
この記事は以下のような人を対象としています。
・学校の施設設備の管理・更新などの業務に携わる予定の人および今携わっている人。
先日、私の勤め先の学校を所管する都道府県から周知依頼がありました。
内容としては、

もうすぐ、蛍光ランプの製造が禁止になるから計画的にLED照明に交換しておきましょうね。
というものです。
私の勤め先では、とりあえず生徒が使用する教室についてLED照明への交換を実施しましたが、廊下や一部の部屋はまだ蛍光ランプのままです。

なんせ、交換になるとそれなりに工事費用がかかりますので。
資金的に余裕のない学校には厳しい出費です。
そんな状況から勘案し、私の勤め先のような都市部から離れた立地の小規模校では、こうした実情のところが多いのではと個人的に思っています。
そこで今回は、この蛍光ランプとLED照明にまつわる話を記事にまとめたいと思います。
記事の概要は以下のとおりです。
- 蛍光ランプに関する条約、法律
- LED照明工事に係るお金
私立学校事務員としては、
- 何のためにするのか:法令等の根拠の確認
- いくらかかるのか:数値化による把握
といったことを仕事を進めるうえで意識しておく必要があると思っています。
この記事がそれらの一助となれば幸いです。
【結構大ごと】蛍光ランプに関する条約、法律
まずは、根拠の確認です。
この蛍光ランプに関しては条約も関係しています。
「水銀に関する水俣条約」というものです。

正直、条約が関係しているということは、この周知依頼が届くまで私は知りませんでした。
概要は環境省のホームページに掲載されていますのでご参照ください。
水銀に関する水俣条約の概要
(環境省ホームページへのリンク)
要するに、「有害な『水銀』から地球環境や人体を守ろう」ということだと理解しています。
世界規模の割と大きな話であることを意識しておきましょう。
そして、この条約の締結に関わり、日本では以下の法律が制定されています。
その代表例が「水銀による環境の汚染の防止に関する法律(平成27年法律第42号)」です。
こちらも環境省ホームページで解説が掲載されていますので、リンクを貼っておきます。
水銀汚染防止法
(環境省ホームページへのリンク)
水銀の製造や貯蔵、管理に関するルール等が定められているものと理解しておけばよいと思います。
さらに2024(令和6)年12月に、「水銀による環境の汚染の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令」が閣議決定、公布されました。
この政令において、蛍光ランプの製造が段階的に禁止されることとなったわけです。
こちらも参考までに、環境省のホームページへのリンクを以下に掲載します。
水銀による環境の汚染の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令
(環境省ホームページへのリンク)
このような経緯を経て、蛍光ランプからLED照明への計画的な交換が求められているわけです。
なお環境省のホームページでは、どの蛍光ランプがいつから製造禁止になるかといったことが具体的な写真付きで種類ごとに掲載されています。
確認しておくと、イメージしやすいと思いますのでリンクを以下に掲載しておきます。
一般照明用の蛍光ランプの規制
(環境省ホームページへのリンク)

私の勤め先でよく見かける直感型蛍光ランプが2028(令和10)年1月1日で生産禁止ということに衝撃を受けました。
ただ、環境省の資料にもあるとおり「使用、販売、購入」は禁止されるわけではないので、今あるものを当面使用できるということには安どしています。
もし上席者などから、

LED照明工事なんか、必要ないだろう。
とか言われた際には、ぜひ今紹介した条約や法令を説明してみてください。
【費用と補助】LED照明工事に係るお金
では、実際にLED照明へ交換していくにあたって、どのくらいの費用が必要になるのでしょうか。

どのくらい必要かがわからないと計画も立てにくいですよね。
また、こうした費用に対する補助金はどうなっているのかということも気になるところだと思います。
以降は、この費用と補助金について見ていきたいと思います。
LED照明に係る工事費用
まずは費用についてです。
あくまで参考程度ですが、私の勤め先で実施したLED照明工事を例に見ていきたいと思います。
2つほど実例を挙げます。
<ケース1>
照明器具数:18台
工事代金:約29万円
<ケース2>
照明器具数:8台
工事代金:約15万円

照明器具1台あたり16,000円~19,000円程度かかるといった感じですね。
もちろん照明器具の種類や部屋の状況などによって金額も変わると思われます。
実際、教室全体に設置する照明器具と黒板灯とでは、1台当たりの金額が1.5~2.0倍ほど黒板灯の方が高くなっていました。
そして、工事を実施したタイミングも金額に大きく関わってきます。
ケース1の約1年後にケース2の工事を実施したわけですが、請求書を比較すると明らかにケース2の方が色々な部分で単価が上がっているのです。
当時もそのことには気づいていましたが、この物価高の情勢を考えるとそれほど強く値引き交渉することはできず、費用がかさむ結果となりました。

ちなみにですが、このLED照明工事に関する会計処理には注意が必要ですので、その点についても触れておきたいと思います。
蛍光ランプからLED照明への交換工事に係る費用は、基本的には「修繕費」などの経費で処理することになります。
この件については国税庁のホームページに参考となる事案が掲載されていますので、見ておくことをおすすめします。
LED照明への取換費用の取扱い
(国税庁ホームページへのリンク)
この「経費になるのかそれとも資産となるのか」という点は、経理・会計業務を担当する事務員にとって大変重要です。
なぜなら、これを間違えると最悪の場合、補助金の不正受給といったことに発展する可能性があるからです。
今は経理・会計業務を担当していない人でも重要なことなので、これを機会に覚えておきましょう。
なお、前述のとおり「基本的には」経費処理になるわけですが、工事の内容等によっては建物そのものの価値が上がったと判断されるケースも考えられます。
安易に「LED照明に交換する工事だから経費処理だ」と考えずに、必ず契約している監査法人等に工事内容を確認することを推奨します。
LED照明工事に係る補助金
LED照明への交換工事は「省エネ」や「脱炭素」といった環境保全への取組みにもつながります。
そのため、国なども補助金を支給して推進しようとしているように感じています。
文部科学省の予算要求資料の中で、「私立学校施設・設備の整備の推進」として「照明設備のLED化」を挙げているところからもその様子がうかがえます。
ただこの補助金、私の勤め先のような小規模校には申請のハードルが高い場合があるのです。
例えば、事業費の下限設定。
「200万円以上の事業でないと申請できませんよ」などといった縛りがあったりします。

こうなると、なかなか手が出せないんですよね。
そんな状況もあって、交換に二の足を踏んでいたのですが、2年ほど前に所管の都道府県からLED化に対して補助金を出す旨の通知が来たのです。
下限設定はなく、しかも事業費の3/4補助といった内容でした。
これはチャンスと思い、一気に教室照明のLED化に着手し、大部分の教室照明をLED照明へと変えることができました。
おかげで教室も以前より心なしか明るくなり、地球環境だけでなく生徒の教育環境の改善も図ることができたと思っています。
一度、都道府県や市町村などに問い合わせてみるのもいいかもしれません。
まとめ
LED照明と私立学校事務員の仕事。
一見、何の関係もなさそうですが、教育環境の改善や補助金といった点で関わりがあったりします。
普段から、都道府県等からの通知などにもアンテナを張っておくことが大切です。
また、前述したとおり、
- 何のためにするのか:法令等の根拠の確認
- いくらかかるのか:数値化による把握
といった私立学校事務員として大事な考え方を養うことにもつながりますので、こうした通知をもとに取り組んでみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

