の勤務の様子や学園祭に関わる会計のこと、そして学園祭にまつわるエピソードについて紹介したいと思います。
私立学校事務員の仕事を理解するための参考になれば幸いです。
【基本的に】学園祭時における事務員の業務
そもそも、学園祭時に事務員は何をしているのでしょうか。
私の経験上では、「通常業務」を行っているケースが最も多かったように思います。

私の場合、普段どおり会計ソフトに伝票入力をしたり、旅費の申請書類をチェックしたりといった感じですね。
そして昼休みなど休憩の合間を縫って、模擬店で買い物したり、パフォーマンスを見に行ったりするわけです。
ただ、以前勤務していた高校では生徒と一緒に来校者の受付を担当することもありました。
昔働いていた教職員などが来校することがあり、そうした「生徒とあまり馴染みのない人」の対応は事務員が行うといったかたちをとっていました。
あと、今の勤め先でほぼ毎年発生するのが「ブレーカー問題」
敷地が狭いため、各教室で模擬店を開いているのですが、ホットプレートなどの調理器具を使用するタイミングが重なると、すぐにブレーカーがとんでしまいます。

建物が古いからか、使用できる電力の上限が低いんです。
教員は基本的にブレーカーの場所などを把握していないため、ブレーカーが落ちると私のところに連絡がきます。
そして、私が復旧に行く。
そんな業務もあります。
調理を家庭科室に集約して教室では販売のみで行うなど、いろいろ対応は試みているようですが、なかなかうまくいかず、現在に至っている状況です。
こうしたちょっとした学園祭関連業務は発生することがありますが、ほとんどの場合において普段と変わらず、日常業務を粛々と行うのが一般的な学園祭時の事務員の様子になります。
【チェック必須】学園祭に関する会計
学園祭は学生生徒から徴収したお金を主として運営されています。
高校などでは「生徒会費」、大学では「学友会費」などの名目で授業料などとは区分されて徴収されるのが一般的です。
本来が「生徒会」なり「学友会」なりの団体が徴収すべきものを学校が代理で徴収するかたちになりますので、学校側としては「預り金」として会計処理をします。

PTA会費などと同じですね。
学校が団体の代わりに「預かっている」というイメージです。
そのようなお金は「周辺会計」と呼ばれ、学校本体の会計とは分けて管理されます。
周辺会計についてはこちらの記事もご覧ください。
関連記事でも解説しましたが、この周辺会計はとにかく不正が発生しやすい。
学校本体の会計と比べて、チェックの目が届きにくくなっていることが多いからです。
従って、この学園祭に関するお金も適切な管理が必要になります。
- 模擬店や学園祭全体にかかる収支報告などの作成
- 会計士による定期的な監査の実施
といった体制をとるようにしましょう。

私の今の勤め先では、模擬店の売上を教員が引き出しにしまったままにしていて数年後に発見されたということがあったそうです。
売上の処理などは毎年発生するものなので、事務員からも声をかけるなどミスが発生しない仕組みを作っておく方がよいと思います。
【そんな人いるの?】学園祭にまつわる事務員エピソード3選
ここからは、学園祭の時に私が「え?」と思ってしまった事務員の行動を3つ紹介したいと思います。
その3つとは以下のとおりです。
- 景品の独り占め
- ビンゴゲーム
- 模擬店飲食物への注意
せっかくの学園祭、学生生徒の頑張りを見つつ、自分たちも楽しみたいという気持ちを事務員の多くは持っています。
ただ、そんな気持ちが思いもよらない言動につながる事務員がいたりするわけです。
そんなちょっぴり残念な事務員にまつわるエピソードになります。
【やめてあげて】景品の独り占め
これは以前の勤め先にいた事務員の話です。
その学校の学園祭では、学園祭を運営する団体の本部に「あるもの」を提出すると景品がもらえるシステムになっていました。

