

この記事は以下のような人を対象としています。
・日々「やるべきことに集中できていない」といった思いを抱えている人

今日も1日、集中して仕事に取り組めたという実感があんまりなかったなぁ。
仕事終わりにこんな思いが頭に浮かぶ私立学校事務員の方、おられるのではないでしょうか。
- どうすれば他人からの評価を得られるのか(他人の目)
- どれから手をつければよいのか(多すぎるタスク)
- どっちのほうが正解なんだろうか(迷い)
こうした集中を妨げる要因が、私たちの身の回りにはたくさんあふれかえっています。

民間企業に比べれば、私立学校はまだましなのかもしれませんが。
そんな要因からの影響を振り切って、「今日1日」に集中して最大限の結果を手に入れるにはどうすればよいか。
実はそのための方法があるのです。
そこで今回は、そうした今日1日に集中するためのコツが書かれた書籍を基に、そこから私が実際に取り組んでみて「これは効果があった」と実感したいというものを3つ紹介します。
その3つとは以下のとおりです。
- コイン投げで決断
- 声を出しながら行動
- 「人のため」に行動
これらを実践することで、「次にするべきこと」が明確になり、時間のコントロールを自分自身の手に取り戻すことができます。
その結果、人生への満足度がアップするというわけです。
簡単に取り組みやすいものばかりですので、皆さまも参考にしていただければと思います。
書籍の紹介
書籍名:24 TWENTY FOUR 今日1日に集中する力
著者名:堀田 秀吾
出版社:アスコム
発売日:2022年12月29日
【悩む前に】コイン投げで決断

AとB、どっちにするか決められない。
仕事に限らず、誰もがこんな悩みを経験していると思います。

私は朝食べるパンですら、買うのに20分ほど迷ったりすることがありました。
正解はないとわかっていながら、なかなか決められない「迷い」の状態に陥ると、それだけで時間がとられてしまいます。
前述した「他人の目」「多すぎるタスク」「迷い」のなかで、この「迷い」が最も集中を妨げる要因だというのが私の実感です。
それも、後から考えると、

なぜ、こんなことに悩んでいたんだろう。
というようなことだったりします。
とにかく、こうした些細なことに時間を取られないようにするためにはどうすればよいかということを考えていました。
そして、いろいろな方法を試した結果、最も有効性を感じたのが「コイン投げで決断」という方法です。
書籍で紹介されている実験が面白そうだったので、まずはそれを紹介したいと思います。
「コイン投げサイト」を1年間設置し、閲覧者に「今、決めかねていること」を書き込ませ、画面上のコインを投げさせ、表が出たら「実行」、裏が出たら「実行しない」というメッセージを表示させる。これによって約4000人の悩みを収集し、「コイン投げの決断によって人生がどう変化したか」の追跡調査を行う。 P25
「24 TWENTY FOUR 今日1日に集中する力」より引用

面白そうな実験ですよね。
コイン投げだけを体験できるサイトはありますけど。
この追跡調査を行ったところ、コイン投げの結果に従って、悩みを解決するために何らかの行動を起こした人は、半年後の幸福度が高かったそうです。
ちなみに「悩み」で多かったのが、「転職」や「離婚」だったそうです。
そんな状況を踏まえて、書籍では以下のように述べています。
「転職や離婚といった重要な問題であっても、結局、正解を選んだか否かは、その時点では誰にもわからない」「コイン投げで決めた結果を選ぶべき道だと思い、進んでいくほうが幸せである」 P25
「24 TWENTY FOUR 今日1日に集中する力」より引用
さらに、もう一つこんなことも述べています。
・不安の95%は実際には起きない。
「24 TWENTY FOUR 今日1日に集中する力」より引用
・自分の感じている不安は1年後には忘れている。
各国の研究者たちが導き出したこの研究結果は、常に私たちに「不安との戦いに負けず、前に進め」と教えています。 P63
とにかく方向をサッと決めて、行動すること。
その方法としてコイン投げは手軽で簡単にできるというのが実感です。
ちなみにですが、メジャーリーグで活躍する大谷翔平選手が、
「そこには正解がなくて、僕としてはやったことが正解というだけなんです」
という趣旨のことを発言しているようです。
私はこの発言と前述の実験結果の間に関連性があると思っています。
とにかく、正解はないのだからどんな手段をとってでも決断して、あとは「こっちを選んで正解だった」と思えるように行動する。
これが、やるべきことに集中するためのポイントだと思います。
【「よっこらしょ」には意味がある】声を出しながら行動
「迷い」はないけれども、何故か行動できない。
そんなケースもあると思います。

