PR

基礎48:【毎月前進】私立学校事務員の基礎知識を身につける「月報私学」活用法(7月編)

学校事務員のお仕事(基礎知識編)
jimmy
jimmy

この記事は以下のような人を対象としています。
・私立学校事務員として働くうえでの基礎知識を身につけるために、役立つツールを教えてほしい。

これまで、日本私立学校振興・共済事業団(以下、私学事業団)が毎月発行する「月報私学」の各月ごとの活用法を紹介してきました。

今回は、その続きにあたる7月号の活用法の紹介になります。

7月号は7月1日に発行されるため、現時点では内容が不明ですが、例年7月号に掲載されている記事というものがあります。

そうした記事の中で、私が毎年参考にしているものを3つピックアップしたいと思います

その3つは、以下のとおりです。

  • 自己診断チェックリストをご活用ください
  • 災害にあったとき
  • 標準報酬月額の定時決定(注意事項)

自己診断チェックリスト」は、普通に私立学校事務員としての業務に携わっているだけでは触れる機会がないツールです。

しかし、その内容や使い方を理解しておくと、勤め先の経営状況が把握できたり、決算書の見るポイントが整理できるなど、有意義な点がたくさんあります。

他の2つについても、知っておくといざという時に役立つ知識ですので、確認しておきましょう。

ただし、前述のとおり本年度の7月号の内容は現時点でわかりませんので、紹介する記事が掲載されていない場合もあります。
その点はご容赦ください。

自己診断チェックリストをご活用ください

皆さんそもそも、この「自己診断チェックリスト」の存在をご存じでしょうか。

前述のとおり、普通に私立学校事務員としての業務に携わっているだけでは、このリストに関わるケースはあまりないと思います。

しかし、会計に詳しい事務員はもちろんのこと、詳しくない人でも簡単に扱うことができるツールですので、使ってみることをおすすめします。

月報私学7月号では、このリストの見方など基本的な情報を解説しています

このリストはPDF版EXCEL版があり、それぞれ私学事業団の「助成業務」の方のホームページにアップされており、ダウンロードも可能です。

PDF版は具体的な数値がすでにリストに記載されている状態になっており、このリストを使った時のイメージをつかむことができます。

一方EXCEL版は、実際に自分の勤め先の決算数値や生徒数などを入力して、経営状況を把握するためなどに使用するものです。

jimmy
jimmy

しかも単に数値を入力するだけでなく、目標値や経年比較、私学事業団が設定した評価値との比較ができるようになっているところも個人的には魅力的に思っています。

ちなみに、私はこのリストを以下の2つの用途で利用しています。

  • 現状の把握(後輩への指導)
  • 将来のシミュレーション

【リストの活用法①】現状の把握(後輩への指導)

①は今まで述べてきた使い方です。

このリストで用いられているデータは、私学事業団が収集している情報に基づき毎年更新されます

そのため、更新されるごとにそれにあわせて自分の勤め先の情報も更新して、継続的に状況を把握していく必要があるわけです。

そして以前の勤め先では、この更新作業を後輩事務員にやらせていました
理由は、経営状況を見るためのポイントをつかんでもらうためです。

リストでは、経営状況を判断するための様々な指標のうち、私学事業団が特に重要と考えているものが用いられていると私は思っています。
そのため、このリストの作成を通じて重要な指標を頭に入れることができるという効果があると考えています。

jimmy
jimmy

しかも、ご丁寧に指標の意味までリストの中で解説してくれています。

決算書の数値だけじっと眺めているより、その数値を使って実際にデータを作成してみる。
こうしたアウトプットを通じて学んだ方が、知識がより効率的に身につくと思ったため、後輩事務員に作成させていたわけです。

【リストの活用法②】将来のシミュレーション

このリストは年度を任意に変えることができますので、現在から将来に渡って経営状況がどうなるかを見ることもできます。
そのため、例えば学納金を値上げした場合の指標の変化をシミュレーションすることも可能です。

実際、私は高校の学納金を値上げする際にこのリストを利用しました。

細かな数値は別途作成する必要がありますが、そこで作成した学生生徒等納付金の金額や補助金の金額をこのリストに入力して、作成します。

詳しくは私学事業団のホームページに掲載されているリストのデータを確認していただければと思いますが、そのデータには「経常収支差額比率」など特定の項目だけをチェックできるシートがいくつかあるのです。

これらのシートの中から、相談の材料になりそうなものを資料に含めて、所轄の都道府県との相談に臨んだのです。

jimmy
jimmy

高校が学納金の金額を改定する場合、その高校の所在地である都道府県の担当部署と相談する必要があります。覚えておきましょう。

そこでこれらの資料を見た相手方担当者は、「こんな資料まで作っていただいて」と驚いた様子でした。

そのおかげかどうかは定かではありませんが、その後の相談もスムーズに進めることができ、無事改定を進めることができました。

ここで使用した資料は、一度作成すればそのまま理事会資料など内部の手続きでも利用できるので、便利ですので機会があればやってみてはいかがでしょうか。

災害にあったとき

台風による大雨や地震、火災など毎年のように大きな災害による被害が報道されているように思います。

これは決して私たちとは無関係のものではありません。
そのため、日頃から災害に備えておく必要があります

しかし、想定外の災害に襲われる確率をゼロにすることができないのも事実。
そうした被害にあった時、どんな支援を受けられるかを知っておくことは、リスク管理上大切なことです。

jimmy
jimmy

被害にあう「前」と被害にあった「後」、それぞれのケースにおいてとるべき行動をあらかじめ整理しておくわけですね。

その「被害後」にとるべき行動の一つとして、「私学共済への見舞金等の請求」があります。

こうした制度は、制度を知らないと「請求する」という行動すらとることができません。
「知らない人は損をする」ものの典型例だと私は思っています。

ご自身はもちろんのこと、勤め先の同僚等が災害にあった際にこういった制度を紹介できるれば、相手の不安を解消する一助にもなるでしょう。

そのため、私学共済業務の担当者以外の方でも知っておくべき知識として、おすすめしているわけです。

制度の概要や必要書類、注意点などが1枚にまとまっていますので、プリントアウトするなりPDFとして保存するなりして、手元に準備しておきましょう

標準報酬月額の定時決定(注意事項)

6月号でも、この「標準報酬月額の定時決定」について紹介しました。

6月号の内容は、私学共済業務の担当者以外の方でも知っておくべき、基礎的な内容でした。

一方、7月号ではさらに細かい内容として、問い合わせの多い点や注意点について紹介しています。

jimmy
jimmy

どちらかというと、私学共済業務の担当者向けの内容です

そのため、担当者以外の方が読んでも理解が難しいかもしれません。

新たに私学共済業務の担当者になった方やなる予定の方にとっては有益な情報と思いますので、ご一読をおすすめします。

また、高校事務室は大学とは異なり専門の部署などが設けられていないため、担当以外の業務についても関わる機会が多く、私学共済についてもある程度の知識が必要になります。

私が私学共済業務の担当者ではないにも関わらずこの記事に注目しているのは、そういった理由によるものです。ご参考までに。

まとめ

私の担当している業務の都合上、自己診断チェックリストの紹介のボリュームが大きくなってしまいました。

ただ、会計知識の習得から会議等で使用する資料まで幅広く活用できるツールだと思っていますので、ぜひ一度触れてみてはいかがでしょうか。

他の私学共済関係の記事も、私立学校事務員としての知識を深めるために有用ですので、もし今年の7月号にも掲載されていましたらお読みいただくことをおすすめします。

一歩ずつ、レベルアップしていきましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

タイトルとURLをコピーしました