

この記事は以下のような人を対象としています。
・仕事やプライベートで「脳の衰え」や「脳にいいこと」が気になっている人

若いころに比べると、頭がボーっとする時間が増えた気がする。脳が衰えているのかもしれない。

生徒の顔が全然覚えられない。加齢で脳が老化しているのでは。
こんなことを思ったこと、ありませんか。
- 補助金の要綱を読んでも全く内容が頭に入ってこない
- 取引先の人の顔や名前が思い出せない
- 新しい仕事に対する学習意欲が以前ほど湧いてこない
まさに「ないないづくし」で自分のことが嫌いになってしまいそう、というのは私だけではないと思います。

取引先の偉い人に「○○と申します」と初対面であるのかのような挨拶をしたら、以前にもお会いしたことがあるということがわかり、大変気まずい思いをしました。
そんな経験が続くとどうしても冒頭に紹介したような、思いが頭に浮かんでしまいがちです。
ではどうして、特に私のような中年はそのような考えに至ってしまうのでしょうか。
そこには、皆さんの多くが抱いている以下のような思い込みが関係していると考えられます。
- 加齢により脳の機能が落ちる
- 脳は老化しやすい
インターネットや書籍、テレビなどから入ってくるこれらの情報が、私たちの頭の中で「常識」として深く根付いてしまっている。
これが原因の一つだと私は思っています。
だからこの思い込みから抜け出すためには、
- 脳の仕組みをあらためて理解する
- 脳のコンディションをいい状態に保つ方法を学んで実行する
ということが必要であると考えています。
そこで今回は、脳の仕組みや鍛え方などを解説した書籍のなかから、私が実践し、皆さまにおすすめしたいと思ったものを2つ紹介します。
その2つとは以下のとおりです。
- 歩いて、跳ねて、筋トレ
- 身近なところで外国語学習
これらに取り組むことで、
- 脳が鍛えられることで記憶力や学習機能にプラスの影響を与え、それが充実した仕事やプライベートを過ごすことにつながる
- 認知症などを発症するリスクが軽減され、長く健康的な生活を送ることができるようになる
といったことが期待できます。
これら2つは、取り組みやすく、さらに私自身効果も実感しています。
学校という現場ならでは取り組み方も紹介していますので、参考にしていただければ幸いです。
書籍の紹介
書籍名:不夜脳 脳がほしがる本当の休息
著者名:東島 威史
出版社:サンマーク出版
発売日:2025年9月25日
【言葉の定義】「不夜脳」とは
最初に、この書籍のタイトルにもなっている「不夜脳」という言葉について理解しておきましょう。
不夜脳のイメージを説明している箇所がありますので引用します。
睡眠中は「誰もいなくなった暗いオフィス」ではない。ギラギラと輝き、煌々と電気を光らせている「不夜城」ならぬ「不夜脳」というイメージだ。
「不夜脳 脳がほしがる本当の休息」より引用
24時間営業のコンビニエンスストアのように、脳は眠らない。眠らないけど、いつもピカピカに掃除が行き届き、棚の在庫も補充されている。 P21
私たちは「睡眠=脳を休ませる時間」と考えがちですが、実際の脳はまったく逆の働きをしているということです。

体の休息と脳の休息は別物と思った方がいいようですね。
そしてその方が脳にとってよい、というのがこの書籍で紹介されている考えになります。
もう少し詳しく述べている部分がありますので、そこも引用します。
睡眠とは脳のためというより、「体全体の効率的なエネルギー管理システム」だ。脳は体の眠りを保育士のように監督しながら、24時間、活動を続ける。
「不夜脳 脳がほしがる本当の休息」より引用
さらに、活動のために生まれてきたのだから、脳は活動しないと衰えてしまう。
「眠らない脳こそ、老いない脳」なのだ。 P28
私立学校事務員にとって、繁忙期(入試、履修登録、補助金申請、年度末処理など)は睡眠が乱れがちです。
その際、「たっぷり睡眠をとって脳を休ませよう」と考えがちですが、それは半分正解、半分間違いということになります。
睡眠により体が休まることで、脳は「体を休ませよう」という指令を出さなくてよくなるため、その分、脳が別のことに取り組めるようになるという仕組みになるわけです。