詳しい仕組みを書くと、どこの学校かわかってしまうかもしれませんので、これ以上の詳細は控えさせていただきます。
主に学園祭に来られた子どもをターゲットにした企画だったため、事務員は手を出さないというのが暗黙のルールでした。
ところが、事務員の一人がその「あるもの」を集めて、本部に持っていくということが起こりました。
それも、一度ではなく何度も持参して景品をゲットしていくのです。
今までそんなことはなかったので、学生側は困惑。
困り果ててついには、学園祭を担当する部署へ相談にやってきました。

相談を受けた事務員も当然驚きます。
そんなこと今まで起きたことがないわけですから。
学生からその事務員の特徴を確認したところ、すぐさま誰か判明。
本人に行動を慎んでもらうようお願いしました。
本人としては嫌がらせ目的でもなく、どうしても欲しい景品があったわけでもなく、ただ単純に、

持っていったら面白いかな、と思った。
だけだったとのことで、すぐにやめてくれました。
ただ、今まで手に入れた景品を返却することはなく、自分の引き出しにしまい込んでいたそうです。
あくまで学生生徒あるいは来場されたお客様がメインの学園祭ですので、事務員は良くも悪くもあまり目立たないように携わることを心掛けた方がいいと、この一件も含めて私は考えています。
【今じゃない】ビンゴゲーム
これも以前の勤め先の学園祭での出来事です。
前述のとおり、事務員は学園祭が開催されている日であっても基本的に日常業務を行います。
休憩時間なども通常の勤務日と同じです。
学園祭担当部署だけが、ローテーションを組んで学内の見回りを行うなど通常とは異なる動きをすることになります。
そんな担当部署の事務員が見回りをしていた時のことです。
とある会場でビンゴ大会が催されていました。

盛り上がっているなぁ。
と思いながら様子を見ていたところ、番号が読み上げられたタイミングで「ビンゴ!」と言う大きな声が聞こえてきました。

お、誰か当たった。
と思い、会場ステージの方を見ていると、ガッツポーズをしながらステージに上がるとある事務員の姿が。

あの人、仕事中じゃないのか。
そう思ったのですが、ローテーションの都合上、声をかけることができず別の場所へ見回りに行きました。
後ほど確認したところ、ビンゴ大会の時間帯は休憩時間ではなかったとのこと。

そのビンゴ大会に参加していた事務員と同じ部署に所属する人も「あの人、どこ行ったんだろう」と思っていたそうです。
学生生徒等の目もあるので、慎んでいただきたいと感じた出来事でした。
【厳しすぎる?】模擬店飲食物への注意
これは、今の勤め先の高校での話です。
学園祭の催し物の代表格といえば「模擬店」ではないでしょうか。
夜店の屋台のように、雰囲気も相まっていつも食べているようなものでも、なんだか普段以上においしく感じてしまう、そんな不思議な魅力があるように思っています。

もちろん、飲食物以外の模擬店もありますが。
そんな印象を持っていたので、今の勤め先で働くようになって最初の学園祭でも、当然模擬店で何かを食べようと考えていました。
ところが、いざ休憩時間に買いに行こうとすると、上席者から、

生徒が作ったものを食べないように。
と、言われました。
「え、どうしてですか?」と尋ねたところ、「生徒が作ったものは危ない」という回答でした。
実際、過去に以下のようなことが起きたそうです。
- 加熱が不十分で、一部が凍ったままの焼き鳥
- 味付けが異常に濃いラーメン
- いつから放置されているか不明なチョコバナナ
色々反論したかったのですが、入職初年度なのでまぁ仕方がないと思い、その年の学園祭は雰囲気だけを楽しむことにしました。
確かに、いい加減な生徒は少なからずいるとは思いますが、そこまで警戒しなくてもというのが私の見解です。
だから次年度以降はこっそりと購入して、楽しんでいます。
もう少し、生徒を信じてあげてもいいのではと思った一件でした。
まとめ
学園祭は、学生生徒にとって思い出に残りやすいイベントの一つだと思います。
もちろんそれは教職員にとってもです。
学校の一大イベントとして一緒に楽しみたいという気持ちを持っている人も大勢います。
ただ、その楽しみたいという気持ちがあらぬ方向へ向かってしまう人もいるわけです。
皆さまは、今回の記事を参考にしていただき、そうした人たちのようにならないように学園祭を楽しんでいただければと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。