

この記事は以下のような人を対象としています。
・良好な関係構築のために、「褒め方」を学びたいと思っている人

同僚の○○さんに褒め言葉をかけてあげたいけどなんて言ったらいいのかしら。

生徒の△△さんのこと、褒めてあげたいけど上から目線に聞こえてしまわないか不安。
こうした悩みをお持ちではありませんか。
- いつも丁寧な仕事でサポートしてくれる同僚の○○さん
- 生徒や保護者に細やかな気遣いをしながら接する教員の△△さん
- 文武両道で何事にも全力で取り組む生徒の□□さん
私立学校の事務職員として働いていると、こうした先生方や同僚、そして学生生徒と接する機会が多くあります。

見ているだけで、周りの人にもプラスの影響を与える人たちですよね。
その中で「褒める」という行為は、相手との距離を縮め、信頼関係を築くための大切なコミュニケーション手段です。
しかし、いざ褒めようとすると、「わざとらしく聞こえないかな」「上から目線にならないかな」と不安になり、結局言えずに終わってしまうこともあるのではないでしょうか。
実は、褒めることが苦手な人の多くは、「褒める=特別な言葉を使うこと」と思い込んでいます。
でも本当に大切なのは、難しい表現ではなく、相手の行動や努力をきちんと見て、それを素直に言葉にすることです。
ただ、私立学校事務員の研修や育成の多くは事務処理・法務・会計などの実務中心。
対人スキルの研修は後回しになりがちなため、「褒める」というスキルを学ぶ機会が少ないというのが私の実感です。
そして、それが「褒める」ということに苦手意識を感じる一つの要因ではないかと私は考えています。
では、どうすればこの苦手意識を解消できるか。
それには、おおげさではなく、気軽で明るく、さりげなく褒める「プチ褒め」の方法を学び、普段からちょっとした褒め習慣を身につけることが有用だと思います。
そこで今回は「プチ褒め」について紹介している書籍から、私が実際にやってみて効果を実感したものを3つピックアップしたいと思います。
その3つとは以下のとおりです。
- 「ねぎらい」や「感謝」を前面に出す
- 「未来の可能性」にスポットライトをあてる
- 「Iメッセージ」で表現する
褒めることに対する苦手意識を解消することで、自分自身のコミュニケーションの幅を広げることにつながります。
その結果、
- 学生生徒や教職員との信頼関係が深まり、コミュニケーションが良好になる
- 「相手の良いところを見つける」ということが習慣化され、観察力がアップする
といった効果も期待できます。
褒めることは特別なスキルではなく、ちょっとした意識の積み重ねです。
今回紹介する方法の中から一つでも実践してみると、周囲の反応が少しずつ変わっていくはず。
良好な関係づくりの第一歩として、ぜひ気軽に取り入れてみてください。
参考にしていただければ幸いです。
書籍の紹介
書籍名:人づき合いが超ラクになる「プチ褒め」の魔法
著者名:上野 ハジメ
出版社:プレジデント社
発売日:2025年9月16日
【難しく考えない】プチ褒めとは
そもそも「プチ褒め」というものがどういうものか、書籍の解説を引用します。
人のいいところに気づくたびちょこちょこ相手に伝えることだよ
「人づき合いが超ラクになる「プチ褒め」の魔法」より引用
そしたら自分も周りもグンと世界が良くなっていくんだ P15
ポイントは「ちょこちょこ」の部分。
こまめに伝えることで、「褒める雰囲気」を作ることが大切ということです。
さらに「褒める」ということには、以下のような効果があると書籍で紹介されています。
褒められたことはいつまでも覚えているものです。それが自信となり、確信となり、新しい挑戦をする際には、心の支えにすらなっていったりもする。 P21
「人づき合いが超ラクになる「プチ褒め」の魔法」より引用
「ちょこちょこ褒める」→「褒める雰囲気ができる」→「褒めあうようになる」→「お互いの自己効力感につながる」
「プチ褒め」をきっかけにこうした良い循環が生まれてくるわけです。
加えて、「プチ褒め」は性別や立場に関係なく行うことが重要であると、書籍では述べられています。
プチ褒めは、360度、マルチアングルで実践してこそ意味があり、劇的な効果が表れるもの。「褒めよう」という視点で相手を見てみると、何かしらの良いところが見つかります。それをそのまま素直に言葉にすればいいだけ。 P26
「人づき合いが超ラクになる「プチ褒め」の魔法」より引用
360度ということは部下や同僚だけでなく、上司も褒めるということ。
自分の身の回りの人全員が褒める対象と考えて接してみましょう。

そうは言っても、どう褒めたらいいかわからないよ。
褒める時のポイントは以降で紹介しますが、その前にやってほしいことがあります。
その部分を書籍から引用します。
「人を褒めてください」と言われても、どんな時に、どんな言葉をかけたらいいのか戸惑う方も少なくないでしょう。特に褒められた経験が少ないと、褒めるべき場面が思いつかないものです。
「人づき合いが超ラクになる「プチ褒め」の魔法」より引用
(中略)
まずは、あなたが誰かに言われて嬉しかった体験を思い出してみましょう。着ていた洋服や髪型、作ってあげた手料理、宿題で提出した作文、コンクールに出た絵、カラオケでの歌声・・・。 P80