頭が疲れたら寝て、脳を休ませればいいと単純に思っていました。
「眠らない脳こそ、老いない脳」
まずはこの点を意識しておきましょう。
【思い込みの解消①】脳には休息より刺激
仕事や普段の生活において、不夜脳、つまり「眠らない脳こそ、老いない脳」という特徴を活すためには、私たちの脳に対する思い込みを解消しておく必要があります。

今までの常識ありきだと、新しい知識が受け入れられないですからね。
その思い込みの1つが、先ほども少し触れた「脳には休息が必要」という考えです。
まずはこれに関連する「脳と筋肉の違い」を説明した箇所を引用します。
1つは、筋肉はトレーニングを中断するとすぐに萎んでしまうが、脳は鍛えるのをやめても、ある程度維持される点。
「不夜脳 脳がほしがる本当の休息」より引用
そしてもう1つは、筋肉は体の組織のなかで、最も早く老化し、反対に脳は、最も老化しにくい臓器である、という点だ。 P3
しかし、これは「何もしなくても衰えない」という意味ではありません。
脳は刺激がないと認知機能が衰え、極端な場合は壊れてしまうことすらあるということも書籍では解説しています。
だから、脳にとっては「休息」より「刺激」が大事ということになるわけです。

当たり前ですが、「寝ることに意味がない」と言っているわけではありませんので誤解のないようにお願いします。
その「刺激」を与える行動について、後ほど紹介していきたいと思います。
【思い込みの解消②】脳は糖質で癒されない
「脳が疲れたから甘いものを食べよう」という考えは、私立学校事務員の職場でもよく見られます。

