

この記事は以下のような人を対象としています。
・自分の仕事が「誰でもできる仕事」ではないかと悩んでいる人
さかのぼること数か月前。

大学の守衛室が舞台のお話なのか、珍しい
これが、今回紹介する書籍と私が最初に出会った時の印象です。
いつも利用しているaudibleというオーディオブックサービスで、私へのおすすめとして表示されていました。

職業柄、「大学」のような学校に関連するワードに敏感なため、この書籍が私のアンテナに引っかかったという感じです。
Audible会員は無料のコンテンツだったので、即ライブラリーに追加してダウンロードし、その日から聴き始めました。
そうして毎日聴き続けるうちに、

これはぜひ私立学校事務員の人に聴いて(読んで)ほしい。
という思いが湧いてきたのです。
皆さんのなかには、

誰でもできるような仕事ばかり担当していて、そのうちAIとかに働く場所を奪われてしまうのではないか
という悩みが頭に浮かんだことがある人もいるのではないでしょうか。
- 仕訳の入力や領収証等のチェックといった経理業務
- 私学共済への手続きや給与計算などの人事業務
- 定例行事の運営や消耗品の管理のような総務業務
どれも一見すると、誰でもできそうな印象です。
実際、私立学校事務員の方の多くがいずれかの業務に携わっているのではないでしょうか。

私は経理と総務といったところですね。
そして、こうしたルーティン業務にどっぷり浸かっていると頭によぎるのが上述のような悩み。
将来への不安につながっていくわけです。
ただ正直なところ、

自分には専門的な知識や他人よりも優れた能力がない
と思いつつも、

そうした知識の習得や能力の向上のために、与えられた仕事以上のことをしても損。
といった考えも、心のどこかに潜んでいるという人が多いようなイメージがあります。
そこで今回は、そういった悩みやジレンマを解消するために役立つ考え方を、この書籍から3つ紹介したいと思います。
その3つとは以下のとおりです。
「いただきます。人生が変わる「守衛室の師匠」の教え」より引用
- 誰でもできる仕事が一番、誰がやるかで差が出るからさ
- どんなことでもいいから、今やっていることを誰もやらないところまでやる
- 八十年を一日だと考えると、十九歳は朝の六時前です。まだ始まってすらないじゃないですか
具体的な知識やスキルというわけではありませんが、私立学校事務員歴20年以上の私が「これは事務員にとって大切だ」と感じたものをピックアップしています。
参考にしていただければ幸いです。
書籍の紹介
書籍名:いただきます。人生が変わる「守衛室の師匠」の教え
著者名:喜多川 泰
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日:2025年8月29日
【あなたがやりましたね?】「誰でもできる」を軽く見ない
まずは書籍の言葉を紹介します。
実はどんな仕事も最初は『誰でもできること』から始まるんだよ。(中略)誰でもできる仕事をあてがわれる。でもその仕事をどうやるかで、その人が一流の職人なのかどうか、すぐわかるんだ
「いただきます。人生が変わる「守衛室の師匠」の教え」より引用
(中略)だって、誰でもできる仕事が一番、誰がやるかで差が出るからさ P96
話の前提が分からないと、いまいち伝わりづらいと思いますので少し補足します。
この書籍の主人公は、アルバイトで大学の守衛室に勤務しています。
そのバイト先の同僚に対し、「守衛室の仕事なんて誰でもできるから、学ぶところなんてない」といった旨の発言をしたわけです。
その発言に対し、同僚が返したのが上述の言葉というわけです。
これには以下のようなセリフが続きます。
誰でもできることをやらせたときに、誰にもできないところまでやる人がいるとするよね。そこにできる差のことを『その人にしかできないこと』って呼んでるんだよ。 P97
「いただきます。人生が変わる「守衛室の師匠」の教え」より引用
私が担当している経理事務のような仕事にも、あてはまる考え方だと思いました。
これを読んで思い出した私の以前の勤め先であった実際のエピソードを紹介させていただきます。
経理業務のうち、仕訳入力とその入力内容のチェックという仕事を担当している2人の事務員の話です。
1人が仕訳入力とチェックを行い、もう1人がさらに入力内容をチェックするという流れになっていました。
そこに1枚の請求書が回ってきました。
内容は「レンタルサーバー利用料〇〇円」というもの。
1人目は「金額」や「日付」「勘定科目」といった情報を入力し、請求書の内容が正しく反映されているかをチェックします。
そして問題がなければ、それを2人目に回すわけです。
2人目も同様のチェックを行うわけですが、ここでストップがかかります。
2人目の事務員から、

この利用料、期間はいつからいつまで?
という質問が挙がります。
1人目の事務員は当然答えられません。
請求書を提出した部署の事務員に確認をとります。
その結果、利用料は年度をまたいでいることが判明しました。
これは経理・会計担当としては重要なポイントです。
正確に前払金として処理しなければ、場合によっては補助金の不正受給にもつながりかねません。
前払金については、以下の記事もご参照ください。
1人目の事務員の仕事ぶりに問題はありません。
むしろ、正確性や迅速性といった観点で言えば、私なんかよりはるかにレベルが高い状態でした。
しかし、2人目の事務員のように「関連するところまで範囲を広げてチェックする」というところには至っていません。