心の中では「やらないと」と思っているのに、身体は動かないというパターンですね。
高校事務員は特にこのケースにあてはまる傾向が高いように思います。
そういうときは「声を出しながら行動する」のがいいと書籍では紹介しています。
その部分を引用します。
不安や緊張を感じたときには、無理に脳を落ち着かせようとするよりも、興奮状態にしたほうが、より強い力を発揮することができますし、緊張がピークに達したときに、「私は興奮している」と口に出すと、脳をだますことができるのです。 P77
「24 TWENTY FOUR 今日1日に集中する力」より引用

重いものを持つ際の「よっこらしょ」の掛け声は、この一例だそうです。
ある実験では、「ジャンプ」と言わせてから垂直跳びをさせると、何も言わずに跳んだ時より高く跳べたとのこと。
声に出して脳をだまし、身体を動かさせるというわけです。
ただ、「私は興奮している」という言葉を口にするのは抵抗を感じます。

変質者っぽいですからね。
そこで、書籍では擬音語・擬態語を使ってみることをすすめています。
「サッと動く」「パッと動く」「バリバリこなす」など、行動に関する擬音語・擬態語もありますから、これらをうまく利用しましょう。 P83
「24 TWENTY FOUR 今日1日に集中する力」より引用
これなら、周りに聞かれていても問題なさそうに思います。

私はよく伝票処理など面倒くさい作業をする前には「ササッと終わらすか」と言います。
そして、一番簡単なところから手をつける。
そうすることで、順調に滑りだすことができ、結果として仕事に集中することができるわけです。
何の準備も練習も必要ない割には効果が感じられますので、皆さまもやってみてはいかがでしょうか。
【ドーパミンの刺激】「人のため」に行動
最後に紹介するのは「人のため」に行動するという方法です。
書籍では以下のように紹介しています。
何をやるべきか迷っている人、すでにやるべきことが決まっている人、「やるべきことだと思っていることはあるけど、なかなか集中できない」という人は、その行動がどんな人をどのように喜ばせるか、幸せにするかを考えてみてください。P125-126
「24 TWENTY FOUR 今日1日に集中する力」より引用
このように考えて行動した結果、以下のような状態になるそうです。
他人のために何らかの行動をとると、脳内にドーパミンが分泌され、幸福度が得られ、集中力がアップし、もっと利他的な行動を取りたくなります。 P125
「24 TWENTY FOUR 今日1日に集中する力」より引用
ただ、私のような経理・会計担当の仕事は、基本的に「他人のために」という意識を持ちづらいと思います。
そこは無理やりこじつけでもいいので、「誰を喜ばせるか」を考えてみましょう。
例えば取引先への支払業務。
これを行うことによって、取引先は従業員に給料を支払うことができるなど、お金の悩みが軽減されると思うわけです。
これを続けていくと、「処理」という言葉を使いたくなくなったという感覚があります。

「処理」というと機械的な印象を受け、「相手のために」という意識が薄れてしまうように思ったからです。
そうしたことがきっかけで、自分の仕事一つひとつについてやりがいを見いだせるようになり、それが仕事への集中につながると実感しています。
もちろん「生徒を喜ばせる」に結びつくことが一番ですので、そこをまずは考えてみましょう。
【結論】実際にやってみて実感したこと
「今日1日、何していたかな」と思うことが少なくなったように感じています。
特にコイン投げは有用性が高いです。
「どうせ正解なんてないんだから」と割り切ってコインを投げて、「ササッと終わらせよう」と口にしながら仕事に取りかかる。
これだけでも、1日のうちで無駄にする時間を減らすことができると思いますので、やってみてはいかがでしょうか。
私のような、ルーティン業務の多い私立学校事務員の人にも効果を感じていただけるというのが実感です。」
まとめ
最後も書籍の言葉を引用したいと思います。
集中して取り組んだことに対し、後づけの理論でかまいませんから、たとえば、「○○をしたのは、××のためだったんだ」といった具合に、ぜひ意味づけしてください。 「自分がしてきたこと、自分がこれからすることには、このような意味と価値がある」と考えられるようになればモチベーションが上がり、結果に左右されず、過ごしてきた時間の価値を高めることができますし、本当の意味で自分の人生を肯定できるようになります。 P155-156
「24 TWENTY FOUR 今日1日に集中する力」より引用
前述したとおり、正解がないケースの方が多いと思いますので、
- まずやってみる
- そのあとに意味づけをする
これをセットで取り組むことで、「やるべきこと=実際にやったこと」になり、1日を振り返ったときに充実感を得られると感じています。
皆さまの参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。