引き出しを開けたら、おやつがいっぱい入っているという事務員を男女問わず何人も見てきました。
しかし、これは脳のためにはならないと書籍では述べています。
しかし、脳の疲れは糖質では癒されない。
「不夜脳 脳がほしがる本当の休息」より引用
甘いものを食べて活力が戻る気がするのは脳の栄養補給が行われたからではなく、「腸でブドウ糖を吸収すると、脳でドーパミンが出る」ためだ。
甘いものを食べると報酬系ホルモンの作用で、一時的な快感やすっきりした感じはするが、文字通り甘やかしているだけで、脳のためにはならない。 P100
さらにこの書籍では、「脳疲労の正体はバランスの崩れ」と主張しています。
座りっぱなしのデスクワークに疲れたときは、「運動野」を「刺激」するとスッキリするし、左側頭葉(言語、計算、思考)を連続使用したときは、右側頭葉(音楽、感覚)を「刺激」するとスッキリする。
「不夜脳 脳がほしがる本当の休息」より引用
脳が疲れたときに、逐一眠らないと仕事が続かないという人はあまりいないのではないか。脳疲労とはバランスが偏った状態であり、代謝が落ちている部位を「刺激する」ことで、ある程度改善するはずだ。 P62
私立学校事務員の仕事は、まさに左側頭葉を酷使しがち。
そんなときは、右側頭葉を刺激したり、座りっぱなしの状態から立ち上がって運動野を刺激したりすると、脳疲労から回復することができるというわけです。
従って、脳疲労とは「使いすぎ」ではなく “使い方の偏り” によって起こるため、刺激のバランスを整えることが重要ということになります。
この点も押さえたうえで、以降、具体的な方法について見ていきたいと思います。
【運動野の刺激】歩いて、跳ねて、筋トレ
私立学校事務員の仕事といえば、前述のとおり左側頭葉中心です。
例えば、
- 文書や会議資料の作成
- 規程や要綱の確認
- 経理や会計業務での計算
といった業務が多くを占めているというのが私の実感です。
こうした傾向を踏まえて、おすすめしたいのが「運動野への刺激」
何故かというと、運動により以下のたんぱく質およびホルモンに影響を与えられるからというのが書籍の主張です。
- BDNFというたんぱく質
記憶力や学習能力の維持に欠かせない→有酸素運動で増加 - オステオカルシンというホルモン
記憶力や感情の調整、代謝に関わる→骨への刺激で分泌
だから運動野を刺激することで、
- 左側頭葉への偏りを解消:脳疲労の改善
- BDNFおよびオステオカルシンへの影響:記憶力、学習能力のアップ
といった2つの効果が期待できます。
これらを踏まえて書籍では、次のような運動を推奨しています。
早足でウォーキングし、たまにジャンプし、できれば筋トレをすることで、記憶に良い影響を与えられる。 P93
「不夜脳 脳がほしがる本当の休息」より引用
昼休みに10分歩く、階段を使う、1時間に1回立ち上がるなど、小さな工夫でも脳の働きが大きく変わると思われます。
特に以前から私が推奨しているのが「階段昇降」
それについては以下の記事も参照していただければと思います。
明日からでもできると思いますので、取り組んでみてはいかがでしょうか。
【職員室の活用】身近なところで第二言語学習
普段使わない言語を使うことも「刺激」になります。
書籍では第二言語学習の効果について、以下のように解説しています。
第二言語学習の効果は、「外国語が話せるようになること」だけではない。認知症を予防するし、仮に脳卒中などで脳の機能が失われたときも、「認知予備脳」により機能的な回復が早まる、文字通り、ダメージに強い脳を鍛えることができる。 P106
「不夜脳 脳がほしがる本当の休息」より引用
また、その学習方法について紹介している箇所がありますので引用します。
オンライン英会話でも、AIとの会話練習でもいい。「読める・書ける」より、とにかく「聞いて・話す」ほうを重視して取り組む。脳は新しい刺激を好むから、「多少知っている英語」よりも、「全く知らないスワヒリ語」のほうがトレーニング効果は高いだろう。
「不夜脳 脳がほしがる本当の休息」より加工して引用
週に3回、1時間程度の軽い語学学習を3か月続けるだけで、脳の構造が物理的に変化するとわかっている。 P110
そこでおすすめしたいのが、外国人教員とのコミュニケーションです。
私立学校事務員に英語力は特に重要ではないというのが、私の個人的な見解です。
詳しくはこちらの記事をご覧いただければと思います。
ただ、そうしたスキル面ではなく、第二言語を学ぶ環境という面では学校は恵まれているように感じています。

なんせ無料かつ職場にいながら外国人と話せるわけですから。
この状況を活かさない手はないと思います。
ぜひ活用して、脳の疲れを癒しながら「強い脳」をつくりあげましょう。
【結論】実践して感じたこと
この書籍を読んでから、ジムでの運動にジャンプを取り入れました。
「プライオボックス」というトレーニング器具があるので、それを利用しています。
しかもこの器具、学校にもあったのです。
バレーボール部が持っていたので、部活が始まる前に顔を出して跳んでいます。
その際に、生徒ともコミュニケーションをとることができるので、色々な面で役立っている実感があります。
外国語の勉強も少しずつ取り組んでいます。
残念ながら、勤め先には外国人教員はいませんが、今の世の中、様々な学習方法がネットで見つかるので、試しているところです。
こうして取り組んでいると、いつものルーティン業務から解放され、脳がリフレッシュされている感覚があります。
このまま続けていきたいと考えています。
まとめ
私立学校事務員の仕事は、「知的労働」が中心であり、脳の状態がそのまま仕事の質に反映されます。
だから「脳を鍛える習慣」を身につけることは、単なる健康法ではなく、業務改善のための投資であると私は考えています。
そうして身につけた小さな習慣が自分の脳を守り、かつ学生・教員・同僚への貢献度を高めることにもつながるわけです。
普段から、脳を鍛える習慣を意識的に取り入れ、業務効率や判断力のアップ、メンタルの安定などに結び付けていきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。