私の場合だと、学校法人会計についてプレゼンした内容について、聞いていた人数人から「わかりやすい」と言ってもらえたことが、今でも嬉しい経験として記憶に残っていますね。
こうした経験をヒントに、5W1H形式でそのときの状況を整理してみることをおすすめします。
これらのポイントを理解したうえで、以降「プチ褒め」の具体的な中身を見ていきましょう。
【評価厳禁】「ねぎらい」や「感謝」を前面に出す
まずは書籍の解説を見てみましょう。
できる、優秀、才能、偉いなどという言葉は排除し、できるだけ「ねぎらい」や「感謝」を前に出した表現で会話をするように意識。人は作業や行動、その背後にあった判断を褒められると、客観的に受け取りやすいものです。
「人づき合いが超ラクになる「プチ褒め」の魔法」より引用
事実をそのまま具体的に述べて、感謝を添える。 P87
例えば私の場合、生徒に対して、
- 「いつも提出物の提出が早いね。助かります」
- 「挨拶が気持ちいいね。言われて気分がいいよ」
といった“事実ベース”の言葉を言うようにしています。

おかげで声をかけた生徒とは、コミュニケーションをとる頻度が上がったように感じています。
評価ではなく観察を伝えることで、上から目線にならず、自然に相手の良さを認めることができたというところが、こうした結果につながったと思っています。
また、私立学校事務員の仕事は成果が見えにくく、誰もが「自分の仕事はちゃんと見てもらえているだろうか」と不安を抱えがちです。
そんな中での「プチ褒め」は、相手のモチベーションを大きく支える力になります。
これは私の実感ですが、
- 「昨日の会議資料、すごく分かりやすかったです」
- 「忙しい中でも声をかけてくれてありがたいです」
など、自分の行動に焦点を当てて「プチ褒め」してもらえると、“見てくれている”と感じるものです。
これは結構嬉しいので、ぜひ皆さんも「事実+感謝(ねぎらい)」を実践してみてはいかがでしょうか。
【期待が膨らむ】「未来の可能性」にスポットライトをあてる
これもまずは書籍の解説を見てみましょう。
自己肯定感が低くて、素直に褒め言葉が受け取れない人も、未来のことを言われると嬉しく感じられるものです。
「人づき合いが超ラクになる「プチ褒め」の魔法」より引用
(中略)
そこで有効なのが、「今の状態」ではなく「未来の可能性」に光を当てる言葉です。相手の中にある「まだ開いていない力」「これから広がっていくかもしれない世界」に触れることで、自己否定のフィルターをくぐり抜け、希望の種を手渡すことができます。 P87
書籍では「伸びていくのが楽しみ」とか「活かせそう」という表現を例として挙げています。
これも私は生徒で試してみて、効果を実感しています。

なんせ生徒たちは若い。未来の可能性がたくさんあります。
例えば、「税に関する高校生の作文」というもので、私の勤め先の生徒の作品が都道府県での優秀作品として選ばれたことがあります。
その作品を書いた生徒に対し、「こうやって自分の考えを言葉にうまく整理できる力は、進学しても就職しても役立つよ」という声をかけました。
言われた生徒はとても満足げな表情でうなずいてくれたのを覚えています。
日頃のちょっとした出来事でいいと思うので、練習がてらに「これは将来のどんな楽しみに結びつきそうか」と考えてみることをおすすめします。
【主観でOK】「Iメッセージ」で表現する
まずは書籍の解説の確認からです。
あなたはこんな人、という「You」を主語にした表現ではなく、「私はこう感じた」と、自分の主観をただ事実として伝えることで、相手は「そんなことはない」と否定しにくくなります。 P88
「人づき合いが超ラクになる「プチ褒め」の魔法」より引用
前述しましたが、私は気持ちのいい挨拶をしてくれる生徒に対し、「挨拶されて気分がよくなる」ということを伝えています。
主語が隠れていますが、これも「Iメッセージ」を意識して言うようにしています。
「(私は)挨拶されて気分がいいよ」と伝えているわけです。
確かにこれを言って「そんなことないです」という返事をされたことはありません。
逆に私が、周りの人から前述のように「忙しい中でも声をかけてくれてありがたいです」と言われて、否定の言葉を返したこともありません。

いつもは褒められると恥ずかしくて否定してしまうことが多いんですけどね。
そう考えると、この「Iメッセージ」は言われた側が素直に受け止めやすい褒め方だという実感があります。
また、言う側にもメリットがあると感じています。
それは、思ったことや感じたことに「私は」とつけるだけでできるという点です。
冒頭で述べたとおり、「褒める=特別な言葉を使うこと」という思い込みが褒めることへの心理的ハードルを高くしていると思います。
「Iメッセージ」には、そのハードルを下げる効果があります。

単純に「いいね」と思ったことに「私は」とつけたらいいだけですしね。
照れ屋や恥ずかしがり屋でも受け取りやすく、しかも高い語彙力も必要としない「Iメッセージ」を活用してみてはいかがでしょうか。
まとめ
「プチ褒め」のポイントについておさらいします。
- 「ねぎらい」や「感謝」を前面に出す→「事実+感謝(ねぎらい)」で表現する
- 「未来の可能性」にスポットライトをあてる→「楽しみ」「活かせそう」を見つける
- 「Iメッセージ」で表現する→「私は+いいね」で表現する
どれも特別な準備は必要ありません。
まずは目に入ったものに対し、「感謝できるポイント」を探してみる。
そして「私は」を主語にして感想を言ってみる。
これだけで簡単に練習ができるスキルなのでおすすめします。
褒めることは相手のためだけでなく、褒める習慣が身につくと、自然と人間関係が柔らかくなり、仕事が進めやすくなる場面も増えていきます。
ぜひ習慣化してみましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