ただ、どちらかと言えば1人目の事務員タイプの方が多いような印象ですね。
そう考えれば、2人目の人にとってこの部分が『その人にしかできないこと』になると考えられます。
今となって思い返せば、その事務員にはチェック業務が回ってくることが多かったように思います。
「チェック業務」という誰がやっても同じような仕事であっても、誰がやったかで差が生まれるという実例だったのではと思っています。
皆さんや周りの人のなかにも、このような「差」が生じていないか探してみてはいかがでしょうか。
【長い目で見よう】とことんまでやってみる
まずは書籍の言葉の引用です。
どんなことでもいいから、今やっていることを誰もやらないところまでやるって P208
「いただきます。人生が変わる「守衛室の師匠」の教え」より引用
これも少し補足します。
主人公は「自分にしかできない何か」を見つけるためには、様々なことを経験しなければならないのではと考えていました。
その考えに対して、同僚の人が「自分にしかできない何かを見つける方法」として紹介しているのが、上述の言葉です。

「数打ちゃ当たる」方式では非効率ですからね。
何か新しいことを始めると最初はできることが増えたりして、成長を実感できますが、そのうち伸び悩むようになり、さらには周りのもっとできる人のことが気になってしまいます。
そうなると、

これは自分には向いていない。
と挫折しがちです。
やはりそこには「継続力」が必要となってくると私は感じています。
継続力についてはこちらの記事もご参照ください。
結局、地道にコツコツとできることを積み上げていくことが大切というわけです。
別の見方をすれば、この「地道にコツコツ」が得意な私立学校事務員の方は多いような印象があります。
ということは、「自分にしかできない何か」を見つけるのに向いていると言えます。
これも私の以前の勤め先での話ですが、「教職課程」にやたらと詳しい後輩がいました。
どうしてそんなに詳しいのか尋ねたところ、

担当した際に、色々調べてみると面白かったのでそのまま継続して新しい情報を増やしているんです。
とのこと。
思い返せば「どんなことでもいいから、今やっていることを誰もやらないところまでやる」の1つの例ではないかと思っています。
「AIに仕事を奪われるかも」と考えるより、目の前の仕事をとにかく誰もやらないところまでやってみる。
ルーティン業務にも取り入れられる姿勢ではないでしょうか。
【あなたは何時?】一生を一日に置き換えて考える
最後も、書籍の言葉の紹介から始めます。
一日で考えてみてくださいよ。八十年を一日だと考えると、十九歳は朝の六時前です。まだ始まってすらないじゃないですか。眠ったままで、起きてもいないかもしれません P160
「いただきます。人生が変わる「守衛室の師匠」の教え」より引用
補足すると、「今さら」という思いに悩む主人公に対して、同僚の人が発したセリフになります。
この考え方、個人的に非常に伝わりやすいように感じました。
それこそ、学生生徒にぜひ教えたいと思っています。

その考えでいくと、私はお昼を少し過ぎたくらいになります。
主人公に比べればかなり時間が過ぎてしまっていますが、それでもまだまだ時間はあります。
私の場合、20年以上バックヤード業務、特に経理・会計業務に携わる機会を与えていただいてきました。
この言葉に触れて、せっかくなので一日に例えると夕方ぐらいまでかけて業務に取り組んでいきたいと思うようになりました。
主人公と同じように「今さら」という思いがある方は、ぜひこの考え方を取り入れてみてはいかがでしょうか。
【結論】【結論】読んでみて実感したこと
今の勤め先で教員から、

事務の仕事って、これからAIにとられるかもしれないんですよね?
と言われたことがあります。
本人には特に悪意はない様子でしたが、やはり周りからは「事務員の仕事はそのように映っているんだな」と感じたものです。
今回この書籍を読んで、そんなにAIを恐れる必要はないんだなと思いました。
なぜなら、「今やっていることを誰もやらないところを目指してやればいいし、そのための時間はまだ残されている」と思ったからです。

なんせ、1日で例えればまだ昼過ぎですから。
これを実行するために、まずは言葉のチョイスを変えるところから始めようと思っています。
具体的には「今さら」と言うのを「これから」に変えていきたいと考えています。
まとめ
このブログで何度も触れてきましたが、私立学校事務員の仕事はルーティン業務に割合が非常に高いです。
だから、
「もし今の職場がなくなったら別のところでも働けるのか」
「もしAIに仕事を取られたらどうすればいいのか」
といった悩みを周りの事務員から聞くケースは少なくありません。
この記事が、そうした悩みを払拭するための一助になれば幸いです。
なお、この記事とは別に、私立学校事務員として働くために大切な考え方を紹介していますので、そちらもあわせてお読みいただければと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。




